2022年2月24日よりロシアがウクライナに軍事侵攻を開始した影響で、欧州・アジア間の国際線にも大きな影響を及ぼしています。全世界の飛行機の位置をリアルタイムで表示するウェブサービス『Flightradar24』では、ウクライナ上空を飛んでいる民間機が皆無であるほか、西側諸国の民間機がロシア上空を避けていることが確認できます。
※参考記事 「みんなウクライナの領空に入らないよう迂回してる」 民間航空機の運航状況が表示されるFlightradar24のツイートに注目集まる
https://getnews.jp/archives/3226925 [リンク]
もともとスウェーデンの航空ファンが2009年に構築・公開した『Flightradar24』。全世界のボランティアが設置した受信装置やアメリカ連邦航空局 (FAA) 、衛星からの位置情報により、全世界をカバーしています。『Flightradar24』では、衛星測位システム(GNSS)を使用した航空機監視システムADS–Bを受信して活用しています。ADS–Bでは、便名や出発地・目的地、機種、機体番号などが表示されます。
「民間航空機リアルタイムサービス」と紹介されるケースが多い『Flightradar24』ですが、ADS–Bを搭載している機体ならば受信可能なので、軍用機が表示されることもあります。実際、現在戦闘が行われているウクライナ周辺国には、米軍やNATO加盟国の軍用機が飛来していることが確認できます。
ポーランドやルーマニア上空には、アメリカ空軍のKC-135やイタリア空軍のKC-767といった給油機が定期的に待機。
黒海では、イタリア・シチリア島からアメリカ空軍の無人偵察機RQ-4グローバルホークが長時間飛行していると見られ、ロシア軍を常時監視していると推察されます。
また、リトアニアではアメリカ陸軍の通信情報収集機RC-12が2機体制で飛行。国境を接しているベラルーシの動向に目を光らせています。
このほか、ウクライナと国境を接する国々の上空には戦闘機が表示されることもあります。この場合はADS–Bなどを敢えて発信して位置を公開していると捉えるべきでしょう。ある意味、『Flightradar24』上でも情報戦が展開されていると見ることもできるかもしれません。
Flightradar24
https://flightradars24.info/ja/ [リンク]