1位が浜田省吾「もうひとつの土曜日」は意外?ナットク?  昭和ソングのYouTube再生回数ランキングが話題に

YouTubeで視聴されている昭和ソング再生回数ランキング「YouTubeで300万回以上再生された昭和のうたランキング」がTwitter上で話題になっている。

件のランキングを作成したのは昭和時代の歌謡曲やポップスを研究する昭和歌謡大好き院生(
@utatorinrigaku)
こと百井拓未(ももい たくみ)さん。

YouTubeで最も再生されている昭和の歌はいったい何なのか!?再生回数ランキングTOP100を作成しました。在宅のお供にどうぞ。

ランキングはYouTubeで300万回以上再生されている昭和時代(1926年~1989年)の歌謡曲、ポップスなど328曲を再生回数順に整理したもの。「お祭りマンボ」(美空ひばり 1952年)、「上を向いて歩こう」(坂本九 1961年)、「勝手にしやがれ」(沢田研二 1977年)、「サウスポー」(ピンク・レディー 1978年)、「ダンシング・オールナイト」(もんた&ブラザーズ 1980年)など時代を彩った大ヒット曲のほかに、イメージ的に「これ昭和だったっけ?」という曲やリリース当時は必ずしもヒットしなかった曲も案外上位にランクインしていて興味深い。

特に1980年代は昭和時代であるとは言えヒット曲の趨勢が従来の歌謡曲から現代的なJ-POPへと大きく傾いた時期。ランキング1位に輝いたのが今もJ-POPシーンの大御所として活躍する浜田省吾さんの「もうひとつの土曜日」(1986年)であったことは印象的だ。百井さんの作成したランキングに対し、Twitter上では大きな反響が起こっている。

「ありがとうございます。いろんな意外な曲が上位ランクで、勉強になりました。」

「1位のもうひとつの土曜日、12位の悲しみは雪のように、16位のJ.BOY、87位の路地裏の少年と省吾さんの楽曲が4曲も100位以内にランクインしてて嬉しくなりました!」

「なんか間違ってません?
ヒデキが入って無いわけない。」

「38位に かみふうせん/冬が来る前に が入ってますね
あまり語られる事が無い曲ですが名曲ですね
ザ ベストテンを見てた世代としては2/3はあの番組通過曲の様です
甲斐バンド、ツイスト、ゴダイゴ、ユーミンがいないのが寂しいですね〜」

「アラフィフ世代~上のお馴染みの曲が多いですね。」

「この膨大な情報を調べあげた作者さんに敬意を表します。これらを網羅するのは非常に大変と思われ、仮に「これが漏れてる」みたいな事が見つかったとしても、決して批判的にならず、作者を応援する気持ちが大切になってくると思いました。面白いデータをありがとうございます。」

百井さんにこのランキングを作成したきっかけについてお話を伺った。

--膨大なボリューム、かつ意義深いランキングで感服しました。このランキングを作ろうと思ったきっかけを教えてください。

百井:はじめYouTubeで中森明菜さんの「DESIRE」を検索したところ、再生回数が2000万回を超えていたのを見てびっくりしました。この歌は平成世代、令和世代の若者にも広く認知されている歌なので2000万回再生されててもおかしくないと思いましたが、果たして「DESIRE」以上に再生されている昭和歌謡はあるのか……?と気になり始めました(「上を向いて歩こう」や松田聖子の「赤いスイートピー」であっても、「DESIRE」の再生回数を超えていません)。そこで、「DESIRE」は1位なのか検証するため、昭和の歌に限定して再生回数ランキングを作成したわけです。

--ランキングの結果を知った感想はいかがでしたか?

百井:80年代の歌が多くランクインしそうだなぁと思っていましたが、実際そうでした。松田聖子さんの歌がほとんどランクインしていなかったのは意外でしたね〜。もし公式の動画があればもっとランクインしていたんでしょうが……。

--動画が個々のアーティストのファンに訴える内容であるかどうかも再生回数に大きく影響するということでしょうか。

百井:ランクインしていた浜田省吾さんの動画はすべて公式なので、再生回数が多いのも当然だと思いました。でも「DESIRE」が1位だと思っていた私にとって「もうひとつの土曜日」が1位なのは意外でしたね。多くのフォロワーさんも「意外!」と仰っていました。もちろんこれは名曲なので、1位になるべくしてなった歌だと思いますけどね!

--「真夜中すぎの恋」(安全地帯)や「止まらない Ha~Ha」(矢沢永吉)などリリース当時は必ずしもヒットしなかった曲やアルバム曲もランクインしていますね。

百井:この調査はテレビ番組の人気ランキングとは違って、B面曲やアルバム曲も多くランクインしていて面白いなぁ〜と思いました。「ルビーの指環」(寺尾聰)が100位だということからも分かるように、レコードの売上が凄かったからといってランキングも上位だとは限らないんですよね。そこも面白い!あと「15の夜」(尾崎豊)が15位だったところ、個人的に好きです(笑)。

--これは主観にもよると思いますが、あまり昭和感のない楽曲もガンガン上位にランクインしていますね。

百井:調査では昭和期を厳密に設定したので、1989年1月7日までにリリースされた歌が調査対象でした。その中でもバービーボーイズ「目を閉じておいでよ」は1989年1月1日発売。ギリ昭和なんですよね。それで再生回数ランキング6位という……。滑り込んでランクインした感がありますよね(笑)

--ありがとうございました。百井さんは20代の現役大学院生ととてもお若いのに昭和時代の音楽に精通されていて驚きました。最近はSNS上でも若い世代の昭和ファンがけっこういらっしゃるみたいですね。

百井:Twitterでは80年代アイドルが好きな学生さんや、ライブで懐メロを歌うアーティストさんなど、様々な方がいてとても面白いです。私は、上木あゆみさん(@ayumusic92)という、80〜90年代のシティポップスやJ-POPなどを歌うアーティストさんをフォローし、彼女が出ているライブにも行きました。あゆみさんの歌声やトークは明るくて、私たちを癒してくれます!是非Twitterをフォローしてみてください!今はコロナの影響でライブには出られませんが、収束したらまた出ると思います!上木あゆみさん、オススメです!ぜひ!

ランキングの中に読者のみなさんがYouTubeで視聴したことのある曲はあるだろうか?新型コロナウイルスの流行でご自宅に引きこもることを強いられている方も多いと思う。時間をもて余してしまった時はぜひこのランキングを参考にYouTubeで昭和ソングの世界に浸っていただきたい。

※本記事で紹介されたランキングは2020年4月5日時点のものになります

中将タカノリ

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲をフィーチャーした音楽性が注目され数々の楽曲提供、音楽プロデュースを手がける。代表曲に「雨にうたれて」、「女ごころ」(小林真に提供)など。 2012年からは音楽評論家としても活動。さまざまなメディアを通じて音楽、芸能について紹介、解説している。

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