【VR360動画】「夜の銀ブラ」をお店の連携で楽しむ!銀座でフレンチ・バー・締めの3軒ハシゴ

  by 古川 智規  Tags :  

銀座といえば、言わずと知れた日本でも有数な繁華街であり歓楽街でもある。一流の商店が立ち並び飲食店もまた同様である。
銀座で食事をするとなると高級で一歩引いてしまう感もあるが、そんな銀座で3軒ハシゴしようというのが今回の企画である。それも迷うことなくリーズナブルにそれでいて特別感があるようにということで、同じ会社が運営する3軒を選択して回ることにした。題して「夜の銀ブラ」大作戦。ちなみに本来の銀ブラは「銀座をぶらつく」ではなく「銀座でブラジルコーヒーを飲む」であるとされるが、現在ではどちらの意味も含まれるようなので前者の意味を採用して題することにした。

以前に銀座の油そば店である「ににんがし」を取材して記事にしたが、同店を運営する株式会社クロコが銀座で運営する店舗を選択した。理由は簡単で、お店選びに困ったときに相談すれば案内してくれて、席の予約からサービスまでを違う業態であるにもかかわらずワンストップで行ってくれる安心感があるからである。お高いというイメージがつきものの銀座でも頼ってしまって問題ないので、フレンチだけ予約してあとはお財布と腹具合に合わせてお店のスタッフに丸投げしてしまおうというわけである。
本稿にはVR360動画を2本収録して埋め込んであるので合わせてご覧いただきたい。
今回同行してもらったのはモデルの入月あやのさん。銀座にも詳しい流行の最先端を行くプロモデルなので、お店での過ごし方は彼女に任せてしまうことにした。
では、最初にお食事からスタート。

フレンチレストラン「CACHETTE965」

フレンチレストラン「CACHETTE965」は、銀座は晴海通り沿いのビル地下にある隠れ家的なフレンチレストランだ。地理的には日比谷線銀座駅が最も近い。近いというよりも駅の上だ。B4出口を上がったところにあるが、そこは一流ブランドのお店ばかり。その地下にあるのだから、これまた一流のレストランといえるだろう。
しかしリーズナブルな値段でおなかいっぱいコース料理を楽しませてくれるのでご安心を。

これから紹介するメニューは同店の「コースカシェット」で5800円(税抜き・チャージ料500円別)とリーズナブルなものだ。飲み物は別だが、予算に合わせてシェフに任せてしまっても外すことはない。それは後にわかることになる。なお、メニューは1月のものなので月により異なる。

「先付 Amuse Bouche 食前の愉しみ」は、ずばりオリーブである。4種類の味付けの異なるオリーブでまずは食前酒を楽しむ。オリーブなんてと思うかもしれないが、これがどうして、なかなかおいしい。

塩味の効いたオリーブでスパークリングの食前酒となると、雰囲気がぐっと良くなる。

そしてスモークされた数の子。おせち料理で食べた方も多いと思うが、それをスモークしてしまうと不思議と違う味わいになる。非常に煙たい味だが、お酒がすすむ。

フレンチを食べていることを忘れさせるが、趣のある器とフォークで食べることからも、やはりフレンチだと認識していただきたい。
同店のフレンチは器にもこだわりがありそうで、無機質な西洋料理が盛られた白皿で出てくるばかりではない。

前菜 Entreは、「965パテドカンパーニュ」と「天然海老のオレンジマリネ」との選択だ。
パテドカンパーニュとはフランスのローカル料理で、肉のうまみを凝縮してペースト状にしたレバーを合わせて固めたもの。ねっとりと濃厚で深い味わいはお酒にもバケットにつけて食べてもOKな気取らない料理だ。

入月さんが選択したのは「天然海老のオレンジマリネ」で、ぷりぷりのエビにオレンジソースが爽快な女子絶賛の前菜である。

「魚料理 Poisson 金目鯛のヴァプール ハーブの香りのマリニエールソース」は、キンメダイを使ったまるで和食のようなおいしい料理だ。とはいえソースには白ワインやバターを使っているのでやはりフレンチには違いない。
下に敷かれたナスも絶品で、「これはワインを飲んでいる場合ではない。日本酒が会うに決まっている」と漏らした記者の言葉を聞いたシェフは待ってましたとばかり、日本酒を取り出してきた。佐伯亘彦シェフはリッツカールトン大阪で勤務、フランスでも修業した一流のシェフだ。そしてフレンチと日本酒とのペアリングにも力を注ぐ方なので、記者の漏らした言葉は渡りに船だったわけだ。記者の予想は大当たり、というよりもシェフの選択が大正解でキンメダイをおいしい日本酒といただくことができた。こういうフレンチに日本酒という一見非常識とも思える何気ない気持ちに応えてくれるシェフが存在するのも食事に大きなアクセントを添える要因だろう。

入月さんもこのキンメダイはお気に入りのようで、「クセがなくて香ばしくて幸せ」と感嘆することしきり。

彼女には日本酒ではなくポップコーンのシロップ「1883」が入ったハイボールが勧められた。最初は「ポップコーン?」と不思議がっていた彼女だが、フランスではポピュラーなシロップのようで、ポップコーンの香ばしさとスイートコーンの香りが不思議なハイボールだとのこと。
これもお気に入りのようで、「ぜひともボトルを見てみたい」とのたっての希望で厨房から持ってきてもらい撮影。シロップでお酒ではなくお菓子にも使えるとのことなので、彼女は買い求めるのかもしれない。新しい発見も食事の楽しみの一つだ。

「肉料理 Viande トリュフ香る ホロホロ鶏のロティ」は、ちょっと聞きなれないホロホロ鶏という鶏肉料理だ。ホロホロチョウはフランス料理でよく使われるようで現在はフランスでも飼育されている。原産はアフリカのギニア湾一帯で、英名は「ギニアの鶏」という意味の”Guineafowl”。おおざっぱな分類ではキジの仲間だが、ニワトリがキジ目キジ科であるのに対して、ホロホロチョウはキジ目ホロホロチョウ科で異なる。
ニワトリよりも歯ごたえがあるにもかかわらず柔らかく全くクセがない。食べる機会自体がありがたい料理だった。

ここでメニュー外のアラカルトを注文した。
「965TKG」である。何のことはない「卵かけご飯」のことだ。
しかし、このTKGは同店の名物料理ということであえて注文した。卵黄とご飯がすでに混ざっているのであえて混ぜる必要はない。上に乗ったメレンゲに降りかかるのはトリュフだ。
これだけで通常のTKGとは全く違ったものであることは想像に難くないが、香りはトリュフで、味は卵黄(トリュフの味付けを施したもの)だけを使った濃厚なTKG、そしてふわふわのメレンゲがボリューム感を添えるという絶妙なバランスの上に成り立っている。ぜひとも食べていただきたい逸品だ。

コース料理に戻り、「〆料理 Plat final 特注麺 カラスミパスタ」。
モチモチのパスタにカラスミをあえたクリーミーなパスタだ。カラスミの塩気と濃厚な味わいをクリーミーなソースが包み込む一体技だ。
カラスミは主にボラの卵巣から作られるが、南欧でも作られている。日本の三大珍味の一つで和名のカラスミは中国の墨に似ていることから「唐墨」に由来するといわれる。

最初の数の子はニシンの卵、アラカルトで注文したTKGは鶏卵、そしてカラスミはボラの卵巣というように気が付けば卵尽くしであった今回のフレンチだった。
しかしまだデザートが残っている。

「甘味 Dessert 文旦のコンポート」はブンタンのコンポートをアイスクリームに添えたものだ。ブンタンはミカン属の単一種で、昔はザボンという名称が一般的だった。日本でもよく食べられるはっさくやグレープフルーツもブンタンを元にして作られたといわれている。
非常に大きな果実だが、水分は少なく食べごたえがある。そのブンタンにアイスクリームの甘みがよく合うさわやかなデザートだった。

では、同店でのメインディッシュの様子を収録したVR360動画をご覧いただこう。
■「夜の銀ブラ」CACHETTE965
https://youtu.be/dEd5-jc36IQ

これで、フレンチレストラン「CACHETTE965」での食事は終了。食後に徒歩圏内で1杯飲みたいとリクエストすれば次のお店を案内してくれる。人手に空きがあれば連れて行ってくれるという。もちろん今回は取材なのであらかじめ予約はしているのだが、同店でも急なリクエストには空席の確認と予約と案内をワンストップで引き受けてくれるので、相談してみるといいだろう。同じ会社の運営が光る技である。

ティルナノーグ

「CACHETTE965」から徒歩数分でカフェバー「ティルナノーグ」に到着する。晴海通りから1本入ったビルの地下で、ここも隠れ家的な存在感だ。
都営バス「銀座四丁目」停留所(数寄屋橋・有楽町駅前方面行)からなら徒歩1分程度だ。

店内は非日常の空間が漂っており、決してファンシーではないファンタジーの世界観が広がる。

詳細は書かないので、ご自身の目で世界観を堪能していただきたい。
同店は昼間はカフェとして営業しており、別の日に訪ねてアイスコーヒーを飲んでみたが、香り豊かで苦みがガツンとくる好みの味だった。
今回は夜のバーの時間帯だ。オリジナルカクテルが面白いというので、食後のゆったりした時間をカクテル片手に語らうにはよい空間だ。この時間帯のチャージ料は1000円だ。

「オールドマン ミランズ サワー」はシソの香りがさわやかなオリジナルカクテル。
柑橘系のジュースを数種、紫蘇シロップ、紫蘇の葉、卵白等を使った手間のかかるカクテルで、飲みやすく爽快感がある。

「ヘヴン ロンリー フロウ」は、グラスが見えないので何のカクテルかわからないが、とりあえず上に乗った綿菓子が目を引く。

その綿菓子の大きさたるや入月さんの顔2つ分はある超ド級の迫力。いくらモデルで小顔とはいえ、この大きさは一瞬で女子の心をつかんでしまう。
肝心のレシピは、ホワイトラムベースでレモンジュース、ラズベリーシロップ、ミントを加えソーダを満たした甘酸っぱいものだ。綿菓子の甘さがちょうど合うようにカクテル自体はそれほど甘くない。食べ方というべきか、飲み方というべきか、とにかく自由に楽しんでいただきたい。店内は暗いので撮影の際にはシャッタースピードが稼げないので手振れに注意だ。

「レッド ヴェルヴェット エスプレッソ マティーニ」は、真っ赤なムースのようなショートカクテルだ。
通常、マティーニというとドライジンにドライベルモットというのがレシピだが、これはウォッカがベースなのでウォッカティーニに近い。しかし、ホワイトチョコレートリキュールやエスプレッソが入っており、焙煎されたコーヒー豆をかみ砕くと、甘めのベースのお酒に苦みが効いて男性的な味になるから不思議だ。

カクテルは1400円から1700円程度で、先のフレンチと合わせてもまだ1万円を超えない。記者はまだ食べられるが、どうしても彼女に食べてもらいたいスイーツがあるので腹ごなしに少し歩いて締めの油そばを食べに行くことにする。場所と空席状況はスタッフに聞くと問い合わせてくれるので、気軽に訪ねてみるとよい。

油そば ににんがし銀座

油そば「ににんがし」は、有楽町駅と新橋駅の間、少し有楽町寄り数寄屋橋通りにある。外堀通りにある都営バス「銀座西六丁目」停留所からだと徒歩2分ほど。なお20時以降は都営バスは中央通り経由になり少し遠くなるので注意。

油そばは東京(武蔵野)発祥のラーメンで、基本のだしに好みの調味料で自分で味付けして食べる。「ににんがし」という店名の由来も、それぞれ2種類のラー油と酢で味付けすると4通りの味わい方ができるという意味からである。
同店の油そばは以前に記事にしたことがあるので詳細はそちらも参照していただきたい。

※参考記事
【VR360動画あり】この冬に行きたいお食事特集!~お手軽からご褒美まで~
https://rensai.jp/294116 [リンク]

記者はまだ食べられるので大盛りを、入月さんは並盛にした。通常は大盛りでちょうどよいくらいの量である。
さて、特に入月さんに食べていただきたかったのは、記者イチオシの写真左「杏仁豆腐」である。ゴマ豆腐のような弾力と、チーズケーキのような甘さが特徴の美味しいスイーツで、これだけを売ってもいいくらいの絶品である。
油そばは、このままでとりあえず食べてみて、多数そろえられている調味料を駆使して「自分味」に染めていく。思いのほか辛い調味料は少しずつしか出ないようになっているので、かけすぎることのないように注意したい。太ちぢれ麺は出汁や調味料によくからみ、麺そのものの量の割には食べごたえがある。
なお、話題のドンペリ(パロディではなく本物)については前述の記事を参照していただきたい。

油そばと杏仁豆腐について取材同行してくれた同社広報担当の澤田あかりさんに話を聞いたVR360動画をご覧いただこう。
■「夜の銀ブラ」油そば ににんがし銀座
https://youtu.be/mVAb5ItkcYA

いかがだろうか。銀座で3店舗をハシゴしても一人当たり1万円を切る(レストランでの飲み物は別)程度のお値段であれば、お食事デートでも女子会でも気軽にできるのではないだろうか。この3軒をハシゴしての所要時間はゆっくり食べて、話を聞いて、撮影をして、すべて徒歩移動という取材環境下だったが、およそ5時間だった。これだけ時間をかけてゆっくりと食事、お酒、締めを楽しめば、積もる話がいくらあっても大丈夫ではないだろうか。
リーズナブルだが特別な「夜の銀ブラ」をそれぞれのスタイルで楽しんでいただきたい。

モデル 入月あやの (いりづき あやの)
  モデル・日英バイリンガルMCとして活躍中。コスプレも好き。
  得意分野はオタクカルチャー、言語、食文化、ハワイ情報。TOEIC965点。
  Twitter @irizukiayano Instagram @ayano_irizuki

※写真および動画はすべて記者撮影・収録
 取材協力:株式会社クロコ

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

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