「もともと商品が700種類ほどしかないから、こうしたオートメーション化が実現できる。これが大手の何万、何千万という品数になると、また違う考え方でソリューションしていくだろう」
そう話すのは、日本アムウェイの物流担当者。日本アムウェイは、豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニーによる物流システムを八王子流通センターに導入。この機材刷新にあわせ、国内に2拠点(八王子・神戸)あった流通センターを、八王子流通センターに集約した。
日本アムウェイ八王子流通センターは、1階の入荷・出荷フロアから3階の在庫フロア、5階のパッキングフロアの全3フロアにわたる物流ラインを、16億円かけて豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニー製の物流システムに刷新。
大型製品専用ライン、最新デジタルピッキング、ケース・フォーマー、ウェイト・チェッカー、ランダム・ケースシーラーなどが整然と並び、スタッフがそれぞれのライン上につく。
たとえば、最新デジタルピッキング(注文商品の選別)。スタッフは、ローラーコンベアで流れてきたピッキング用ダンボール箱(カートン)に、番号と担当カラーの灯りを照合しながら、箱に詰めていく。
「スタッフは、ユーザーの番号と、担当カラーの灯りだけを頼りに、迷うことなく注文品を箱に入れていく」ということで、ほとんどの工程でペーパレス化も実現した。しかも、購入者の個人情報や届け先などはライン上にいっさい表示されない。
次は商品を配送用の箱に詰めるライン。配送用段ボール箱は、カートン・フォーマーを通り、最適なサイズにオートで組み立てられる。途中で重さを図るウェイト・チェッカーをくぐりぬけ、箱詰め。パッキング・エリアでは、再び人の姿が現れ、彼らが緩衝材を詰めていく。
さらにオートのケース・シーラー(梱包テープ貼り)へ。番号で個別化された商品の最終コース、オート・ラベラー(発送伝票貼り)を経ていく。このオート・ラベラーで初めて、購入者の送り先や名前が出てくる。個人情報が外へ出る機会も最小限におさえられている。
日本アムウェイは、今回の物流システム刷新で、「配送リードタイムは従来の20%を短縮。生産性は25%向上。2シフト体制になり、オーダー締め切り時間も延長できた。現在は160人とスタッフも2倍に増やし、1時間900箱を出荷できる」と伝えている。
11月18日の報道公開には、日本アムウェイのピーター・ストライダム社長、同社 ディストリビューション部の櫨木哲也マネージャー、豊田自動織機トヨタ L&F カンパニーの水野陽二郎プレジデント、アメリカ大使館のキース・カーカム商務担当公使(ビデオ出演)、会員代表らが登壇。
「米国アムウェイでも、物流システムのリニューアルを豊田自動織機の子会社が担当した。今回は、その子会社とリモートで連絡し合いながら、八王子流通センターのリニューアルを手がけた。今後もメンテナンスやバージョンアップを継続していく」(豊田自動織機トヨタL&Fカンパニー水野プレジデント)