Yahoo!とGREEの包括的業務提携が11月8日に発表された。
翌日の11月9日、mobageとの包括的業務提携を発表するなどと、今なお話題を振りまくソーシャルゲーム業界。
GREE、mobageを中心に、ソーシャルゲーム業界は今まさに群雄割拠の時代に突入している。
GREE、mobageという圧倒的な戦国大名に対し、オンラインゲームの雄GangHo、新興勢力のgloopsやKlab、モバイルの獅子D2Cといった、数多くの諸大名が勢力図を作り上げている。今日はいくつかのタイトルとその勢力図を紹介していこうと思う。
ソーシャルゲーム×パズルで業界を席捲
プッシュするだけの既存のソーシャルゲームにパズルの要素を追加して大成功したのは、言わずと知れたGangHoの提供するゲーム、『パズドラ』。
『パズル&ドラゴン』の略で、5色の珠をそろえていくパズルをそのゲーム要素にもっている。
3つ以上同色がそろうことで攻撃、連鎖で攻撃力が増幅するというものだ。
最近はテレビCMもスタートし、ダウンロード数も300万(2012年11月現在)を越え、今最も盛り上がっているソーシャルゲームアプリの代表格と言える。
ソーシャルゲーム×プロ野球で固定ファンを獲得
先日、オンラインゲームのネクソンにその事業が譲渡されたことで話題になったgloops。
そのゲームには日本野球機構(プロ野球)が公式に承認している『大熱狂!!プロ野球カード』というアプリがある。
実際の野球選手をカードに起用し、野球ファンを徹底的に獲得することで成功を収めている。
既にファンがいるコンテンツとの連携を図ることも、ひとつのソーシャルゲームの形となりつつあり、続々タイアップのゲームが出てきているのが印象的だ。
ソーシャルゲーム×有名マンガコンテンツで人気を獲得
Klabは、サッカーを世界のスポーツに仕立て上げたあのサッカー漫画『キャプテン翼』を取り入れ、
『キャプテン翼~つくろうドリームチーム~』というソーシャルゲームアプリを提供している。
過去の漫画のシナリオを追体験できたり、自分のチームをオリジナルで作れたりと、原作を知っていても知らなくても楽しめる内容になっている。誰もが懐かしく、いまだに愛されるコンテンツとの協業で幅広い世代を獲得している。
ソーシャルゲーム×戦国で圧倒的な支持
最後は『関ヶ原演義』を始めとした、D2Cが提供する戦国ゲームたちである。
ソーシャルゲームの勝ちパターンキーワードでもある「戦国」を巧みに活用している同社の提供する戦国ゲームは、上記の『関ヶ原演義』だけでなく、『疾風幕末演義』、『戦国女学園』、『繚乱三国演義』といったバラエティに富んだ戦国ソーシャルゲームを提供している。
AppStoreのランキング25位以内に5つのタイトルが入るなど(2012年11月9日現在)、モバイルの広告代理店であった時代から一歩進み、コンテンツプロバイダーとして急成長を遂げている。
まとめ
色々と騒がれがちなソーシャルゲーム界隈だが、問題視される一方で提供されているゲームコンテンツのクオリティは徐々に高まってきている。ただ単純にプッシュしてカードが手に入るということではユーザーが満足しなくなってきているからであろう。
GREE、mobageを中心に、「ソーシャルゲームの利用環境向上楼に関する連絡協議会(6社連絡協議会)」が発足したことで、今後は課金の問題が真剣に協議されていくことになるだろう。この群雄割拠を単純なゲーム会社同士のバトルで終わってしまうのではなく、健全なソーシャルゲーム業界が形成され、各社が切磋琢磨されて拡大していくことを願ってやまない。
※画像はAppStoreの無料ゲームカテゴリのランキング(2012年11月9日現在)のキャプチャ