阿波踊りだけじゃない!?徳島の見どころ美味いもん再発見~2日目~

  by 中将タカノリ  Tags :  

「阿波踊りだけじゃない、素の徳島に出会いたい」鳴門藍住神山の三市町を駆け抜けた1日目。(『阿波踊りだけじゃない!?徳島の見どころ美味いもん再発見~1日目~』https://rensai.jp/263610)
僕は『農家民宿 作良家』という神山で17代続く農家が経営する農家民宿に宿泊した。

僕は庭に置かれたキャンピングカーに泊まったのだが、本来の作良家の魅力は築150年を越える古民家の味わい。大自然の中にそびえる百姓家はなかなかに壮観で、外国人のリピーターも多いらしい。

朝ごはんも正しい日本の朝ごはん。焼き鮭があり、卵焼きがあり、梅干しや漬物があってお味噌汁。

昨夜飲み過ぎて重くなっていた胃がこれですっかり生き返った。さあ、2日目も力いっぱい徳島を駆け抜けようじゃないか。

『農家民宿 作良家』
【所在地】名西郡神山町神領字西野間240
【アクセス】JR徳島駅から徳島バスで約70分、寄居中バス停から徒歩約5分
【宿泊】素泊まり5,800円(夕食付きは+1,200円、朝食付きは+600円)
【電話番号】http://saraya3298.jp/

神山には温泉場がある。

『神山温泉』と言えば徳島では有名で、重曹を含んだ独特の食塩泉は神経痛、関節痛、アレルギー性皮膚炎などに効果があり毎日多くの人が訪れると言う。ホテルと一体になっているが、入浴だけでも利用できるので神山を訪れた方はぜひためしてみてほしい。夜は早めに終わってしまうが、朝は10時から開いているのでゆっくり朝風呂はいかがだろうか。

『神山温泉 ホテル四季の里&いやしの湯』
【所在地】名西郡神山町神領本上角80-2
【アクセス】JR徳島駅から徳島バスで約50分、神山温泉前バス停すぐ
【営業時間】10時~21時(10月~3月は20時閉店)
【定休日】第4火曜(祝日は営業)
【料金】大人600円、小人300円(3才~小学生)
【公式サイト】http://kamiyama-spa.com/

ひと風呂あびて神山土産を探しにいったのは『SHIZQ Gallery Shop』

こちらでは杉の美しい木目を最大限活かした器を作ろうと、熟練のロクロ職人の技術を借りて生み出された世界で唯一の杉の器『SHIZQ』をお求めできる。湯呑からロックグラス、お皿、ペンダントライトまで、けっして安くはないが上品で心安らぐデザインだ。

非常に軽くて口当たりもよく、自宅用にはもちろん贈答用としてもうってつけだろう。

また、近くにある木工所では木工のワークショップも開催しており、杉を切り出すところから仕上げまで、バードコールづくりを体験できる。

完成したバードコールを鳴らしながら神山の森を散策してみるのもおススメだ。

『SHIZQ Gallery Shop』
【所在地】名西郡神山町神領本上角90(キネトスコープ社内)
【アクセス】JR徳島駅から徳島バスで約50分、神山温泉前バス停から徒歩1分
【営業時間】10時~18時
【定休日】月曜(祝日は営業)
【体験料金】3,240円※7日前までに要予約
【公式サイト】https://shizq.stores.jp/

体を動かして小腹がすいてきたところで『Yusan Pizza』を訪れた。

こちらは大阪の堺から移住してきたご夫婦が古民家を改造し石窯も作って2014年にオープンした本格ピザ店だ。

無農薬の有機野菜を中心に地元の食材を使った鮮やかで素直な味付けが特徴で、僕がいただいた『大根菜のピザ』、『天日干し椎茸のピザ』も非常に美味しかった。

それも押しつけがましいところがなく、毎日食べられる家庭的な美味しさ。

日本ではどうしてもアメリカンなゴテゴテの脂ぎったピザが幅をきかせているが、本来のピザってこういうものなんだろうなと感じさせられたお店だった。

『Yusan Pizza』
【所在地】名西郡神山町神領字西青井夫359-1
【アクセス】JR徳島駅から徳島バスで約70分、青井夫バス停から徒歩約5分
【営業時間】11時30 分~14時(売切れ次第終了)
【定休日】日曜、その他不定休あり
【公式サイト】https://www.facebook.com/yusan247/

昼ごはんをいただいた後は、後ろ髪を引かれながら神山を後にし徳島市内へ。
徳島市は江戸時代以来の徳島(当時は阿波国)の文化的、商業的中心地で1日や2日では回り切れないほどさまざまな見どころがあるが、そうそう時間もないのでとりあえずその代表的観光スポットである『眉山』周辺を訪ねてみた。映画化、ドラマ化もされたさだまさしさんの小説『眉山』(幻冬舎)の舞台になった地域だ。

眉山の麓には学問の神様といわれる菅原道真を祀った『天神社』があり、さらにその境内には恋愛成就の神様として近年人気の『姫宮神社』もある。

天神社では毎朝6時半になると徳島っ子が大勢集まりラジオ体操が繰り広げられると言うが、それはさておきお参りが終わった後は風情のある寺町を山沿いにひた歩き、徳島名物の銘菓『滝のやき餅』をいただくために『和田の屋』へ。

ひときわ歴史を感じる古めかしい店構え……手際よくやき餅を焼くお母さんの姿……よく手入れされた中庭に落ちる白糸の滝……徳島でもひときわ長い歴史と品格を誇る名店だ。

滝のやき餅は名水・錦竜水(きんりょうすい)で丁寧に作った餅を菊の模様をつけて薄く焼いたもので、400年以上の歴史がある徳島人のソウルフード。

滝のやき餅を食べるためだけに開発されたフォークのようなもので口に運べば絶妙な香ばしさと上品な甘みが広がる。歯ごたえのある食感も癖になる。セットで出された抹茶との相性はバツグンで、食べては飲み、飲んでは食べてを繰り返しながらあっという間にたいらげてしまうのだった。

『天神社』
【所在地】徳島市眉山町天神山1番地(阿波踊り会館横)
【アクセス】JR徳島駅から徒歩約10分
【拝観】境内参拝自由(社務所受付9時30分~16時)
【公式サイト】http://awa-jinjacho.jp/shrine/detail.html?id=28

『和田乃屋』
【所在地】徳島市眉山町大滝山5-3
【アクセス】JR徳島駅から徒歩約10分
【営業時間】10時~17時
【定休日】木曜(お正月・花見期間・阿波おどり期間・祝祭日は営業)
【電話番号】http://wadanoya.com/

和田の屋を出るともう日も傾いた夕方。帰りの時間が近づいているがもう一息徳島の魅力を味わうため『やまなみ珈琲 三軒屋 本店』を訪れた。

徳島市は個人当たりのコーヒー消費量が全国1位になるほどの喫茶店王国。近年はカフェ形態の店舗も増え、ケーキやスイーツの競争も激しい。やまなみ珈琲は1974年に創業して以来長く地元で愛されている本格喫茶店だが、この老舗でも新興店に負けじと日夜新メニューの開発に励んでいる。

僕がいただいたのは『遊山箱』とハロウィン模様のマンゴースムージー。

遊山箱は江戸時代に子どもたちが海や野原へ出かける際に弁当を入れるために用いていた箱にケーキやクッキーを盛り付けてお腹一杯スイーツを楽しもうというもの。コーヒーとの相性はもちろんだが、マンゴースムージーで”追いスイーツ”するのもなかなかオツなもんだ。いくら食べても舌が飽きないのは徳島、大阪でケーキ職人として修行を積んだ店長ならではのテクニック。徳島で喫茶、カフェ文化の神髄を知りたかったらまずやまなみ珈琲に行くのをおススメする。

『やまなみ珈琲 三軒屋 本店』
【所在地】徳島市三軒屋町東89-2
【アクセス】JR牟岐線地蔵橋駅から徒歩8分
【営業時間】9時~18時
【定休日】水曜
【公式サイト】http://yamanami-coffee.jp/

今回、あふれる期待感とともに2日間の取材旅行を敢行したが、徳島はその期待を裏切らなかった。食べ物やスポットのことばかり書いてしまったが、1日目の記事の冒頭に書いた通り、徳島の人は情が深く、よそから来た人に優しい。また会いたいなと思う人ばかりだった。

観光業という面でははっきり言って苦戦しているらしい徳島だが、なにかきっかけさえあって実際に訪れればきっと多くの人が気に入るに違いない。この記事がその一助となれば嬉しい限りだ。さよなら徳島、また逢う日まで!

中将タカノリ

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲をフィーチャーした音楽性が注目され数々の楽曲提供、音楽プロデュースを手がける。代表曲に「雨にうたれて」、「女ごころ」(小林真に提供)など。 2012年からは音楽評論家としても活動。さまざまなメディアを通じて音楽、芸能について紹介、解説している。

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