フランスのル・モンド紙、『従軍慰安婦』のインタビューを掲載

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ソース:http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20130920-kim-bok-dong-87-ans-ex-femme-reconfort-attend-excuses-officielles-japon-droit-femmes

 

 

フランスのル・モンド紙にいわゆる従軍慰安婦と名乗るキム・ボクドン氏のインタビュー記事が掲載されましたので、ある程度まとめたものをご紹介します。

 

 

2013年9月20日(ル・モンド紙)
かつての『従軍慰安婦』キム・ボクドン氏(87)、日本からの謝罪を求める

 

【記事まとめ】

韓国人のキム・ボクドン氏(87)は、旧日本帝国軍による占領時代(1932ー1945)に8年間、『従軍慰安婦』だったことを証言。80年代に『日本軍により性的虐待を受けた韓国人女性の会』にて証言したこともある彼女は、今日、日本政府からの正式な謝罪を求めている。

 

 

Q:あなたをどのように紹介すればいいでしょう?

私はキム・ボクドンといいます。87歳です。韓国式では88歳に相当しますが。14歳(かぞえで15歳)のときに韓国は日本によって占領下におかれました。わが国は弱小国でした。つまり韓国全国民が奴隷化された状態で生活していたのです。男子は全員、学生までもが日本軍によって駆り出されました。女性は年齢問わず誰でも捕まえては強制労働を強いたのです。若い女性が特に多かったです。

 

Q:あなた自身は?

私も日本兵に連れて行かれました。でも行き先は、日本ではなくてどこか知らない戦地でした。最初は台湾、その後は香港、マレーシア、スマトラ、インドネシアのジャワ、バンコクなどの国を日本兵に仕えて回ったわけです。

 

Q:そのような苦境が8年続いたのですね、その後何が起こったのでしょう?親族の方にはどうやって再会したのでしょうか?

そうやって8年もの間、こき使われたのです。でもその間に韓国が開放されたことなど知りませんでした。何年のことかもわからなかったのです! 苦しい時期が終わり、私たちは方々、いろいろな国に送り出されました。

 

その8年の苦境のあとも、日本側は、私たちが従軍慰安婦として利用されていたことが明るみに出ることを拒んでいました。日本兵たちは私たちを従軍病院に入れて、そこで働いていたということにしたのです。その後、米軍基地に回されたのち、私たちは韓国人とみなされ、韓国に送還されたのです。

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Q:ご家族には再会できましたか?

はい、でも真実は言えませんでした。嘘をついて過去になにがあったかということはなにも話しませんでした。私のせいでもなんでもないのですけどね。問題は、日本政府が今まで謝罪としてなにもしてこなかったことなのです。

 

 

Q:家族やその周りの方たちに対しては、恥じらいはありましたか? また過去に関してなにも言えないということでもどかしいことはありましたか?

当時の韓国では、社会全体にとても厳格な風潮がありました。韓国の社会制度は階級的要素が強い社会なんです。女性が2回結婚することすら許されないような傾向がありました。それがこの時代に蔓延していた全体的な感情なのです。 私は嘘をつき通しました。8年間、工場で働いていたといいましたが、結婚は今日に至るまでできませんでした。

 

Q:戦後、過去に起こったことに対して立ち上がる組織が80年代にできあがるまでにずいぶんと時間がかかったわけですね

ええ、ずいぶん長い時間かかりました。当時の偏見や凝り固まった考えがずっとありましたので。私はやっとそこで『従軍慰安婦』であったことを名乗ることに決めたのです。私が言わなければ、間違った情報が真実を隠してしまうと思ったからです。従軍慰安婦のコールセンタができたので思い切って自分の過去の話をしたのです。私の証言は匿名で内密にするということを確約された上でね。

 

Q:コールセンターを信頼して証言されたわけですが、最終的にあなたは自分の姿を公にされましたよね、毎週水曜日に行われる集会に参加されていたのですよね?

ええ、最初は、『日本軍により性的虐待を受けた韓国人女性の会』のサポートのおかげです。私たちが協力することで、私たちも救われるということを謳っていたので。それから20年来、毎週水曜日、日本大使館の前で抗議運動をしています。

 

Q:日本政府の要人と対面して謝罪を求める機会はありましたか?

いいえ、一度もありません。はっきり申しあげて、日本による戦時中の罪に対する謝罪はただの一度たりともされたことがありません。私自身、日本に何度も足を運んで過去に起こった真実を訴えました。しかし日本政府は、現安倍晋三総理を含め、これらの戦時中の罪を一切認めません。

 

従軍慰安婦なるものがいたということは認めています。しかし、それはあくまでも任意であり、日本人によってなされた従軍慰安婦のようなことはなかった、と言っていますから。

 

もちろん、『日本軍により性的虐待を受けた韓国人女性の会』によってなされた調査によると歴史的事実と証拠はすべて出揃っているのですよ。

 

それでも日本政府は今日にいたるまでに罪を頑なに認めないのです。京都などいくつか自治体はこの3月にやっと認めましたが、国としての承認はありません。

確かに、いくつか自治体レベルでの過去の罪に対する承認はありました。ですから、国にも承認するよう要請もしています。でも、安倍内閣は承認することなく否定を続けています。

 

この戦いは韓国人だけによって進められることではないのです。国際社会を巻き込んで世界レベルでなされるべき問題なのです。だから今回のように私はパリなどの外国にも足を運んでこのことを主張しているのです。

 

Q:日本は国連による人権に関する待遇処置を求められました。国連の人権保護委員会で、日本に賠償金を求めることを証言しましたよね、87歳でいらっしゃいますが、これからもこの戦いを続けますか?

日本政府が自分たちが戦時中に犯した罪を認めるまで、最後までやり遂げます。日本政府が、法的に賠償金をきちんと私たちに与える日まで。

 

今日では、日本の憲法第9条があるため日本は世界に兵士を派遣することはできません。だけどかつて日本軍に占領されたアジアの国々はすべて、彼らが被った苦しみを日本政府に対して糾弾しようとしません。それに対して、私たちはおかしいではないかと反対しています。

 

Q:日本での教科書ではほとんど、従軍慰安婦に関して触れていません。あなたは今後もこのことに関して学ぶべきだと要求されますか?

はい、確かに若い日本人の世代は自分たちの歴史についても世界史についてもよく理解していません。過去に起こったことすらきちんと伝えていないのです。だって日本政府は彼らが犯した罪を認めていないのですから。本当に悲しい話です。私にできることはこの状況に対して戦うことだけです。

 

Q:あなたは韓国政府からの支持を得ていると感じていらっしゃいますか?

いいえ、それはないですね(笑) 韓国政府は私たちの戦いを支持して従軍慰安婦問題を解決したいと言ってはいるものの、本当のところ、あまりその誠意を感じません。

 

私としてはあまり韓国政府のことを批判はしたくはありませんが、それでも真実は言わなければいけません。韓国政府は日本政府に向かって堂々と政府間でこの問題に取り組み、法的にも国際的にも解決しようとはしていません。だからこそ私は国際社会に訴えているのです。韓国政府が動かないのであれば、私が日本に対して行動を取らないといけないのです。

 

Q:ほかの国からの支持を期待していますか?

ええ、アメリカ、フランスなどの国、そして日本からですら私たちを支持してくれる会があります。ただこれ以上、なにができるのかは私にはわかりません。

 

Q:具体的には今、あなたはなにを期待していますか?

簡単なことです。日本政府が正式に謝罪し、法的な賠償金を私たちに支払えばいいのです。日本人は過去を見つめて歴史的に犯した罪を認めるべきなのです。もちろん、日本人に対して憎しみはありません。ただ、歴史的事実というものを認めてほしいのです。

 

Q:この過去に対しては日本はあまり積極的に取り組む様子はありませんね、国連の人権保障委員会で要請も取り下げるように望んでいるようですし……。

だからこそ、日本政府が戦時中の罪を認めるためにも国際的団結と世界からの支持が必要なのです。私たちこそがまさに犠牲者なのです。

 

今日でも多く、犠牲者はいます。現代の戦争のさまざまな状況の中で強姦される女性、性的虐待を受ける女性が多くいます。そのためにも、まずは私たちの身の上に起きた古い過去の清算することが必要なのです。そうすることが、世界で今起きている女性の人権問題の解決にもつながることだと思います。

 

Q:あなたは「全世界の女性たちへ、強くなってください」というスローガンを投げ掛けていますね。それは、あなたと同じような苦しみを経ている女性たちに、表だって抗議するために姿を現しましょう、ということでしょうか?

 

あの呼びかけは全世界の、性的暴力を受けた女性に向けて送ったものです。軍人によるものだけではありません。これらの暴力行為を清算するためにも、「パピヨン」という名前のチャリティー組織を作りました。世界中を飛び回ることができるパピヨンを意味します。

 

韓国と、世界に、寄付金を求めて、集まったお金を戦時中、もしくは今でも強姦を受けた女性たちに送るのです。ベトナムや、現在ですとコンゴなどがありますよね。犠牲者の女性は韓国だけでなく世界中にいます。単独で戦うのではなく、世界に向けて戦いをともにしなければいけません。だからこそ世界的団結が必要なのです。

<以上、翻訳まとめ終り>

 

これらの記事に対して、フランス人からは、数は少ないものの、賛否両論の意見がコメントされている。また、これらフランス人の反応を紹介した弊ブログに寄せられたコメントには、以下のように数字的に信憑性のなさを指摘するものも寄せられており、同氏のインタビューには実際のところ信憑性に欠ける部分がある。

 

2013年 – 87歳 = 1926生まれ

1932年 – 1926年 = 6歳

6歳 + 8年間従軍慰安婦 = 14歳(1945年)

 

キム・ボクドン談
14歳(かぞえで15歳)のときに韓国は日本によって占領下におかれました。 わが国は弱体国でした。つまり韓国全国民が奴隷化された状態で生活していたのです。

 

現在、中山なりあき氏らによって、韓国人女性が主張するような従軍慰安婦問題は存在しないと史料があげられているので、これらの女性たちが従軍慰安婦があったと主張するならば、反証に足る史料なり証拠を提示する必要があるだろうと個人的には感じている。

 

画像:足成さんより

大学卒業後、大手電器メーカーに就職。現在は、自営業の傍ら、物書き目指して精進中。