原子をつくる素粒子には、レプトンとクオークがある。このうち、レプトンには、「電子」「ミュ-粒子」「タウ粒子」の3種類とそれぞれと対を成す、3種類のニュ-トリノ(電子ニュートリノVe,ミューニュートリノVu,タウニュートリノVt)がある。ニュ-トリノは、電荷を持たないレプトンであり、他の粒子との相互作用は、いわゆる弱い相互作用しかない。
ニュートリノは、弱い相互作用のみで現れるもので、たとえば、放射性同位元素がベ-タ崩壊する場合には、原子核の中の中性子が陽子と電子と電子ニュ-トリノに崩壊することで、電子ニュ-トリノが発生する。したがって、原子炉からは大量のニュ-トリノが発生しているし、水素などの核融合で輝いている太陽からも大量のニュ-トリノが地球にふってきている。また、パイ中間子は、短い寿命の後、ミュ-粒子に崩壊するが、このとき、ミュ-ニュ-トリノを伴う。
ニュートリノには「電子」「ミュー粒子」「タウ粒子」の3種類があり、互いに別の型に変化し続けている。「ミュー粒子」から「電子」への変化は、実験で確認可能な変化のパターン4通りの中で唯一未確認で、2011年に国際チームが発見の兆候をとらえ、2012年に中国などのチームでは、間接的な方法で確認したと発表するなど、研究が続いていた。