阿波踊りだけじゃない!?徳島の見どころ美味いもん再発見~1日目~

  by 中将タカノリ  Tags :  

この夏、阿波踊りをめぐるさまざまな騒動で意図せぬ注目を浴びてしまった徳島
僕なんて無責任なもんだからテレビを観て「おお~燃えてるな!」とついついワクワクしてしまったが、民衆にああいう熱い血が通っていることはまんざら悪いことでもないと思う。

徳島出身のピアニスト、竹瀬有美さんに徳島の県民性を尋ねてみたら

「たしかに情熱的で気が強い人が多いかなー。でも情が深いし、よそから来た人にも優しいと思う。」

とのこと。それって旅行先にはぴったりな土地じゃないか!
そう聞くと居ても立ってもいられなくなり僕は旅路についていた。阿波踊りだけじゃない、素の徳島に出会うために。

関西方面から明石海峡大橋を経て徳島までは約1時間半。
入り口の鳴門市は『鳴門の渦潮(うずしお)』など風光明媚な観光資源に恵まれた街だ。

鳴門市や徳島市など徳島県東部は古くからラーメン文化が根付いており、徳島ラーメンというジャンルを形成している。
数々のラーメン店が存在するが、今回は1969年に創業して以来、長く地元で愛される『支那そば三八(さんぱ)』の黒崎店をたずねることにした。

三八のラーメンは長時間強火で煮出した豚骨に鶏ガラを加えたスープ、薄口しょうゆのかえしが特徴で、『茶系』、『黄系』、『白系』にわかれる徳島ラーメンの中でも黄系の代表格。あっさりしているが豊かで深みのある味わいだ。

僕がいただいたのは『藍甕(あいがめ)ラーメン』
テーブルに運ばれた瞬間に柑橘系のさわやかな香りがただよう。大谷焼きの重厚な器をのぞき込むとそこには一面にすだち。

そう、藍甕ラーメンとは徳島ラーメンに、さらに徳島名産のすだちをふんだんにあしらったスーパーご当地ラーメンなのだ。まさに徳島オブ徳島!

ご当地名物を強引に使ったように見えるかも知れないが、ラーメンスープとすだち果汁の愛称は非常に良く、最後まで飽きたり重く感じることなく飲み干せる。いわゆる”女性好みの味”に仕上がっているのだ。現在4店舗ある三八のなかでも藍甕ラーメンが食べられるのは黒崎店だけ。鳴門を訪れた方はぜひ体験していただきたい。

『支那そば三八 黒崎店』
【所在地】鳴門市撫養町黒崎松島157
【アクセス】JR 鳴門駅から徒歩15分
【営業時間】11 時~22 時(金・土・日曜・祝日は23時30分閉店)
【定休日】火曜、毎月1 回月曜
【公式サイト】http://www.e-sampa.net/

続けて訪れたのは同じ鳴門市内の『れんまるカフェ』

徳島はレンコンの産地として有名だが、このれんまるカフェはレンコンの加工会社が2017年8月にオープンした”コンセプトカフェ”なのだ。

店の前にはレンコン畑があり、店内に入るとレンコングッズがずらり。レンコンみたいな顔のスタッフこそいないがメニューにはもちろんレンコンをあしらったものが目白押しだ。

『れんこん玉 ミルクぜんざい』はやさしい甘味のぜんざいの中にもちもちシャキシャキ、不思議な食感のれんこん玉が入っている。

『蓮のつぼみ』は葛餡に蓮根を練り込んだ生地で、蓮根の餡や鳴門金時の餡を包んだご当地和菓子。

どれも美味しいが僕のイチオシは『フライド蓮根』

はっきり言ってそんなに期待はしていなかったのだが、口にしてびっくりした。れんこんの粘りとホクホクした食感が絶妙のバランスで、そこらへんのフライドポテトなんかよりはるかに美味しい。ビールにも合うし、ご飯のおかずにもぴったりだと思う。徳島ならではのおつまみとして今後、人気が高まっていくのではないだろうか。

『れんまるカフェ』
【所在地】鳴門市撫養町斉田字浜端北120
【アクセス】JR鳴門駅から車で約5分
【営業時間】11時~18時(金・土曜は22時閉店、日曜は20時閉店)
【定休日】火曜、第2・第4水曜
【公式サイト】https://localplace.jp/t200316896/

食事続きでお腹いっぱいになったタイミングで歴史探訪。
鳴門市からすぐお隣の藍住町『藍住町歴史観 藍の館』を訪れた。

徳島は江戸時代、染料である藍の産地として繁栄したが、この施設は往時の繁栄とその文化を現代に伝えるために運営されている。

徳島を代表する藍商人だった奥村家の屋敷、工場をほとんど当時の状態のまま公開しており、藍染の体験も可能。僕も手ぬぐいの藍染め体験をさせていただいたが、想像していた以上にナウな模様の逸品を作ることが出来てとっても満足だった。

『藍住町歴史観 藍の館』
【所在地】板野郡藍住町徳命字前須西 172
【アクセス】JR 徳島駅からバス(二条・鴨島行)、東中富バス停から徒歩5分
【営業時間】9時~17時(藍染体験は9時~16時)
【定休日】火曜(祝祭日の場合は営業)、12月28日~1月1日
【料金】入館料:大人300円、学生200円、小人150円
藍染め体験料:500円~(持ち込みの場合は1g、15円~)
【公式サイト】http://aizome-tokushima.jp/?mode=f4

藍住町には歴史的遺産のみならず現代的なショップや飲食店も多数存在する。
『農園直営 旬感ダイニング アクリエ』もその一つ。

店名からはなにやら先に訪れたれんまるカフェと似通ったコンセプトを感じるがその通り。こちらはレタスや食用藍など葉物野菜を水耕栽培するカネイファームが手がけるレストラン。

新鮮な野菜をふんだんに使った滋味あふれるお料理が売りで、カレーやパスタのような軽食から本格フレンチまで楽しむことが出来る。

僕がいただいたのは『ズワイガニと季節野菜のクリームパスタ』だが、麺に藍が練り込まれており、ソースにはレンコン、鳴門金時という具合に徳島特産の野菜がたっぷり。

添えられたフォカッチャからもかすかに藍の香りがしている。ちょっとお洒落な感覚で、日常の延長の中で美味しく徳島を味わえるメニューだった。

ちなみに藍はミネラル豊富で抗酸化作用や菌の増殖抑制作用も。江戸時代には腹痛、毒消しの薬としても用いられていたそうだ。癖もないし、もっと現代の食卓に登場するようになってもいいかもしれない。

『農園直営 旬感ダイニング アクリエ』
【所在地】板野郡藍住町奥野和田119-1
【アクセス】JR 徳島駅からバス、徳命北バス停から徒歩1分
【営業時間】11時30分~14時、17時30分~22時
【定休日】不定休
【公式サイト】https://www.aqulier.com

藍住町を後にしてお次は神山町へ。

神山町は徳島市内から車で約1時間。人口わずか5000人ばかりの山間の小さな町だが、官民一体となった取り組みが功を奏し数々のIT企業のサテライトオフィス誘致に成功。都市圏や海外から多くの技術者やアーティストが移住したことで活況を呈している注目の自治体だ。

神山町で1件目に訪れた『KAMIYAMA BEER』もオランダから移住してきた映像作家のマヌス・スウィーニーさんとアーティストのあべさやかさんが今年7月に立ち上げたビール醸造所。

神山の梅や桜の木で香り付けした『Export Strength Irish Stout(アイリッシュ系黒ビール)』、季節の柑橘と神山の在来種小麦で作った『Wheat Beer(小麦のビール)』などアイルランド出身のマヌスさんならではの本格クラフトビールをあべさんがラベルデザインしたお洒落なボトルが包んでいていかにも美味しそうだが飲んでみたらほんとに美味しかった。

特に醸造所2階のテラスで神山の自然を眺めながらのビールは最高。

今後、通販にも力を入れていくそうなので、ご興味のある方はぜひコンタクトをとっていただきたい。

『KAMIYAMA BEER』
【所在地】名西郡神山町神領字西上角280-1
【アクセス】JR徳島駅からバスで約50分、神山温泉前バス停から徒歩7分
【営業時間】土・日曜12時~20時
【定休日】月~金曜※ボトルビールは定休日でもスタッフ在住時は販売。
【公式サイト】https://www.facebook.com/kamiyamabeer/

次に訪れたのは清流・鮎喰川沿いに建つ宿泊施設『WEEK 神山』

Wi-Fi環境完備はもちろん樹齢150年の神山産ヒノキを使用した清潔な客室と、地元で採れた旬の野菜や調味料を使った美味しいコース料理が人気で、多くの旅行者や滞在者がリピーターとなっているそうだ。

今回特別にディナーだけをいただくことができたが、『藍住の贅沢トマトを使用したトマトサラダ』、『神山しいたけのカナッペ』、『祖谷産鹿ロース肉の和風ロースト』などそれぞれ非常に豊かで洗練した味わいでびっくりした。

特に鹿ロース肉は低温調理でやわらかく仕上げてあり、白味噌の甘みのあるソースとぴったり。ワインにももちろん合うが、徳島の銘酒『旭若松 雄町 純米無濾過生原酒』と合わせるとまたとないマリアージュ!骨太なテイストの旭若松が鹿の獣臭さをうち消し、肉のうまみを純粋に引き出す。白味噌のソースもいっそう香りが広がり酒、肉、ソースが三位一体となって胃の中に落ちてゆくのだ。これおススメ。

『WEEK 神山』
【所在地】名西郡神山町下分字地野57
【アクセス】JR徳島駅から徳島バスで約70分、神山高校前バス停から徒歩10分
【宿泊】1 泊2食付き7,000 円~(一人利用の場合は+1,000円)
チェックイン:15時~19時
チェックアウト:9時~10時30分
【公式サイト】http://www.week-kamiyama.jp/

ディナーの後は町の中心地、寄井商店街にある『カフェ オニヴァ』へハシゴ。

こちらは元々アップルの日本法人にお勤めだった齊藤郁子さんが2013年にオープンした南仏風ビストロ&バー。築150年を超える造り酒屋の建物をリノベーションしたハイセンスかつ温かみのある店構えで、自然本来の味にこだわったメニューづくりと数百種あるといわれるオーガニックワインの品ぞろえが評判だ。

ここで飲み食いしていると山間の田舎町に居ることをすっかり忘れてしまう。まるで東京や大阪の繁華街にあるお洒落な古民家レストランに居るような、不思議に都会的な雰囲気を感じるのだ。田舎暮らしにあこがれる人は多いが実際に移住するとさまざまな不自由があるという。利便性だけではなく、都会にはありふれている文化的な空間、お洒落な空間が無いというギャップも大きいだろう。しかし神山町の場合、このオニヴァをはじめ非常に都会的なお店や施設が点在している。都会からやってきた移住者が定着できる理由はそのあたりにあるのではないだろうかと思った。

なおオニヴァでは月に一度『みんなでごはん』というイベントを開催している。このイベントは予約制で参加者を募り、集まったメンバーとスタッフが一緒になって和気あいあいと大皿料理をいただくというもの。オニヴァのご飯が食べてみたいという方はもちろん、神山町を知りたい、移住に興味があるという方もぜひぜひ参加してみてほしい。

『カフェ オニヴァ』
【所在地】名西郡神山町神領字西野間5-1
【アクセス】JR徳島駅から徳島バスで約70分、寄井中バス停から徒歩
【営業時間】12時~ラストオーダー21時
【定休日】水曜、木曜
【冬季休暇】今回は2018年11月28日~2019年3月1日
【公式サイト】https://www.facebook.com/cafeonyvakamiyama

鳴門から藍住、神山と駆け抜けた徳島取材1日目。さほど広いとは言えない徳島県だが、土地によってさまざまに異なる魅力が、見どころが、美味しいものがあった。はっきり言って楽しいぞ徳島!2日目の記事でもいろんなスポットを取り上げているのでご興味のある方はぜひ目を通していただきたい。

続きはこちら→『阿波踊りだけじゃない!?徳島の見どころ美味いもん再発見~1日目~』https://rensai.jp/263642

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲にインスパイアされた音楽性や世界観で独自の地位を築いている。代表曲に「雨にうたれて」(2017年)。プロデュース、楽曲提供多数。 近年は音楽評論家としても活躍の幅を広げている。

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