『コロナ疲れ』アイテム特集第2弾 おうち編

  by 古川 智規  Tags :  

新型コロナウイルスの蔓延でさまざまな制限や自粛が重なり、普段とは違う生活を強いられる場面がしばらく続きそうだ。
それ自体は防疫のためなので仕方のないことだと記者は考えるが、中にはそれが長続きすることに起因する「ストレス」が精神衛生の上に重くのしかかる傾向にある。
公衆衛生はよくても精神衛生が悪化するいわゆる「コロナ疲れ」を少しでも和らげることができそうなアイテムを集めてみた。不自由な生活にアクセントを添えて気分を和らげていただければ幸いである。第2弾ではもっぱら「おうち」の中でのアイテムを紹介する。

豚まん

横浜・中華街の広東料理店『招福門』(しょうふくもん)は、自宅でプロの味を再現できる肉まん材料キット『凄旨!逸品伝授・肉饅頭の素』を販売している。
肉まんならコンビニでも買うことができるし、スーパーでもレンチンでOKなものを買うこともできる。
しかし今回はある程度の完成品ながら自分で作らなければならない楽しさを体験し、しかも本格的な専門店のおいしい肉まんをご家庭で賞味していただきたく取り上げる。普段なら忙しくて時間がなく面倒なことはしない方でも今の時期は時間はあると思われるので是非チャレンジしていただきたい。

『凄旨!逸品伝授・肉饅頭の素』は、同店がブレンドした「皮」部分の粉と、味付け済みの肉だねを団子状にしてパウチ加工した「餡」のセットだ。
これ1箱で小籠包より少し大きいサイズの肉まんが4つできる。

粉をぬるま湯でこねて、パウチの肉団子を包んで、蒸すだけで完成する。
作り方の説明書のほかに、QRコードの読み取りで作り方動画を見ながらの調理もできる。粉をこねるまではボウルさえあればそんなに難しいことではない。問題は皮を伸ばして円状にする工程だ。動画ではプロが簡単に皮を作っていくが、これがなかなか難しい。麺棒やすりこぎをうまく使うことが肝になりそうだ。
とはいえ、家庭で作り家庭で食べるものなので、出来栄えを気にせずに作ることを楽しんでいただきたい。

肝心の味は、さすがプロの味で申し分ない。特に団子状になっている餡は中華料理店で食べるものと同じものだ。
長期の休みが続き、家族とはいえじっと家にいるストレス解消に親子で、家族全員で、おいしい肉まんを作って笑顔で食べてみてはいかがだろうか。

レトルトカレー

三重県桑名市のヤマモリは、ちょっと面白いレトルトカレーを販売している。
代替肉を使った次世代型の食事を体験できる「2050年カレー」3品がそれだ。
2050年に訪れるだろう食糧危機への打開策というコンセプトが開発の経緯だという。2050年には世界人口の爆発的増加や新興国・開発途上国の生活水準の向上により肉などの動物性たんぱく源が不足し、世界的な食糧危機が訪れると言われている。その時の食事はどうなっているのか…。という命題の1つの回答例として開発した本品は植物性の代替肉(大豆によるフェイクミート/ベジミート)を使ったものだ。
これまで植物性の代替肉は、肉が食べられないヴィーガンやベジタリアン向けの食品という側面が強かったが、飢餓の撲滅や資源保全の機運が高まり「持続可能な食材」として植物性の代替肉が注目を集めている。
本品は持続可能な食料資源を使った「食糧危機を救う食材」「将来、主流になるかもしれないたんぱく源」として大豆を使った代替肉を使用したレトルトカレーで、次世代型の食事を体験することができるという。
理論はともかく、面白い試みなので行動に制限が伴う今の時期にゆっくりと考えるだけではなく体験してみるという学習的側面もあり今回取り上げた。

「2050年カレー ペッパーチリ」は粒のままのブラックペッパーを入れた、爽やかな風味と後引く辛さがクセになる激辛キーマカレーである。
3種どれも「激辛」しかなく相当な辛さなので、それなりの覚悟は必要だが肉が含まれないカレーとは思えないほどおいしいのは確かである。
この激辛しかない商品設計について同社に文書で取材したところ、要旨次のような回答があった。

欧米に比べてまだ日本では関心の薄い「食糧危機」に関心をもってもらう商品に仕立てるにはどうしたらよいか、という点には非常に悩みました。インパクトのある味づくりや目を引くパッケージづくりに納得いくまでこだわった結果、本品の構想から商品化までには通常の5倍の約2年がかかりました。社内からは「パッケージにシズル写真(料理の盛り付け写真)が無くてもいいのか」、「本当にこれがカレーだと伝わるのか」、「激辛過ぎないか」という心配の声もあがりましたが、社長の「やるならとことん突き抜けたらいいじゃないか」の一言で世界観のこだわりを貫いた商品に仕上がりました。

とうことで、実験的な体験型商品であれば少々極端でもインパクトのある方が良いという同社の心意気が伝わる。

「2050年カレー 麻辣」は唐辛子のヒリヒリした辛さと花椒(ホアジャオ)のしびれる辛さ、二つの刺激がクセになる激辛キーマカレーだ。
花椒は麻婆豆腐などでおなじみの四川料理には欠かせないあのシビれる辛さである。こちらもかなり辛いのでご飯の量は多めにした方がよい。

「2050年カレー ガーリックチリ 」はがっつり効かせたガーリックの旨みと唐辛子の辛さがクセになる激辛キーマカレーである。
ガーリックの食欲をそそる香りはたまらないが、その奥に控えるトウガラシの辛さはやはり「激辛」である。

肉がなくなれば代替肉という近未来の食生活を先取りした体験型レトルトカレーだが、今まさに苦難に立ち向かわなければならない人類のことを考えつつ、今後の生活を「おうち」で総合的な視点から考える機会にしてみてはいかがだろうか。

ビーフン

ケンミン食品といえば「ケンミンの焼きビーフン」だ。同社では定番の焼きビーフンのほかにも、お米で作ったパスタやスープ用ビーフン、生春巻きチックに使えるライスペーパーも発売している。
今回はこの中から3つを調理してみたので紹介する。

「幻のカレー味」は本当に幻になったことがある商品だ。1980年代に発売し人気がありすぎて終売になったカレービーフンを復活の声に応えて3月1日に満を持してリニューアル新発売となった。
程よいカレー味で、食も進み野菜もたっぷり摂取することができるのでどの層にもおススメだ。調理らしい調理はなくフライパン1つでできてしまう手軽さも人気の一因だ。

汁ビーフンは中華スープにビーフンが入ったラーメンのようなものだが、野菜たっぷりで煮込むという点ではチャンポンにも似る。
こちらも面倒なことはなく、冷蔵庫に眠っている余った野菜や肉を炒めて、水とビーフンを加えて煮込んだ後にスープを加えればおしまい。ホッとする味わい深く温かいスープに野菜とビーフンで満腹になる寸法だ。

3品目はライスペーパー。ぬるま湯で戻して好きなものを巻くだけで生春巻きの出来上がり。
記者は生ハムやエビ等を巻いてみたが、普段外食で食べる生春巻きよりもかなりモチモチしていて分厚く、高級感と満腹感があるので作りすぎには注意だ。
ライスペーパーなので、ご飯のおかずというよりもこれだけでご飯とおかずが一緒に取れてしまう感じで便利であるうえ、お酒のおつまみにも最適とあっては、食卓に出せば家族全員で楽しむことができるちょっとオシャレなマルチお総菜の出来上がりといったところだろうか。

買い置きの食品ばかりでは健康面も心配で飽きてしまうこともあろう。しかしながら手の込んだ料理をするには食材も用意しなければならないし、今は不安が大きくお金を使いたくない状況でもあることは事実。残った野菜や肉を使っておいしいビーフンでホッと一息入れるのもいいだろう。

ピップエレキバン

磁気治療器を販売するピップは、新型コロナウイルス感染症の対策に伴い会社員の勤務状況の変化と体の不調について調査を実施した。
その結果、新たに「在宅勤務制度」を導入している企業が倍増した反面、在宅勤務をはじめた人の7割以上で「肩コリ・腰痛」が深刻化していることが明らかになったという。その要因として挙げられたのが「長時間の同じ姿勢」、「普段と違う姿勢」、「運動不足」だったようだ。当然ながら肩コリや腰痛に手軽に対処したいニーズが高まる結果となった。
そこで、記者はピップの製品をいくつか使用してみたのでレポートする。

「ピップマグネループ」は昔でいうところの磁器ネックレスのようなものだ。昔は金属の磁器ネックレスが流行っていたが、残念ながらあまりにも流行したために「老人が身に着けるもの」というイメージがあり、使いたくても手を出しにくかったという記憶が記者にもある。
しかし今の「磁器ネックレス」は違う。首にかけるだけで手軽に首・肩のコリを解消する「ピップマグネループ」は、金属ではなくゴムのような形状でパッと見はスポーツネックリングのシリコン樹脂製。ワンタッチで簡単に着脱でき、軽くて快適にフィットするので、仕事中や就寝中にも使用できる。当然ながら強力磁石を内蔵している。ガンコなコリにしっかり効く「ピップマグネループEX」、やわらかなつけごこちでやさしい磁力の「ピップマグネループ ソフトフィット」の2種類から選択可能だ。うれしいのは金属アレルギーがある方や肌の弱い方にも安心して使える点だろう。いずれの製品も医療機器認証番号を取得している。
使用してみると付けているのがわからなくなるほど軽量で装着感はなし。しかしこうしてパソコンで原稿を書いていても無意識に首を左右に振ってコリをほぐしていた動作をほとんどしなくなったようだ。記者はそれほど肩こりが気になる方ではないが、それでも無意識に行っているコリをほぐす動作がなくなったということは、それだけ効いているとみていいだろう。

「プロ・フィッツ スポーツテックタイツ」は磁石モノではないが、室内での軽い運動や買い物、散歩程度の外出時に装着してほしいアイテムだ。
はくだけで段階圧力設計の本品が加圧してくれる。足首が最も圧力が高く、太ももにかけて圧力が低くなる段階圧力設計で脚のポンプ機能をサポートする。
テーピングサポート機能として骨盤テーピング設計で骨盤まわりを引き締め、太ももテーピング設計として太ももの負担軽減を補助し脚運びをスムーズにする。
コンプレッション機能として下半身全体を圧迫し筋肉のブレを抑制し、疲労軽減をサポートする。
本来はスポーツをする人のために存在する製品だが、さまざまな機能があるので軽く体を動かす程度のことでも運動ととらえてみるのもいいだろう。もともと外で運動するときに使うものなので本品を装着して外に出ても何ら問題はないようなデザインになっている。写真は男性用でラインはネイビーだが、女性用はラインがライトグレーになっている。

「ピップエレキバン」は説明の必要はないだろう。動作原理は磁気が体内に働きかけ血行を良くし、コリの原因となる老廃物を流す。貼っている間中磁気が効くので2~5日間貼るのがおすすめとのことだ。そのままお風呂にも入ることが可能だ。磁力の強さを選べるためコリの状態によって使い分けが可能。こっているな、と思うところを指で軽く押さえ「少し痛い、気持ちいい」と感じるところに貼ったり、必要に応じてその両側や周囲に使用する。
ちなみに「ピップエレキバンMAX200」は磁束密度200ミリテスラである。そういえば昔はガウスと表示されていたような気がするが、単位系の違いであり200ミリテスラは2000ガウスに相当する。子供なら手の平と甲で磁石が落ちないくらいの強さだ。本品はもちろん医療機器認証番号取得済みである。

リベルタ

リベルタが発売する入浴剤はまるでハーブティーにつかっているような感覚を覚える面白くちょっと高級な入浴剤だ。
“ハーブティに浸かる植物浴”と銘打った『スローブリス ハーブティバスメソッド』は、粉末の入浴剤を溶かす方式ではない。

ハーブ処方でリラックス効果を狙った本品には6種類があり、それぞれの処方と期待される効果はそれぞれ別物なので、お好みのものを選べばよい。
同社では本格的なハーブ処方にこだわるためにハーバルセラピストが6種のお悩み別の入浴剤を作ったとのこと。さすが、お悩み解決アイテムのリベルタ製である。

さて、今回は3番のスローブリス ハーブティバスメソッド「クリーンボディ」を試用してみた。
キャッチコピーは「どんよりな日、重い心もお風呂で泣いたら、スッキリ流せることもある」だ。
配合されているハーブはエルダーフラワー・ダンディライオン・リコリス・レモングラスで、香りはクリアダンディライオン&レモングラス、お湯の色はクリアブラウンだ。
袋から取り出した瞬間にかなり強烈に香りが上がってくるが、これをお風呂のお湯に浸して香りを楽しむのでこの段階では仕方のないこと。

ちなみに2番のスローブリス ハーブティバスメソッド「ホットハーブ」のキャッチコピーは「冷え切った日、気持ちまで冷えそうなときはまず心から温めて」で、香りはホットカモミール&リンデン、お湯の色はウォームオレンジ、使用ハーブはカモミール・サフラワー・リンデン・ジンジャーである。

まさにハーブティーを作る要領で浴槽に入れておけば徐々につかるハーブティーの出来上がり。粉末だけではないので、成分が抽出された後の「ティーパック」には生薬っぽい「茶葉」のようなものが残る。お風呂につかると香りを楽しめ、浴室全体が天然ハーブの香りに包まれる。それだけも肺の中に十分なハーブを取り入れた気分になることができるが、お湯からも体にハーブが染み渡る感じのちょうどスーパー銭湯にあるでっかい麻袋に入れた薬草が染み出る漢方湯や薬湯と同じような感覚だ。
心身ともに疲れても癒す手段が「おうち」には少ないので、お風呂でリフレッシュするのも悪くはない。

第1弾でも書いたが、過大な恐怖心は社会をギスギスさせ、本来日本人が持つ和を尊ぶ気質が失われていくような気がしてならない。
「情けは人の為ならず」は本来こういう時に使う言葉なのだろう。「情け」とは「人情」や「思いやり」が本来の意味であり、「人の為ならず」は「人の為に・ならない」という解釈は誤りで「人の為・ではない」が正しい意味で転じて、「思いやりを持って人に親切にすることは巡りめぐって自分のためでもある」「自分にもよい報いが帰ってくる」という意味である。
自分の身は自分で守る自己防疫が最も重要だが、自分とは異なる環境で頑張っている多くの人にも心を寄せながら、あわてず騒がず常に心をリセットしていただくためのアイテムとしてご一考いただければ幸いである。

※参考記事
『コロナ疲れ』アイテム特集第1弾 店舗・サービス編
https://rensai.jp/308927 [リンク]

※写真はすべて記者撮影

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