福井で究極の魚料理を見た

  by 戸田健太郎  Tags :  

さて、その小浜市がどしたかというと、小浜市はオバマブームとは無関係に歴史のある町であるが、福井県が全国に誇るべき、さる郷土料理の発祥地であるのだ。福井県民なら誰しもが舌鼓をうつ食べ物。魚料理のキング・オブ・キングスとも言われる逸品。なのに福井県ではポピュラーなのに、数県離れただけで一気に認知度が下がってしまう。そんな小浜市名物、それが浜焼き鯖である。

若狭名産浜焼き鯖。かつて腐りやすいサバを福井から京都に運搬するのに、水揚げしてすぐ浜で焼いたことに由来する。

「なんだ単にサバを焼いているだけじゃないか」と思われるかもしれない。たしかにその通りだ。しかし脂の多いサバを一匹まるごと焼くのは専門家ではないと不可能。見た目以上に高度な技術が要求される料理なのだ。「丹念に焼き上げられ、脂を包み込むようにして仕上がった浜焼き鯖は、同じ重さの黄金に匹敵する」とは、さる福井県人の言葉。この言葉が大げさ過ぎるかどうかはまずは一口食べてみてから判断して欲しい。ただし食べる時には絶対に守って欲しいルールがある。

生姜醤油で食べること。

小皿に生姜をすりおろした醤油を用意して、ほぐした鯖の身を浸して食べる。脂たっぷりの鯖の甘みが醤油の角を削りとって風味だけが口でとろけあう。ほのかな鯖特有の臭みは生姜が完璧に消してしまう。さばという魚はこんなにも美味しかったのか。福井県に土下座してしまいそうである。世界中でこれ以上のサバ料理があるならば出して欲しい。もしそんなものがあったなら、そちらにも土下座するから。

福井県では浜焼き鯖を買って帰って家族揃ってつついて食べるのが一般的になっている。浜焼き鯖のある食卓。笑顔が耐えないはずだ。鍋をつついて親睦を深めるのも良いが、さばをつつき合って仲良くなる関係というのもアリな筈だ。もっと日本中に普及して欲しい。

 

ちなみにこの浜焼き鯖は福井県だけではなく、京都府や滋賀県や大阪府の一部でも購入することが出来る。残念ながら手に入らないという方も、鯖の切り身や、鯖の水煮缶なんかで構わないので、生姜醤油で食べてみて欲しい。さばと生姜のコンビネーションの一端でも味わっていただけるはずだ。

大阪よりインターネットラジオBS@もてもてラジ袋を毎週配信。 http://www.moteradi.com/ 市民生活の専門家。易者。自由律俳句を詠む。 旅と読書と麺類(特にうどん)とファストフードとアルコールをこよなく愛している。 日本各地の大衆居酒屋や立ち飲み屋めぐりも趣味。 JR天満駅周辺の格安飲み屋に常駐している。

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