サーベルタイガーは、みごとに発達した牙を持ったトラである。現在では絶滅した最強の古代哺乳類である。
サーベルタイガーの一種、スミロドンは、新生代新第三紀鮮新世後期から第四紀更新世末期の約300万 – 10万年前の南北アメリカ大陸に生息していた。
肩高は約1mから1.2m。独自に発達した上顎犬歯は20センチに及ぶ短刀状の牙となり、大型動物を専門に狩るための武器として使用したと考えられる。巨大な犬歯は雌による性選択により進化したものであり、これは一種の過適応、特殊化でありこれが原因で変動する環境への適応が出来なくなり、やがて絶滅したと考えられている。
氷河期は剣歯虎が主に獲物にしていた大型動物の減少を招いた。一部はマンモスなど寒冷化に適応した大型動物を獲物にもしていたが、それも長く続かなかった。
最近、サーベルタイガーについて、バイオメカニクスに基づく新たなコンピューターモデルを駆使した研究結果が発表された。その結果、獲物を捕らえる際には、体に噛みつくのではなく、首の筋肉を使って牙を突き立てたことがわかった。あごの力はそれほど強くなかったようだ。