環境省は、平成26年11月13日に、島根県で採取された野鳥の糞便から高病原性鳥インフルエンザウイルス亜種H5N8が検出されたことを公表しました。
また、この報告を受けて、農林水産省は、養鶏農家や畜産関係者に注意喚起を促すとともに、飼育している鶏などの衛生管理の徹底と、鳥インフルエンザに感染の早期発見に努めるよう通達。同じく環境省の報告を受けて、厚生労働省は、各都道府県に情報提供を行うとともに、野鳥による鳥インフルエンザ発生時の対応について周知しています。
鳥インフルエンザウイルスH5N8亜型は、季節型インフルエンザウイルスのように、空気感染によって人間に感染しないと考えられています。
しかしながら、海外の流行地では、野生の鳥や死骸に濃厚接触することによって人に感染した例が報告されています。また、野鳥の中には、人間に感染する病原体を持つ個体があることも確認されており、厚生労働省はむやみに野鳥やその死骸に触れないよう、注意喚起を促しています。
鳥インフルエンザウイルスは、鶏などの家畜へ感染が広がった場合、私たちの生活で利用する卵や鶏肉などの食材の需要に応えることが難しくなるなどといった、深刻な被害をもたらす可能性があります。
また、鶏や家畜の間で感染が広がることを繰り返すことによって、鳥インフルエンザウイルスは、人間に感染しやすいウイルスに変異しやすくなることが分かっています。
厚生労働省および国立感染症研究所は、人間に感染しやすい鳥インフルエンザウイルス(新型インフルエンザ)の発生について、数年前から研究・監視を行い、各自治体などに情報を通達していますが、現時点では神経質になりすぎる必要はないようです。
ただし、健康に関する情報は、必ずしも正確ではない情報が飛び交うことがありますから、厚生労働省や各地方自治体のホームページを参照するなど、正確性の高い情報を取る習慣をつけるほうがよいでしょう。
また、手洗いやうがいといった、インフルエンザ予防の基礎的な方法を実践するようにこころがけると、季節型インフルエンザの予防にもなり、なおベストといえます。
写真は 足成 http://www.ashinari.com/ より