“両国”というと・・・
“両国”という地名であなたの脳裏には何が思い浮かぶだろうか?両国は相撲の街だけあって、多くの人は国技館・力士・ちゃんこ鍋など、相撲に関連するワードを思い浮かべることだろう。しかし、両国は相撲の街だけに留まらない。
親しみやすい博物館
JR総武線・両国駅を降りると右手には両国国技館が見える。さらにその隣には、国技館よりも大きな建物がある。これは江戸東京博物館で、平成5年に開館し江戸時代から現代に至る東京の歴史や文化に関わる資料などが数多く展示されている。
ただ、博物館というと、静かで重々しい雰囲気に溢れていて当然写真撮影は禁止、さらに服装もある程度フォーマルでないと入りにくい、というイメージがあり苦手意識を持っている人も多いはず。
しかし、この江戸東京博物館はメインの常設展示で写真撮影が許可されているだけでなく、展示室内で寄席などのイベントが開催されていたりと、従来の博物館の枠にとらわれていない、親しみやすい博物館であるために、週末になると家族連れや外国人観光客などでにぎわう。
“江戸博”マストポイントその1・日本橋
そんな江戸東京博物館、通称“江戸博”を訪れる時に欠かせない3つのポイントがある。
まず1つ目は、常設展示室の入り口にある、復元された木造の日本橋だ。
現在の日本橋は石造りであるが、浮世絵などからわかるように慶長8(1603)年に架橋されて以来、明治44(1911)年までは木造の橋で、この復元された日本橋は多くの資料をベースとして、木造だった時代の日本橋が長さは半分程度ではあるものの、実寸サイズで再現されており、訪問者を迎えるランドマークとして存在している。
“江戸博”マストポイントその2・巨大模型
2つ目は、常設展示室の入り口にある復元された木造の日本橋を渡ると見えてくる巨大模型だ。
この模型は、江戸時代初期の寛永期の江戸の街並みや大名屋敷などを細部に至るまで再現したもので、当時の江戸を俯瞰(ふかん)でき、また多数のメディアで“江戸博”のメイン展示物として大々的に取り上げられていることもあって、この巨大模型をお目当てに博物館を訪れる人も少なくない。
“江戸博”マストポイントその3・長屋
最後は、階を下った先にある江戸の長屋だ。
江戸の庶民の多くは、風呂・トイレが共同の長屋で互いに支えあいながら生活していた。ここでは、実寸大の長屋がリアルに復元されていて、当時の庶民がどのように肩を寄せ合って暮らしていたかが窺える。
このように、江戸東京博物館では、工夫を凝らした展示がされていて、歴史ロマンに浸ることができるのだ。
相撲の街だけでなく、歴史ロマンにも浸れる街・両国。江戸東京博物館や国技館を訪れた後に、ちゃんこ鍋で一杯、というのもオツなものかもしれない。
※文中の画像は全て著者撮影。