相栄電気株式会社より発売されたフォトレタッチソフト『PhotoReColor』(フォトリカラー)を使ってみました。
製品の特色としては「HDR機能」と多彩なフィルタ、加工編集機能が盛り込まれています。
「HDR機能とはなんぞや?」と言う事で、さっくりとHDR機能(ハイダイナミックレンジ機能)について説明致しますと「人間の眼で見た質感により近づける為の手法」となっています。
と、言うような難しいけど有り難い処理をやってくれる機能と言う事で納得しましょう。
簡単に言うと露出量の違う写真を複数枚合成して写真に「メリハリ」を付けるらしいのですが、実際には他にも色々と難しい処理をしているのです。
ソフトを使うユーザー側は「ちょっとイメージした写真と違うかな?」と悩んでしまった時に「HDR機能」を使えば悩みがスッキリ解決する場合もあります。
ただし、写真によっては「あれ?何も変わってなくね?」みたいな事もあるので、なんでもかんでも「HDR機能で解決」とはなりません。
個人的な感想だと、やはり屋外での「風景写真」とかで威力を発揮する機能かと思います。
「HDR機能」でイマイチだった場合は『PhotoReColor』の多彩なフィルタ(114種類)を使って更に細かく補正してみましょう。
色々な処理が出来ますが、特に使ってみて凄く良いと思ったのが「AI自動補正」ですね。
いわゆる「モッサリした写真」のノイズを除去したり輪郭をシャープにしたりして「キレのある写真」にしてくれます。
無論、どこをいじれば写真が良くなるのか明確に分かっている上級者は「カラーバランス」「CCDノイズ低減」「明るさ、コントラスト」辺りをぐりぐりイジれば、より好みの写真に仕上がります。
しかし、大抵の場合はとりあえず「AI自動補正」を一回やっておけばOKです。それで納得しない時に細かい画質補正に進むと言う使い方で問題ないです。
特に室内撮影でありがちな「高感度撮影によるノイズ」「ピンぼけ」「蛍光灯下でのカラーバランス」などによる失敗要素をフォローしてくれるのは有り難いですね。
他にもフォトレタッチソフトでの定番「トリミング」「サイズ変更」も備えているので、実際に写真を加工する分には『PhotoReColor』だけで、ほとんどの作業が出来ます。
簡単なペイント機能やテキスト挿入も出来るし、他のソフトを併用しなくても日常の作業は十分にこなせます。
さらに『PhotoReColor』の特色として「16ビット深度の高精度画像処理エンジン」が挙げられます。
これは8ビットで記録されている画像でも16ビットの精度で処理する為に階調の損失を最小限におさえた編集が出来るとの事。
よほどヘビーな作業をしない限りは気にならないレベルの事ですが、こういった細かい所だけど「画質」に関わる点に妥協しないってのは素晴らしいですね。
そして全体的に画面上のレイアウトが良いので気持ちよく作業出来ます。
特に作業したい写真をパソコンのファイルから読み込む時にファイルを選択すると「小さな画像」が表示されるので、写真を探すのがちょいと楽になります。
全体的にソフト自体の動作もサクサクしてるので「イラッとくる」って事はないですね。
新しいソフトなので「最近のパソコンの性能に合わせた処理をしている」って事だと思います。
例えば「昔買った高価なフォトレタッチソフト」を後生大事に使い続けるのも有りですが、やはり古いソフトは古いパソコンの性能に合わせているので最新のパソコンで動かしても処理は遅いのです。
特にここ数年で搭載するメモリの量も一段と増え、デュアルコアやクアッドコアなど目まぐるしい進歩があったので、新しいパソコンを持っているのに古いソフトを使うってのは少々もったいないですね。
やはり今のパソコンには今のソフト、しかも複雑な処理をする事があるフォトレタッチや動画編集のソフトは新しい方が絶対に良いです。
他にも画面の右側には「写真の情報」が表示され「撮影カメラの情報」「撮影日時」「シャッター速度」「絞り」「ISO感度」などが表示されるのは有り難いです。
デジカメの写真を編集しながら「何故この写真は駄目なのか?」などのヒントとなる情報が確認出来るので、自分の写真の欠点を見つめ直す人には重要な情報なのです。
簡単に言っちゃうと「自分のデジカメの癖」を覚える為に良かった時の写真の情報と駄目だった時の写真の情報を比べてみて、「より上手い写真が撮れた時の条件」(シャッター速度、絞りなど)を覚えておけば、次に写真を撮るときの参考になると言う訳です。
そんな訳で『PhotoReColor』ですが、デジカメの画像をメインに作業するには良い製品だと思います。
画面上のレイアウトが良く分かりやすい配置なので、フォトレタッチソフト初心者の人でも使いやすいです。
なんなら説明書も読まずに適当にいじってても大丈夫なくらいです。
希に「HDRって何?」みたいな疑問が出てきますが、迷ったらポチッとクリックしてOK!
結果「おおっ!HDR機能ってこういう事か!」みたいな感じで理解出来ると思います。
デジタルの良い所は「失敗しても元に戻せる」ってのがあるので、色々と触ってみると次第に使いこなせるようになるものなのです。
もう本当にソフトとかレタッチとか用語も分からないって人でも「HDR機能」と「AI機能」だけ使えば、それはそれで良い写真が出来ると思いますね。
そして個人的にイチオシなのが「価格」です。もう「ソフトが欲しいが為にペンタブレットを買う」みたいな事をしないで済みます。
初めてフォトレタッチソフトを買おうと思っている人には特にオススメの商品です。