『コロナ疲れ』アイテム特集第1弾 店舗・サービス編

  by 古川 智規  Tags :  

新型コロナウイルスの蔓延でさまざまな制限や自粛が重なり、普段とは違う生活を強いられる場面がしばらく続きそうだ。
それ自体は防疫のためなので仕方のないことだと記者は考えるが、中にはそれが長続きすることに起因する「ストレス」が精神衛生の上に重くのしかかる傾向にあるのもまた事実である。
公衆衛生はよくても精神衛生が悪化するいわゆる「コロナ疲れ」を少しでも和らげることができそうなアイテムを集めてみた。不自由な生活にアクセントを添えて気分を和らげていただければ幸いである。第1弾ではアイテムではなくテイクアウトができる店舗やいわゆる3密を避けての心の癒しを目的に取材した事例を紹介するが、緊急事態宣言等による不要不急や夜間の外出を自粛要請されていることから、それぞれの使い方や時期を含めて紹介することとした。

記事の内容は緊急事態宣言発出前の取材日現在のものです。追加取材で最新の情報に更新することに努めましたが、情勢が流動的なために各サービスの詳細についてはその都度ホームページ等でご確認ください。

HI茶(タピオカ)

FILLERSが運営する『Hi茶』は、全国に10店舗(都内8店舗 千葉1店舗 奈良1店舗)のタピオカミルクティー店である。タピオカが人気を得て久しいが、まだまだ人気上昇中だ。もちろんタピオカミルクティーが基本だろうが、同店ではあくまでも「お茶」である基本を押さえつつ、さまざまな商品を提供する。
基本的にテイクアウト専門なので人が滞留することもなく、自宅でもオフィスでも持ち帰ってゆっくりとお茶をしてほしい。

記者が取材をしたのは千葉県市川市の本八幡店(最寄りはJR総武緩行線・都営新宿線本八幡駅・京成本線京成八幡駅)だ。商業地と住宅地のはざまにある同店だが見ていると地元の高校生やOLさんが買い求めていた。
実は同店のドリンクは現在日本で売られている中では比較的安価で内容量も多いのが特徴である。写真はMサイズではあるがどのメニューも概ね500円以下で相当の量があるので、その場で飲み切らなくても自宅やオフィスに持ち帰ってゆっくりと飲むことができる。ほっと一息が二息にも三息にもなるコストパフォーマンスに優れたドリンクなのである。
例えば写真中央右のパッションフルーツジャスミンティーは、パッションフルーツの甘酸っぱいジュースのようだが、舌で味わっていくと後でジャスミンティーの花の香りが確かに感じられるストレスフリーなお茶だった。

高校生のお小遣いでも気軽に買える価格設定のため、「街のオシャレなタピオカ店」という表現がよさそうなお店だった。若い女性の専売特許のようなタピオカドリンクだが、オフィスでみんなで一息入れて気分転換をはかったり、男女たがわず家族でゆっくりお茶の時間を持ちつつこういう時だからこそ団らんのひと時を過ごしてみてはいかがだろうか。

<追記>緊急事態宣言発出により自由が丘店について4月末日まで臨時休業が決定しています。

シンフォニークルーズ

クルーズといっても宿泊をともなういわゆる大型の長距離クルーズ船ではない。東京港をめぐるレストランクルーズ船である。街のレストランが海上に出たものと考えていただいて問題ない。シーライン東京が運航する「シンフォニークルーズ」に乗船した。
さて、このレストランクルーズ船を取り上げた理由はまさにコロナでつかれた心を癒していただきたいためである。本来の目的であるレストランでの食事をしながらの海上クルーズは後日の別稿に譲るとして、今回は乗り物マニアの記者も知らなかった意外な乗船の仕方を中心に紹介する。
それは「素乗り」つまり、レストランを利用せずにただ乗船する方法だ。同社のクルーズは毎日時間帯により4航路を運航している。すなわち、ランチクルーズ、アフタヌーンクルーズ、サンセットクルーズ、ディナークルーズである。それぞれ食事や茶菓子が付いたクルーズが基本だが、従来から乗船のみの利用も可能であった。この素乗りを利用して疲れた心を癒していただこうというわけだ。
乗船場所は日の出桟橋。ゆりかもめの日の出駅から徒歩2分のところに乗り場がある。

記者が乗船したのはもっとも乗船時間の短いサンセットクルーズだ。日の出桟橋から台場沖、レインボーブリッジを経て回頭、品川ふ頭沖を経て日の出桟橋に戻る約50分の航路だ。
乗船のみの旅客は、オープンデッキやラウンジでくつろぐことになるが、短い時間なのでぜひともデッキに立って普段は見ることができない海上からの東京の街を眺めていただきたい。
海上は陸上のどこよりも換気がよく、レストラン利用客はメインダイニング等の室内にいるのでデッキ上は人が密集していなくて、大人数で乗船しなければ密接もない、いわゆる3密とは無縁の環境で短い時間ではあるが非日常の光景を心に刻んでいただきたい。

同社では2隻の船舶を保有していて、今回記者が乗船したのは「シンフォニー モデルナ」で全長83.2メートル、総トン数2618トンだ。どの船舶も宿泊施設はないのでいわゆる個人のキャビン(船室)はない。レストランで使用するダイニングも見たが、やはりカップルでの利用を考慮して元から席は近くない。
また、遊覧船としての特徴もあり、船橋(ブリッジ)よりも高い位置にも展望デッキがあるので360度を見渡したい場合は最上階を目指すといいだろう。

本項目で最後に少しだけマニアな話を。写真は同船のブリッジを船長の取材許可を特に得て撮影したものだが、もし船舶マニアの方や記者もそうだが小型船舶操縦士の免許をお持ちの方は、ぜひ海図や参考図を持参してオープンデッキに立ちたい。当たり前だが海図通りの航行施設を海上から見ることができるので船長になった気分も味わえる。運がよければ小笠原に行くおがさわら丸を見ることもできるし、海上保安庁の船舶や商船は常時ながめることができるだろう。
ちなみに、本船のスラスター(船を横方向に動かす推進装置で主に転回や着岸に使用する)の威力はかなりのもので、東京港内で回頭するときや着岸する際の能力は圧巻だ。最近は大型船でもスラスターを備えるが、あくまでもタグボート(細かい動きが苦手な大型船を押したり曳いたりする強力な動力性能を備える小型船)を必要としない程度の能力とスピードだ。本船のようなサイズで狭い港内であっという間に回頭してしまうのはダイナミックというほかない。

同社の乗船のみの運賃を記しておく。なお乗船のみの場合であっても座席定員には含まれるので立席や自由席というわけではなく、食事がないので乗れるだけ何人でも乗せるということでもない。乗船後に自分の座席はキチンと確保されているので、指定座席に荷物を置いてデッキに出るなり売店に行くなり自由に過ごしてかまわない。海上で撮影をしたい方は重い機材を座席に置いて必要なカメラだけをもって構図を吟味できるのはありがたいのではないだろうか。同社によると主にラウンジの席が指定されるとのことで、別途料金を支払いラウンジでお茶を飲みながら乗船を楽しむことも可能ということだ。

<追記>同社では緊急事態宣言発出のため5月6日までの期間は運休が決定していますのでご注意ください。なお電話による問い合わせと予約については5月1日の午前10時から再開するとのことです。

クルージングプラン(乗船のみの大人運賃)
ランチクルーズ    1150-1400 3200円
アフタヌーンクルーズ 1500-1550 1600円
サンセットクルーズ  1620-1820 3200円
ディナークルーズ   1900-2130 4000円

現状では不必要に出歩くことは難しいが、環境が外出を許せる時期が来れば本船のデッキに立ち、いつも歩いている東京の街を海上から眺めてみてはいかがだろうか。きっとカモメたちが大歓迎してくれるだろう。

鶏のジョージ

モンテローザが運営する「鶏のジョージ」を取材した。今回の目的は2つある。
まずは、居酒屋というと大人数で大宴会というイメージがあるが、とてもではないが今の状況ではそれはできない。しかし、意外と個室調の部屋は多くあり普段から一緒にいる家族とであれば宴会ではなく食事を取る場としての利用はできないかという点。
2つ目は、居酒屋としての利用はしなくてもテイクアウト可能な店舗であればご飯のおかずにもなる居酒屋メニューが家庭で楽しめるのではないかという点。以上2つの面から取材した。
いずれも家族のために懸命に買い物をして社会全体が「コロナ疲れ現象」で疲弊している中でメニューを考えて料理するママにせめて料理をする時間に休息を取っていただきたいと考えたからでもある。もちろん単身者には安全であたたかくておいしいものを手軽に食堂代わりに使えないかとも考えてみた。

まずは食堂としての利用法だ。同店はレギュラーメニューはドリンクを含めて全品280円(税別・以下同じ)だ。写真手前は春のおすすめメニューで「藁焼き鰹のたたき大漁盛」(1380円)で、写真奥が「藁香る藁焼き鰹のたたき」(380円)である。新鮮で香ばしいカツオのたたきが腹いっぱい食べることができる。パパとママはちょっとお酒を、子供はこれにご飯ものを注文すれば立派な夕食になりはしないだろうか。
実はご飯ものにはお茶漬けのような居酒屋定番メニューもあるのだが、カレーライス(280円)や同店ではもはやネタとして有名なレギュラーの約4倍ある「バカ盛カレーライス」(888円)もあるので、単身者が腹いっぱいご飯を食べて帰るという手もアリだ。

ネタとしてのバカ盛であれば写真の「バカ盛フルーツ青汁パフェ」(888円)を外すことはできまい。
外観もなにもないビールジョッキに詰め込んだパフェは、同社オリジナルの「青汁の粉」が振りかけられている。これが全く青汁らしくなる何ともフルーティー。ただし通常の4倍(通常のパフェはもちろん280円)あるので記者が食べきるのに20分はかかったことは申し添えておく。なお、でかいからといってシリアルでごまかしたりはしていない。もちろんシリアルは入っているが、その下にもたっぷりとアイスクリームが詰め込まれていて、思わず「ホットコーヒー!」と言いたくなる。
例えば家族で食事に来た場合は大人が飲んでいる間に子供にこのパフェをシェアさせて楽しむという方法はいかがだろうか。
意外なのは子供は食べ放題のポップコーンに夢中で、お財布にも優しく家族で楽しむこともできそうだ。
飲み食べ放題のメニューや、単品飲み放題が付けられたりとリーズナブルだが、飲みすぎは心も声もでかくなるのでほどほどに。マスクを着けて酒は飲めない。

同店紹介の最後に、テイクアウトの話をしておこう。同社では4月25日までの期間限定で「鶏のジョージ」「豊後高田どり酒場」等の居酒屋6ブランドにおいてテイクアウトメニュー一部半額キャンペーンを実施している。記者が取材した「鶏のジョージ」について紹介すると焼き鳥は2本セットで280円なのだが、そのすべてについてテイクアウトは半額になる。
さらに居酒屋に付きものの「とりあえず串の盛り合わせね~!」というお得なセットメニューも半額になる。もし5種や10種盛り合わせでいいのであれば、店内での盛り合わせセット価格から半額になるという破格だ。(写真は10種で税込みでも702円)
記者が近隣のスーパーマーケットのお総菜コーナーで売られている焼き鳥よりも確実に安く、電話して予約しておけば買い物の帰りに店舗に寄って取りに行くだけの手軽さだ。おそらくスーパーで割引シールが貼られるのを待ってたとしても同店の方が安いだろう。月内をめどにネット予約も受け付ける準備をしているそうなので、単身者でも帰りの電車の中からネットで注文をして駅前の店舗で待ち時間なく引き取って帰り、家でゆっくり飲むという芸当も可能だ。

すべての人に通用するわけではないが、少しでもママの負担を減らし、家族のきずなで乗り切るためにもだんらんの場にコスパ抜群な居酒屋メニューを取り入れるのも一考だろう。半額にはならないその他のメニューについては、テイクアウトできない生ものや汁物等を除いて、持ち帰り用の折り詰めに入るものであれば対応は可能とのことなので店舗で直接相談してみていただきたい。

<追記>緊急事態宣言発出により一部の店舗では時短営業等の措置がとられています。お近くの店舗情報をご確認のうえでご利用ください。

第1弾では、外食やサービスについて3点を取り上げた。それぞれの生活にも制限がかかり、暮らしにくい日常生活が続くがその中でも懸命に頑張って工夫を凝らしているところも多い。不要不急の外出をするべきではないのは言うまでもない。しかしそれがために気が滅入ってしまっては勝てるものも勝てない。「病は気から」とはいうが、なにも精神論で打ち勝てということではなく、過大な恐怖心やパニックでうろたえていては隙ができてしまうので気は強く持とうという意である。通勤、買い物、通院、散歩の道すがら等、事情が許せばお考えいただきたい。
第2弾では個別の商品について取り上げる。

※参考記事
『コロナ疲れ』アイテム特集第2弾 おうち編
https://rensai.jp/311060 [リンク]

※写真はすべて記者撮影

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

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