大人だからこそ、夢語れ!!           -salud entertainmentの挑戦-

  by misaki  Tags :  

撮影:不破 光

2012年9月18日、渋谷UNDER DEER LOUNGEにて「夢プロジェクト『S.A.L.U.D#5』(通称:夢プロ)」が開催された。企画・運営はsalud entertainment(大深 譲 代表)。全国を股にかけたイベント開催数は120回にも及ぶエンタテインメント・クリエイト集団だ。

そんなsalud entertainmentの「夢プロ」、テーマはずばり『夢』。今回は総勢8名の「ドリーマー」といわれる登壇者たちが、その夢を熱く語った。

「映画のジャイアンのような、ガキ大将を育てたい」

「音楽を通して、先入観にとらわれない世界を作る」

「介護保険を使わずに、お年寄りを笑顔にできるサービスを作りたい」

ドリーマーの言葉に、来場者も真剣に耳を傾ける。笑顔になり、ときに涙する。7分間のスピーチが終わるとき、会場は優しく湧き上がるような拍手の音に包まれる。

ここで、夢プロの大きな特徴である「ドリームセッション」が行われる。ドリームセッションは、ドリーマーとコメンテーターの質疑応答のようなものだ。

「ビジネスとして甘い。継続して感動を与えるためには?」

「偏見をどうクリアしていくのか?」

「あなたに頼むメリットは?」

経験豊富なコメンテーターの言葉は鋭く、ドリーマーの表情には、スピーチ時とは違った緊張がにじむ。しかし、このセッションを終えたとき、ドリーマーの夢は、昨日までよりも具体的で実現可能性のあるものに生まれ変わる。

ドリーマーによるスピーチの合間には、詩人“たっくんコドナの落書き”によるライブペイントや難病ALS患者であるマカさんによるスピーチが行われた。たっくんの筆は力強く、『夢』に向かうエネルギーがみなぎっていた。マカさんのささやくような言葉に込められていたのは、「生きていることが喜びであり、喜びからスタートすればどんな困難も乗り越えられる」という想いだった。アートを通じて『夢』を感じたり、『生きる喜び』と『夢』について考えることができるのも、夢プロというイベントの深みだ。

この日、栄えある「ベストドリーマー」となったのは薬剤師の比留間 康二郎さん。東日本大震災が起きたとき、災害医療派遣で被災地を訪れて、自らの薬剤師としての夢・使命を見つけた。そして、「おかみ(女将)のような温かい薬剤師」になり、「誰も一人にしない社会」を作ることを宣言した。静まり返る会場。誰もが心を揺さぶられていた。

「自分が『夢を語る』なんて大それたことをするとは、思ってもいませんでした。自分を見つめ直し、何がしたいのか・何のために生まれてきたのか考えてほしい。皆さんもこの舞台に立ってみてください。めっちゃ緊張するけど、めっちゃ楽しいです!」

比留間さんの受賞コメントから伝わってくるのは、「夢を追い、語ることは、実は特別なことでもなんでもない。夢は誰もが持ちうるもの。夢に年齢制限はない」というメッセージだ。

『夢』が『昔話』になっていないか?

パイロットになりたい。女優になりたい。宇宙飛行士になりたい。お医者さんになりたい。

「なりたい」がいつの間にか「なりたかった」に変わっていないか?

「それは無理だよ」という声にかき消され、満員電車の中でしぼみ、めまぐるしく過ぎる時間の片隅で小さくなっていってはいないか?

“屈託なく『夢』を口にしていいのは子どもだけ”

“大人が『夢』を追うなんて、大人が『夢』を語るなんて、現実を見ていない証拠だ”

そんな諦めが沁み込んだ空気の中で、私たちは呼吸している。大人が夢に向かう背中を見せられない世の中で、子どもたちに何を夢見ろというのだろうか。salud entertainmentの活動は、そうした時代に真っ向から挑戦しているといえる。

今からもう一度、女優や宇宙飛行士を目指してほしい、ということではない。20年、30年、40年…と生きてきた今だからこそ、願うことがあるのではないか。考えるとワクワクしてしまうようなことがあるのではないか。

そう、それが『夢』なのだ。

「『夢』に対して“諦める”という答えを簡単に出さないでほしい。『きっかけ』を形にしていくことが、夢を叶える術です」と大深代表は語る。そうした『きっかけ』を1人でも多くの人にプレゼントするべく、salud entertainmentの挑戦は続いていく。

この日聴こえた言葉、交わされた言葉、はどれも、情熱にあふれたすばらしいものだった。余すところなく書き記すことができないのが惜しくてならない。だが、夢プロは、「場を共有することでしか感じることのできないもの」であふれたイベントだ。『夢』を持つ人はもちろんのことだが、「なんとなくやりたいことはあるけれど、『夢』と呼べるほどじゃない…」という人にこそ、夢プロで共有される空気を思い切り吸い込んでほしい。

「スピーチを聴いていたら、いてもたってもいられなくなりました。自分のやりたいことについて、帰ってじっくり考えます!!」

大深代表にそう告げて、会場を飛び出していった来場者がいたという。

心の中で、スイッチが入る音。

夢プロに訪れた人には、きっと聴こえるはずだ。

 

≪終≫

 

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