人間万事塞翁が馬 人生は予測が立たぬもの 辛い人は救いはあると信じるのだ!

  by あおぞら  Tags :  

 2022年も既に1月中旬を過ぎました。信じられない速度で日々が過ぎていくように感じます。みなさまは如何でしょうか?

 新しい年に入るとすべてに期待感を持ち「今年はいい1年にするぞ!」と願いますが、半月過ぎてみると年初の期待値が薄れているような、そんな思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 思った通りに事が進まない、予想外の出来事が起こった、計画のとん挫...等など、いろいろ出てきますが、そういう時には決してマイナスな気持ちにならず、悲観せず、二千年以上も前の中国の思想書から生まれた故事成語『塞翁が馬』を思い出してください。

 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) の解説によると……

塞翁が馬 さいおうがうま
人生の幸・不幸は予測しがたく、幸運も喜ぶに足らず、不幸もまた悲しむにあたらないとのたとえ。昔、中国の北辺の塞上(国境の砦(とりで))に住む一老翁の飼っていた馬が、ある日のこと胡(こ)の国に逃げたが、数か月後、胡の名馬を連れて帰ってきた。ついで翁の息子がその馬から落ちて足を折ったが、そのために息子は、のちに起こった胡人との戦いにも壮丁としての徴発を免れた、と伝える『淮南子(えなんじ)』「人間(じんかん)訓」の故事による。

 ことわざを知る辞典には、人間万事塞翁が馬の解説が『人生で遭遇することの吉凶や禍福は、変転きわまりなく、容易にさだめがたい。一見悪いことがよいことにつながり、逆によさそうなことが悪しきことにつながっていく。「塞翁が馬」ともいう。』と記されています。

 落ち込むことがあり、それが永遠に続くと思われることもあり、特に若い内にそのような挫折感を味わうと、反光合成と言うか、太陽に向かう健全な精神ではなく、暗い闇に闇に心が囚われていきます。これを阻止するのは簡単ではないかもしれませんが、常日頃、この塞翁が馬の心得でいると、人生の波がわかり、悪い波が来ている時も上手くかわすことが事が出来ると思います。

 悪いことが起きてしまっても、それを踏み台にステップアップ出来る心構えが出来ます。気は持ちようで、前向きに切り替えることが出来る人は、成功率が高いのです。また、うまく行っている時も調子に乗ることなく、不安要素を考え失敗を避ける生き方をしていると、大きなリスクも少なく抑えることが可能です。

 中国のこの故事成語の威力は人生の応援団になります。辛いことがあっても腐らず、愚痴ることなく、人の責任にするような弱虫にならず、好況の時もおごることなく、威張ることなく、いいことが永遠に続くなど過信せずに、最悪の状態も同時に考えて行動をとることです。

 人間だから辛い時は先が見えなく、眠れない夜を過ごすこともありますが、大丈夫! 人間万事塞翁が馬、いいことが悪い事になったり、悪いことが良い事になったり、人間自身がコントロールできない予測不能なものが我らの人生なのです。

 1月15日付、NHKニュースの見出しの『受験生ら切りつけ 逮捕の高2「東大入りたかったが成績で悩み」』は、東大こそすべてで受験勉強してきた高校生の悲惨な事件でしたが、東大にこだわらなくても良かったんです。もし、東大以外でもきっと道は開けたのす。

 このような衝動的な殺傷事件を起こす人たちは、追い詰められて視野が異常に狭く、強迫観念で無差別に人に被害を加える傾向です。

 考え方に柔軟性を持ち、辛いことが起こってもどこ吹く風のような精神で、良いことがあれば悪いこともある、逆も然り…と自然に思える、湧き上がる気持ちを常に持っておくことです。

 寅年は始まったばかりですが、この馬の故事成語を記憶に留めて過ごすと、困難を乗り越えやすくなることでしょう….の願いを込めて、良い1年になりますように👏

ニューヨークから発信しています