10月6日、警視庁公安部は東京都杉並区在住の北海道大学生(26)ほか、複数の日本人に対して、私戦予備および陰謀の容疑で事情聴取および家宅捜索を行いました。
事情聴取を受けた北海道大学の学生ほか、日本人らは大学を休学しており、シリアに渡航して武力闘争で拡大を続けるイスラム国の外国人兵として働くつもりだったと述べている模様です。
刑法93で規定されている私戦予備および陰謀は、個人的に戦闘に参加しようとした場合に違法行為として成立します。ただし、自首した場合はその刑を免除すると規定されているため、今回事情聴取を受けている北海道大学の学生らが処罰を受けるかは微妙なところです。
外国の若者をスカウトするイスラム国の手法の謎
この事件を受けて、警察当局ならびに、外務省筋はショックを隠しきれないようです。イスラム国は、外国人義勇兵を募るサイトを運営しており、アメリカ、オーストラリア、EU各国、東南アジア各国などから渡航し、イスラム国の義勇兵として合流した若者が相当数いることが分かっています。しかしながら、必ずしも関心を寄せる若者が自主的にシリアに渡航したとは限らないことも指摘されています。
フランスでは中学生の児童が、シリア渡航後に、母親宛にメールを送ったことが確認されています。また、渡航の方法を考えると、先進国各国にイスラム国に関心を寄せる若者の渡航をサポートする人物がいるか、もしくは海外から渡航を手助けする組織が存在しているのではないかという見解もあります。
今回の、北海道大学の学生の事情聴取については、彼らが渡航するための方法が明らかになる可能性があると同時に、日本に対してイスラム国がどのようにアプローチしているのか解明できるのではないかとして、注目を集めています。
写真は 足成 http://www.ashinari.com/ より