本田選手の言葉を信じよう

  by 赤いからす  Tags :  

フランスに雪辱して楽しみにしていたブラジル戦。

しかし、期待は無残に裏切られた。

開始10分くらいまで日本がボールキープをして、試合の指導権を握っていた。一方のブラジルは慎重に日本の出方を見ていた気がした。

不安は的中、前半13分にバウリーニョに先制点を奪われると、あっという間にブラジルペースになってしまった。

予兆はあった。良い感じで攻めているときでも、日本のDFのマークがずれてブラジルからヒヤッとするカウンターを何度か浴びていた。フリーでシュートを打たれた場面もあった。

その後、PKでの不運な失点があったものの、失点をズルズル重ねてしまう。

ボールポゼッション率もそんなに悪くなく、ゴール前までボールは運べた。でも、ガッチリブロックで固められ、スペースを消されたブラジルの守備を最後までこじ開けることができなかった。2列目から誰かが裏へ抜け出すなどの素早い攻撃が封じられた。

日本が人数をかけて相手ゴール付近まで攻めても、ボールを奪われ、ブラジルが4人くらいで攻める攻撃に日本はほとんどサンドバック状態になってしまった。ゴールポストに当たるなどのラッキーがなければ6-0くらいの試合展開だったかもしれない。

1-0で勝ったフランス戦とは立場が逆になった。日本はフランス戦のようにある程度攻められていたほうが、カウンターなどでゴールの決定力不足が解消される傾向がある。逆に攻撃している時間が長いと、攻めあぐねて簡単なロングボール一本でやられてしまうことがある。

今回びっくりしたのは、ブラジルが格下相手の日本に対してカウンター攻撃を徹底して仕掛けてきたことだ。意図的なのか、自然とそうなったのか知りたいところだ。

日本がブラジルのような相手と戦うとき、ロンドンオリンピックで関塚ジャパンがスペイン戦でやったように、相手にボールを持たせて前線から激しいプレスをかけるか、南アフリカW杯で岡田ジャパンがアンカーを置いて超守備的なシステムを敷くかしなければ、勝つという結果を出すのは難しいかもしれない。

FIFAランクはあてにならないが、現在ブラジルは14位。でも、今のブラジルは絶好調で、世界最強だったと信じたい。

試合後のザッケローニ監督や選手達のインタビューを聞くと、自分達がどれだけパスを回して、試合をコントロールできるか試していた節がある。

フランス戦良かった乾や細貝がミスをして、フランス戦悪かった長谷部が良い動きをしていたのは、この試合で唯一の明るい材料だった。

いや、もうひとつ明るい材料があった。

試合直後のインタビューで本田選手が「久し振りに楽しかったというのはあります」と言っていた。

惨敗したあとで、あれだけのことを言える選手はそんなにいない。

落胆するんじゃなく、目指すべきところまで、まだまだ自分達には成長の余地があるという意志表示だと信じたい。

ブラジルは10回戦って1回勝てれば御の字という相手。来年のコンフィデ杯でも対戦する可能性はあるが、その1回はブラジルW杯の本番でいい。

W杯まで多いとはいえないが、まだ時間はある。

今の時期に大差で負けておくのは、決して悪くない。と思いたい。

 

画像:from flickr YAHOO! (http://www.flickr.com/photos/norio-nakayama/4609836937/)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「野いちご」で小説を投稿しています。

ウェブサイト: http://no-ichigo.jp/read/book/book_id/58505

Twitter: @rusubin