東日本大震災は未だ29万8千人(2013年6月現在)の人たちが避難生活を余儀なくさせられている。その中には福島第一原発事故による、放射線物質による大地の汚染で帰れない人も多い。また、多くの農家の人が土地が汚染されていて、生活の糧が得られない状態が続いている。
土地の除染はどのくらい進んだろうか?土地の除染には、これまで表土を「取り除く」ことを中心に行われてきた。しかし、農地の場合は問題だ。そこには先祖代々受け継いできた、豊富な養分や微生物が存在するからだ。
放射生物質で問題になるのはヨウ素とセシウムだ。他にも放射背物質はあるが、特にこの2つは人体に蓄積されやすいので問題がある。だが、ヨウ素は半減期が8日と短く現在問題はない。セシウムは半減期が30年と長く100年後も0にならない。
現在、除染で放射性セシウムを吸収するのにゼオライトが使われている。しかし、たとえセシウムを吸着しても、取り除く時に他の養分やミネラル、微生物などを取り除いてしまっては元も子もない。何とかセシウムを吸着したゼオライトだけ取り除くことはできないだろうか?
もし、ゼオライトに磁性体を付着することができれば、磁石で回収することができる。そんな夢の技術を、世界で初めて開発した。愛媛大学の逸見彰男教授と青野宏通教授だ。