椿山荘といえば山縣有朋、山縣卿といえば本年の大河ドラマ『花燃ゆ』のメインである松下村塾の塾生である。
そんな2015年に相応しい時間を過ごすべく、東京・目白はホテル椿山荘東京に宿泊してきた。
皆様のエクゼクティブライフの参考になればと思う。
誤解のないように明言しておくが、普段の私は高級ホテルなど無縁の生活を送っている。
東京で豪遊できるのは友人のおかげである。
最寄駅は目白
目白駅からバスでも行ける模様。
筆者は池袋で仕事が終わりそのままタクシーで向かう、料金は1000円程度。
「ホテル側に着けてください」と伝えないと、慣れていない運転手の場合、少し離れた別館で下されることもあるのでご注意いただきたい。
宿泊客としては二度目の訪問。
ラウンジでお茶とスイーツ
チェックイン時すでに16:30。ディナーは18:00から予約しているが小腹が空いたので、お茶を飲むことに。スイーツメインの庭園を望むカフェ『フォレスタ』は土日祝のみ営業とのことで、本日はロビーラウンジ『ル・ジャルダン』へ。
いつもの調子でアフタヌーンティーを、と思いきや同行人が退院直後でお腹に余裕がないとの話。食事の時間も近いので大人しくスイーツとお茶にする。
日本ではめずらしいイブニングティーがとてもキュートで是非お目にかかりたかったのだが、オーダーは18:00~とのことで断念。
『ル・ジャルダン』からも十分に庭園は一望でき、雰囲気もとてもよい。
ただ枯れ木よりは桜の季節やイルミネーションの時期のほうが盛り上がるのは間違いないだろう。
私はニューヨークチーズケーキと温かいアップルパイ、それからモエシャンドン(ロゼ)、友人はアイスピーチティーをオーダー。
ピーチティにはストローが2本。南国か!と突っ込んだがプルメリアが可愛い。椿山荘はスパの足湯の際もプルメリアが浮かんでいたこと思い出す。
リゾートではよくみる光景だが都内高級ホテルでも施術時にお花を浮かべてくれるところは少ない。
マンダリンの待合室などはインテリアやお茶にプリメリアや蘭が使われていてとても雰囲気がよいのだが、詳細は別の機会に。
前回は館内スパ『悠 YU,THE SPA』でトリートメントを受ける余裕があったが、時間の関係から今回は見送る。”極上”の名に恥じぬ、五感を満足させる素晴らしい施設だったとだけお伝えする。なにより都内で『静岡県・伊東より温泉を直送』の温泉に入れることに感動した。
またの機会にご紹介したいと思う。
豆知識を披露するとコールドドリンクでストローが2本あるのは、片方が氷で詰まったとき予備である。
ピーチティーで詰まるわけがない、と思ったが案の定詰まった。椿山荘おそるべしである。
飲み物はさておき、ニューヨークチーズケーキが素晴らしく美味い。
いろんなチーズケーキを食したが、これは別格である。
上部がカラメリゼされており、パリパリしている。
なかはしっとり、濃厚。下はこれぞニューヨークチーズケーキの醍醐味ザクザククッキー地帯。
甘すぎず、かといってさっぱりともしていない絶妙な味わい。
チーズケーキのためだけに再訪したいくらいである。
一方アップルパイは可もなく、不可もなく。といってもボリューミーだが普通に美味しい。ジンジャーアイスが乗っており、まさに冬のデザートといった感じ。
チーズケーキが期間限定でないことを祈る。
着替えてディナーへ
食事前にほぼひとりでケーキをふたつ平らげ、ストマックの空き容量に若干の不安。
同行者に合わせてドレスとヒールにしたが、レストランには地元のショッピングモールに行くようなチュニックをきてフラットな靴を召したご婦人や
街中のレストラン程度のワンピースのお嬢さんもいらっしゃったのであまり気張らなくてもよさそうである。
場所は『イル・テアトロ』。IL TEATRO=劇場という意味らしい。
内装はベネツィアングラスのシャンデリアに始まり、青が基調の地中海風インテリア。
食器・花・キャンドル・メニューすべてが美しかったが、中でも青いウォーターグラスに魅かれた。
水を注がれても元が濃色のため残量がわからないが、とにかく綺麗。
青は食欲減退効果と聞くが、かようなことはなく、御昼をがっつり食べ、ケーキも入れた女子のお腹にも無理はなかった。
冒頭でお話した、ホテルゆかりの山縣有朋卿にちなんだ限定メニュー『Aprendo ~幕開け~』も気になったがメインやパスタに魅かれ『IL FIORE ~希望の花~』に決定。
御品書き
メニューにないが御通しのようなもの
【椿油で仕上げた前菜5種盛り合わせ】
・クラテッロ・ジベッロと自家製猪の生ハム 金柑のモスタルダ添え
・蛸のテリーナと帆立貝のタルタル
・大根で巻いたインサラータ・グランキオ カネロニ仕立て
・インゲン豆とトリッパの煮込み
・フォアグラムースとポルチーニ風味のマカロン
自家製フェットゥチーネパスタ
赤ワインで煮込んだオックステールのラグーソース
イトヨリ鯛のソテー 烏賊を詰めたラビオリ添え
オレンジとシナモン風味の赤ワインソース
フォンティーナチーズをグラティナートした和牛サーロインのグリエ
冬が旬の根野菜のブラザート添え
これまたメニュー未記載、御口直しのグラニテ
いちごのドルチェ
コーヒー、エスプレッソまたは紅茶
以上。
メインのサーロインだが、筆者が脂身が苦手なためフィレ肉に変更。(+2500円ほどだったと思う)
レストランスタッフ
給仕してくださる方も、ホテルに似つかわしく気遣いの素晴らしい方ばかり。
その中でも嬉しかったエピソードを披露したい。
昨年毎月高級ホテル巡りをした筆者と友人、毎度話題になるのが、どのホテルの食事が美味しかったか。
正直私に聞かれても『銀座 うかい亭』で食べたコース、中でもなす田楽とステーキ、それからシャトーディケムとしか答えられない・・・ホテルの食事ではない。
強いて言えばホテルの料理で記憶に残っているのは、ペニュンシュラだかハイアットのカジュアルダイニングで食した『フォアグラのキャラメリゼ』であるといつも通りの回答をした。そのときちょうど給仕のお兄さんが、次の料理を持ってきた。
コースが進みメイン料理、フィレ肉のグリエ登場。
その上に乗っていたのが、なんとフォアグラのカラメリゼだったのだ。
席に来た時は何のリアクションもなかったのだが、おそらく私と友人の会話を聞いてシェフに伝え、フィレ肉への変更も手伝い私のためにわざわざ作ってくれたのだろう。突然のことできちんとお礼を言えなかったのだが、とても嬉しかった。
サービスとは
過去訪問した5ツ星と言われるホテルでも、一流と呼ばれる旅館でも、アレルギーがある食品・苦手な食材を伝えてもきちんとスタッフに引き継ぎできていないこともあった。
椿山荘は、食事中にテーブルに付くスタッフが変わっても宿泊予約時電話で伝えた、筆者が食べられない食材を全員が把握していたし、上記のようなサプライズもあり、これが”本物のサービス”だと感じた。
前回訪問時は鮨をいただいたのだが、そちらの大将が筆者の地元・福井県の某ホテルで修業していたこともあって会話がはずんだ。
出してもらった蟹はやはり福井のほうが美味しかったが、大将とのやりとりが印象に残っており愉しい思い出のひとつだ。
やはりお高級な御店ほど『人』が重要であると感じた出来事だった。
そんなこんなでディナーは最後まで気分良く、美味しくいただいた。
軟水のスパークリングウォーターが珍しいと思ったが名前が思い出せない。
部屋の写真は取り忘れたが、エクゼクティブスイートとのこと。
ベッドはアメリカシェアNo.1シーリー社「ポスチャーテックコイル」、アメニティーはロクシタン。
冷蔵庫にあった、りんごジュースが新潟産で、みかんジュースが長野産で、産地が意外だった。
終わりに
椿山荘の素晴らしいスタッフのおかげでとても素敵な時間を過ごせたことが伝わればと思う。
次回訪問の際、間に合えばイブニングキュートティーとバレンタインコースをレポートしたい。
画像は筆者撮影
【スクリーンショットはホテル椿山荘東京公式ページ】
http://hotel-chinzanso-tokyo.jp/