これまでプレート境界断層浅部は地震性滑りを引き起こさない領域とされてきた。東北地方太平洋沖地震では、海溝軸付近で約50mの水平地殻変動と、約7-10mの垂直地殻変動が推定されており、これが巨大津波発生の原因になったものと考えられている。このような大規模な地殻変動は、浅部のプレート境界断層が地震性滑りを起こしたためと考えるのが最も妥当だった。
なぜ、これまで地震性滑りを起こさない領域である海溝軸付近にまで断層運動としての破壊(滑り)が伝播したのかを調べるために、日本海溝の海溝軸付近において深海科学掘削を行った。採取された地質試料から実際に巨大地震を引き起こしたプレート境界断層を構成している岩石の種類と物性を明らかにするとともに、断層面及び近傍の残留摩擦熱の温度変化を長期(9ヶ月間)にわたり直接計測した。
参考 JAMSTEC:東日本大震災の巨大地震・津波発生のメカニズム解明
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