日本コンピューター・ダイナミクスが発売する集音器付きの骨伝導ワイヤレスヘッドホン『DenDen』をレビューしたのでレポートする。
骨伝導といえば一般的に難聴者が使用するものと思われがちではあるが、そうでない方が通常使用してもそれ以上のメリットがあると思われるので今回取り上げることにした。そもそもの音の伝わり方の概要やメリットやデメリット、使用想定シーンを動画にまとめたのでそちらもご覧いただきたい。
■骨伝導ワイヤレスヘッドホンは誰が使用してもメリットが多い!
https://youtu.be/UOWLGrid6Vg
製品は本体、集音器、ACアダプター、USBケーブル、外部入力用ケーブル、携帯用ケースが一式入っている。
本体も集音器も小さく軽いので持ち運びには困らない。
主な接続形式は次の通りだ。
・本体と集音器をペアリングして集音器のマイクで拾った音声を本体の骨伝導で聴く
・本体と集音器をペアリングして集音器の外部入力に接続した音声機器の音声を本体の骨伝導で聴く
・本体とスマホ等の機器を直接Bluetoothでペアリングして集音器を介さずに音楽等を本体の骨伝導で聴く
動画で述べた通り、スマホと直接接続することができるので音楽等を骨伝導で聴くことができる。これにより環境音が聞こえないと困るような状況では威力を発揮する。また、音声も一般的なイヤホンと比較しても悪くないのでメリットの方が多く感じられるだろう。
一般的論として人間の可聴域は20ヘルツから20キロヘルツまでと言われているが、加齢によりこの可聴域は主に高音域からどんどん狭くなっていく。子供に聞こえて大人に聞こえない音が実際に存在するのはこのためだ。別の取材でハイレゾ対応の巨大スピーカーから親子数十組に連続的に可変された周波数の音声を低音から高音にかけて発生させて可聴域を試したシーンを取材したことがある。親(大人)は聞こえなくなり早々に手を降ろしたにもかかわらず、すでに記者はもちろん記者よりも年齢の若い親にも聞こえない高音域に達しても子供はしばらくの間は聞こえていたようで親が子供の可聴域の広さと自分自身の加齢に驚愕していた。
本品の周波数特性は100Hzから15kHzであるが、鼓膜の振動では聞こえない領域であっても骨伝導では聞こえる可能性は排除できない。そのため、難聴者でなくとも加齢によりもはや気が付かないうちに聞こえにくくなった特に高音域の音が聞こえてくる場合もあると思われる。
皮膚にあたる(骨伝導という名称ではあるが接触させる部分は骨に限らない)部分はソフトで圧迫も違和感もなく、耳で空気振動をとらえて聞いているわけではないのに音声や音楽が聞こえてくる不思議な感覚は少しくせになる方式だ。
難聴者に限らず幅広い層にメリットが多い『DenDen』を家電店等で手に取って試してみてはいかがだろうか。
※写真および動画はすべて記者撮影・収録