野球のビデオ判定導入はムリ?

  by toshiharu sato  Tags :  

地上波テレビ中継の無くなった昨今、審判員が誤審をしても一般人の目に晒される事は少なかった。しかし日本シリーズでは地上波中継が入り、ファンも注目する。誤審をすれば、瞬く間に名前が広がり審判生活に支障が出るのである。だから審判たちは日本シリーズを嫌がるのだ。

 

1978年の日本シリーズ、ヤクルト対阪急の第七戦。6回裏、足立の投げた球を、大杉が引っ張る。打球は大きくポールから左に切れたように見えた。当然、ファールだと思った次の瞬間、ポール真下にいた線審富沢はホームランの判定。阪急の監督である闘将・上田利治監督は猛然と抗議。没収試合も辞さず1時間19分抗議し続けた上田監督だったが、判定が覆る事はなかった。この判定と抗議にリズムを崩した阪急は、日本シリーズ3連覇を逃す事となった。この試合は「世紀の大誤審」として33年後の今も語り継がれている。

 

33年後の2012年、またしても「世紀の大誤審」が日本シリーズで巻き起こってしまった。讀賣・加藤のファールを主審・柳田が頭部死球による危険球と判断し、ボールを投じた多田野を退場させたのだ。

 

そもそもなぜ誤審が起こるのであろうか。野球の場合審判は3時間立ちっ放しを要求される。主審は両投手の投げる全投球を判定するのである。審判経験者ならわかるだろうが、審判にとっても集中力を切らさずジャッチする事は、難しい。勢いで「ボール!」と言ってしまい言いながらストライクだったかなと思うこともあるのだ。

 

しかしプロの審判である以上、その言い訳は通用しない。そこで議論になるのが、ビデオ判定の導入だ。野球の場合ビデオ判定なら一目瞭然のケースがほとんどである。現在はホームランかファールかを判定する場合のみビデオ判定が導入されているが、アウトセーフ、ファール、ストライク、ボールなどの判定はビデオ判定が導入されていない。

 

プロ野球関係者言わせると「誤審も野球のうち」だと言う。しかし選手やファンが納得して気持ちよくプレーをする為には、ビデオ判定は必要ではないだろうか。例えばラグビーではビデオ判定が導入され、より正確な判定が下されている。ビデオ判定があれば審判の精神的負担も減り、より正確なジャッチの下選手はプレーする事ができる。なのになぜプロ野球界はビデオ判定を拒むのであろうか。

 

その疑問を解決する鍵として、こんなケースがあった。ホームランかファールかきわどい打球をある審判がファールと判定。監督はビデオ判定を要求したが「自信を持ってファールとジャッチしたのでビデオ判定は行いません」と宣言したのだ。

 

本来なら、迅速にビデオを確認すべきであった。これが審判の本音であろう。審判が自信を持ってジャッチしたものは絶対という考えなのである。自分の間違いは、認めない。相談もしない。加藤の件も、よく見える位置にいた二塁塁審が柳田の誤審を改めさせれば、何の問題もなかったのである。二塁塁審は、なぜか柳田の判定を尊重した。

 

つまり審判たちは正確なジャッチよりも審判の威厳を重視しているのである。威厳が損なわれるならば、誤審も厭わない。なぜなら、それが審判なのだから。

 

この思想がある限り、ファンがどんなに騒いでもビデオ判定が導入されることは無い。今回の誤審で「野球ってつまらないな」と思った人々が、戻ってくることは無いだろう。それが、プロ野球の審判であり、改革する気がないのだから仕方が無い。ファンはこれからも酷い誤審を目の当たりにすることになるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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