年始はハイリスク? この時期注意したい不規則睡眠・覚醒症候群

  by 松沢直樹  Tags :  

あっという間に、お正月も3日。年末年始は、帰省したり、旅行したり、友人とカウントダウンパーティやイベントを楽しんだり。
きっと楽しいお正月を過ごされたことと思います。

とはいえ、日常と違って、生活のリズムがまるっきり違う生活を過ごされているわけですよね。その結果、睡眠のトラブルが起きやすくなる可能性が高くなるのはご存知でしょうか。

人間が規則正しく睡眠を取るのは、社会的生活に順応するための後天的な機能であり、不規則な時間に寝たり起きたりしていると、簡単にリズムが乱れて、夜に眠れなくなり、日中に眠くなったりする症状が表れやすいことが知られています。

お正月のように、夜更かしして刺激的なイベントが続く時間を過ごしていると、一般的にには、お休みが終わっても深夜にならないと眠れない「睡眠時間退症候群」に陥りやすいといわれています。中には、睡眠と覚醒の時間がバラバラな、不規則睡眠・覚醒症候群に陥るケースも指摘されています。

不規則睡眠・覚醒症候群は、一般的に先天的な脳の機能異常や、脳腫瘍、脳機能に由来する認知症、脳卒中などの後遺症などといった病気の徴候だと考えられてきました。ところが、昼に眠って、夜に作業をする方や、一日中部屋にひきこもっていて、強い光を朝に浴びない人は、このような症状が出やすくなることも分かってきました。

日常生活に支障をきたすだけでなく、体力を消耗しやすくなります。そのため、疲労がひどく、就労の継続が難しくなるなどといったトラブルも起こりやすいことがわかってきました。

このような状態に悩んでいるなら、専門医に相談することがとても重要です。しかしながら、脳の機能に異常がない場合は、生活習慣の果然で落ち着くことも珍しくありません。

まずは、意識して、一定の時間になったらベッドに入る。起きたら、多少つらくても日の光を浴びて体を完全に覚醒させるリズムを作り出すことがとても重要です。どうしても日光に当たることが難しいなら、太陽の光と同じような環境を作り出す高照度療法用のライトが市販されていますので、試してみるのもいいかもしれません。

目が覚めた後に、高照度療法用のライトをつけ、光を浴び続けることで、睡眠のリズムを司っている脳の部位が睡眠に必要な物質の分泌やリズムを調整してくれるといわれています。

平たくいえば、夜型から朝型へ体を慣らしていくわけですが、改善が見られないなら、医師と相談しながら行うほうがベストでしょう。

1年のスタートを切ったわけですから、もし、このようなトラブルが気になるようなら、専門医への相談と生活リズムの改善で、ベストなコンディションを作り出したいですね。

※写真は足成よりイメージ http://www.ashinari.com/2012/11/19-373286.php より

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長