2013年12月4日 和食がユネスコの無形文化遺産に登録されました。
日本特有の食材だけでなく、周辺国から伝わった食材や調味料を、長い時間かけて体系づけた「和食」という調理法が評価されたことに、誇らしさを感じた方も多いのではないでしょうか。
ユネスコに登録される前から、和食はすでに世界各地に広がっています。
懐石料理などといった、日本人でも冠婚葬祭の席でしか口にしない和食から、寿司、はてはラーメンやうどんまで、見かけない国のほうが少なくなったと言われています。
とはいえ、出汁を本格的にとったり、生魚をたくみに扱う和食は、日本本国で口にするものが食べられる国はまだまだ少ないようです。
その一つに、和食の食材や、調理法自体が国によっては違法性が問われることもあるからです。
オーストラリアでは、客の前で活け造りを調理すると罰金刑
魚やイカを半ば生きたまま盛りつける「活け造り」。お祝いの席などで出されることも珍しくありませんが、オーストラリアでは客の前で魚や海老などの生きた食材をさばくと罰金刑に処されます。
アメリカで寿司を握る時は、外科手術用のグローブをつけなければならない
アメリカの多くの州では、寿司職人が寿司を握る際に、素手で寿司を握ることが禁じられてます。(日系移民が多い地域では素でで握っても良い地域がある)
寿司職人さんは、食中毒の恐ろしさを徹底的に教育されます。そのため爪を切って、神経質なくらいまでに爪の間から手のひらまで消毒しますから、本来心配はないのでしょうけど、そこまで教育が浸透していないのでしょうか。
とはいえ、日本人からすると、ラテックス製のグローブをつけて寿司を握られると、かえって不衛生のように感じてしまう気もするのですが。
EUでは、カツオ節が安全基準から外れるため日本から持ち込めない
和食に欠かせない出汁を取る食材「カツオ節」
実は、EUでは安全基準から外れるために持ち込めないことになってるそうです。
カツオ節は、製造プロセスで煙でいぶすのですが、その煙によって発がん性物質が発生するという理由。
また、熟成させるタイプの「本枯れ節」は、青カビをつけて熟成させますが、青カビ自体も毒性を持っています。
そのため、EUのレストランでは、かつお風味の旨味調味料を使うことが多いようですが、
本格和食にはほど遠い味だとして、料理人は頭を抱えているようです。
EU圏でカツオ節を作る計画もあるようですが、和食が世界の食べ物になるためには、
乗り越えなければならない壁がまだまだあるようです。
健康にもよくて、他の国の料理にはない味や調理法もありますから、
問題を解決して、さらに世界に広まってほしいですね。
写真は 足成 http://www.ashinari.com/ より