IDCによると、2015年3Qに、世界のタブレットの出荷台数が、前年同期から、12.6%も減少したという。 2015年10月29日
IDC Worldwide Quarterly Tablet Trackerからのデータによると、世界のタブレット市場は、2015年3Qに、4870万台出荷されたが、最も少ない出荷台数を記録したという。
2014年の末に、IDCは、世界のタブレットの出荷台数が、2013年から36%増加し、5819万ドルになると見積もっていた。
北米、西欧、および、アジア/パシフィックのような、成熟市場で、地域当り、アクティブなタブレットが、1億台を超え、成長の機会が、少なくなってきた。
これらの挑戦に対応し、世界のタブレット業界は、キーボードを取り外し可能なタブレットなどの、新たな形態のタブレットで、消費者の興味を引いていた。
キーボードを取り外し可能なタブレットは、タブレット市場全体の割合で、ユーザが増えたが、IDCは、この割合が、これから18ヶ月で、劇的に増加すると期待している。
しかし、キーボードを取り外し可能なタブレットへのシフトは、ベンダの新たな取り組みであることも示している。
特に、キーボードを取り外し可能なタブレットを含み、自分たちのポートフォリオが進化しており、タブレット・ベンダは、従来のPCのOEMを合わせ、従来のスマートフォンのOEMからのプレッシャに直面するだろう。
1)タブレット・ベンダのハイライト
・Appleは、究極のタブレットが終わったかもしれないが、世界のタブレット市場において、トップの座を維持した。
Appleの自己共食いと、キーボード取り外し可能なタブレットを提供する、PCベンダからの競争が増え、iPadの出荷台数が減少した。
iPad Proの出荷が迫っており、タブレット市場は、生産性対応デバイスにシフトしている。
・Samsungのマーケティングは、自分自身と、ライバルのApple間のギャップを埋めることを助けた。
Samsungは、高級Androidタブレットのベンダの1社であるが、出荷するタブレットの大半は、ローエンドに焦点を合わせている。
タブレット市場は、キーボード取り外し可能なタブレットに向かってシフトしていることが、Samsungを刺激し、同社は、オプションでキーボードを提供する、Tab S2のような、新たなタブレットを出荷する。
・Lenovoは、ポジティブな成長を続けた後、緩やかな成長になってきた。
Lenovoのフラットな成長は、同社が、マーケットリーダであるよう心がけて、その目標を達成する手段を持っているという、ポジティブな兆候として、見なされるべきだろう。
・Asusの低コストのキーボード取り外し可能なタブレットの評判が良く、同社は、昨年、タブレットの出荷台数の増加を促した。
・Asusは、低コストのAndroidタブレットのポートフォリオのおかげで、世界のタブレットの出荷台数で、トップ5の座を捕えている。
・Huawaiは、ニッチなセルラー対応タブレットの出荷が好調であった。
同社によると、タブレットの2/3以上が、セルラー・ネットワークに接続されているという。
Huawaiは、低い帯域幅のセルラー・ネットワークで使用でき、音声電話としても、タブレットを使用する傾向が増えていることをアピールしている。
2)2015年3Qにおける、トップ5のタブレット・ベンダの出荷台数、市場シェア、成長率
(単位:100万台)
ベンダ 2015年3Q 2015年3Q 2014年3Q 2014年3Q
出荷台数 シェア 出荷台数 シェア 成長率
Apple 9.9 20.3% 12.3 22.1% -19.7%
Samsung 8.0 16.5% 9.7 17.4% -17.1%
Lenovo 3.1 6.3% 3.1 5.5% 0.9%
ASUS 1.9 4.0% 3.4 6.1% -43.4%
Huawei 1.8 3.7% 0.7 1.3% 147.9%
その他 23.9 49.1% 26.4 47.5% -9.6%
合計 48.7 100.0% 55.7 100.0% -12.6%
ソース: IDC Worldwide Quarterly Tablet Tracker、2105年10月29日
AppleのiOSベースのiPad Pro(799ドルから)、SamsungのAndroidベースのTab S2(約5万円)、GoogleのAndroidベースのPixel C(499ドルから)、ASUSのWindowsベースのTransBook(約3万5000円)、および、MicrosoftのWindowsベースのSurface 3(約8万5000円)といった、キーボード取り外し可能なタブレットが、PCやタブレット・ベンダの戦場の1つになるようだ。