先週、「【シェアハウス】自分はどちらのタイプだろう?」というタイトルの記事を書いた。
そのなかで、シェアハウスに住む人のタイプを筆者なりに以下のように分類させていただいた。
・入居者同士のコミュニケーションやハウスの独自性を重視する”娯楽型”
・経済的または別の事情からあえて身を置いている”節約型”
である。
今回の記事はそれを補足する内容にさせていただきたい。
入居してからタイプが変わるケースもある。
筆者の知人であるAさんは、二年前まで海外に留学していた。
様々な国籍の人たちとシェアハウス生活を送っていた彼女は、共同生活の楽しさが忘れられず帰国後は都心にあるシェアハウスに住まいを移した。マンション全体を共有スペースにしている建物で、100人以上も住める大規模なつくりだった。
「やっぱり一人暮らしだと、夜とか寂しいじゃないですか。でもシェアハウスだと誰かしら必ずいる。そういう空間の方が自分にとって居心地が良いんです」
とはいえ、今の仕事が落ち着くまでの仮住まいと当初は決めており、20代後半のうちに一人暮らしに戻るつもりでいた。
そんなAさんも来年で30歳を迎える。だが自宅は今もシェアハウスのままだ。
「利便性が良くて、なんだかんだ引越しを考えられないんですよねー」
シェアハウスに住むメリットの一つに、手続きの”簡単さ”が挙げられる。
通常の賃貸などと違い、無駄な初期費用があまりかからず、保証人不要というところも多い。さらに家具もあらかじめ用意されているため、引越してから物を揃える手間も省ける。面倒な手続きを排して身軽に移り住めるのが大きな魅力なのだ。
「正直、今はもうシェアメイトたちとほとんど交流はしてないです。100人以上もいると、ぶっちゃけ知らない人も多いですからね。でも職場も近いし引越しのお金も高いから、しばらくここに住み続ける予定です」
“娯楽型”だったAさんは、今ではすっかり”節約型”だ。
両方満たすタイプの人もいる
都心で働いている営業社員のNさんは、自らを”娯楽型”と”節約型”のハイブリットと称している。
池袋のシェアハウスにかれこれ半年近く住んでおり、徒歩で職場まで通勤しているとのことだ。Nさんがシェアハウスに住むことを決めた理由が、”フットワークの軽さ”だという。
「大手のシェアハウス会社の場合、各地に物件があるので、住みたい場所に住めるんですよ。それこそ繁華街のそばだったり、自然に囲まれた場所だったりと。僕の場合は会社の徒歩圏内を選びました」
都内での異動が多い職場で働いているため、一ヶ所に留まると通勤の面倒さがネックになる。
「ですがシェアハウスなら、すぐに引越しできますからね。その際に余計な費用もかからない。朝から満員電車に揺られる生活はまっぴらなので、快適な朝を過ごしてます」
順風満帆なシェアハウス生活を送っているNさんだが、最近は刺激が足りないと感じることもあるようだ。
「もともと田舎から上京してきたので、東京ではいろんな人に会いたいって気持ちも強いんです。今のシェアメイトは良い人たちですが、もっと外に出て交流したいなと思っています」
現在はシェアハウス会社主催のイベントなどに参加し、国籍問わず様々な人たちと積極的に触れ合っているとのことだ。
価値観が多様化する社会で、シェアハウスの持つ柔軟性が大きな魅力になっていることは間違いない。
※トップ画像”写真素材 足成”