どうもこんにちは。朝食旅人のひがです。
横浜の中華街を抜けた先にあるホテルニューグランドは「日本唯一のクラシックホテル」というキャッチフレーズで知られています。そんな浪漫溢れる場所での朝食レポートです。
なぜ「唯一のクラシックホテル」なのか?
いわゆる「老舗」と呼ばれるホテルは多く存在します。おそらく誰もが知ってる帝国ホテル、ホテルオークラ。あるいはホテルニューオータニ(「御三家」なんて呼ばれたりします)。それらの老舗と比較しても「唯一のクラシックホテル」と呼ばれる所以が何かといいますと、
創業当初からの建物で営業しているホテルはココだけ!
帝国ホテルが建築界の巨匠であるライト氏によって設計されたことは有名な話ですが、現在、その建物(ライト館)は解体され、近代的なビルに変わっています。むろん、ホテルニューグランドにも新館は存在するのですが、創業(1927 昭和2年)当初の「旧館」が稼働しているのは全国でもここだけ。
なお、旅館において古くからの木造建築が使用されているケースがいくつか存在しますが。これは「(和風)旅館」というカテゴリーに属します。西洋式の建築である「ホテル」として、現在も旧館が現役なのは、実はこのホテルニューグランドだけなのです。
ホテル、あるいは旅館の多くが近代的な建物に変わってしまうのは、主に法令上(建築基準法)の問題があります。主に安全性(防火対策等)ため、昔ながらの建物が建てるのは難しい。とりわけ大勢の人が出入りする宿泊施設は安全性が非常に重視されるため、建物の老朽化によって建て替えを行う場合、(耐火基準をクリアした)近代的な建物にリニュアールせざるを得ないという問題が生じているのです。
多くの著名人が訪れた「横濱」のシンボル
飛行機がなく、船が海外への移動手段であった時代。横浜は文字通り「海外への出発点」であり、そして「日本の玄関」でした。宿泊した人物たちの名がそれを語っています。
【宿泊した主な海外の著名人】
・グロスター公(ヘンリー王子・英国王ジョージ5世の三男)
・ベーブ・ルース(野球選手)
・ダグラス・マッカーサー(米軍人)
・チャールズ・チャップリン(俳優)
とりわけマッカーサーは戦前、新婚旅行で日本を訪れたのに加え、戦後は連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の最高司令官としてホテルニューグランドに滞在した話は有名です(※315号室。いわゆる「マッカーサーズスイート」は現在も一般客が宿泊可能)。
海を眺めながら朝食を
朝食会場となる「パノラミックレストラン ル・ノルマンディ」は、地上5階にあります。
ちなみに、これまで多くの高層階を訪れました。とりわけ横浜には横浜ロイヤルパークホテル。ランドマークタワーのてっぺんにある「地上70階」という圧倒的な景観を誇る場所があります。
地上70階!絶景を眺めながらの朝食を~横浜ロイヤルパークホテル・シリウス
高層階から比べると、景観の迫力で劣るのかというと、そのようなことはありません。むしろ海が目の前にあるような距離感として、5階という高さは「ちょうどよい高さ」といっても過言ではありません。
山下公園が目の前にあるような臨場感は圧巻です。
海と公園を眺めながらの朝食を。
優雅に新聞でも読みつつ、コーヒーを一杯。
至福の一時です。
帰り際に海の写真を一枚。
海を眺めながらの朝食というのは、いつにも増して非日常感を演出させてくれます。5階という「適度な高さ」が、まるで手を伸ばせば届くかのような、あたかもテラスで食事をしているかのような臨場感を味わう。高層階とは違った楽しみがあります。そしてクラシックホテルという歴史の重みのような感覚も味わいながら。
あと、せっかくなので晴れた日を狙って行きたいものです。晴れた海の景観を眺めながら朝食を。
(おまけ)文豪が愛したバー
バー・シーガーディアンII。
「鞍馬天狗」。そして横浜が舞台の作品である「霧笛」で知られる大佛次郎(おさらぎ じろう)は昭和6年~約10年間、ホテルニューグランドで執筆活動を行っておりました。その宿泊部屋である318号室は「鞍馬天狗の部屋」と呼ばれています。
シーガーディアンIIの前身であるシーガーディアンは、執筆中、度々訪れていたといわれ、その写真も残されております。