ハリウッド映画のタレント吹き替えはアリか?ナシか?

  by ACOUS  Tags :  

今年はハリウッド映画の超大作が立て続けに公開されており、まさにハリウッド映画の当たり年とも言われているそんな2015年。現在はミッション:インポッシブルシリーズの最新作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のほか、約15年ぶりとなるシリーズ復活の第4弾『ジュラシック・ワールド』など、数多くの作品が公開中だ。年末には世界中の映画ファンが待ち望んでいる『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』も公開予定となっている。

そんな中、昨今のハリウッド映画では日本語吹き替え版の制作も当たり前となってきているが、そこで問題となっているのが、有名芸能人を起用したいわゆる“タレント吹き替え”というものだ。

テレビで活躍している有名芸能人を起用することによって、映画の宣伝・集客効果を期待しているようだが、果たして有効性はあるのだろうか?

近年のタレント吹き替え

最近では2012年公開の映画『アベンジャーズ』が記憶に新しいだろう。アベンジャーズは2008年公開の『アイアンマン』から続くシリーズ6作目であり、登場人物のニック・フューリー、ナターシャ・ロマノフ、クリント・バートンの声優を、それぞれ竹中直人、米倉涼子、宮迫博之(雨上がり決死隊)に変更したため、ファンからは不評を買った。

それまではニック・フューリーを手塚秀彰、ナターシャ・ロマノフを佐古真弓、クリント・バートンを阪口周平が演じていたが、アベンジャーズ以降の配給権が、パラマウントからウォルト・ディズニー・ピクチャーズへ売却されたため、今回の声優変更に至ってしまった。

また、プロの声優に比べ、タレント吹き替えでは演技の質の低下も批判の種となっている。多くの場合は“声優初挑戦”という謳い文句で、声優未経験の芸能人が起用されるというパターンが多い。なかには初挑戦にも関わらずプロ並みの演技力で注目を集める例も少なくないが、殆どの場合はクオリティの低さが表立ってしまう。

タレント吹き替えの成功例

そうは言ったものの、有名芸能人を起用したことで大成功を収めたケースも数多い。ひとつ例を挙げるとすれば、昨年公開のディズニー映画『アナと雪の女王』だろう。本作の興行収入は国内だけでも250億円を突破し、異例のロングラン上映となった。国内興行収入ランキングでは『千と千尋の神隠し(2001)』、『タイタニック(1997)』に次ぐ、歴代3位に鎮座している。

ここまでの大ヒットを記録したその要因のひとつとして、日本語吹き替え版の成功が考えられる。アナ役に神田沙也加、エルサ役に松たか子を起用した本作は、日本版声優の評価が非常に高く、舞台役者ならではのその歌唱力を披露した主題歌『Let it Go』も高い評価を得ている。まさに社会現象ともなったアナと雪の女王であるが、そのヒットには間違いなく、神田沙也加、松たか子両名の功績が認められる

こうしたことからも、タレント吹き替えだからと言って、一概に批判することはできない訳だが、これまでのタレント吹き替えを総合すると、どうしても不安になってしまうのは誰もが思うことだろう。

タレント吹き替えの今後

現在公開中の『ジュラシック・ワールド』では、主人公オーウェン・グラディ役に玉木宏、パーク管理者のクレア・ディアリング役に木村佳乃、その他お笑いコンビのオリエンタルラジオや、若手女優の松岡茉優など、多くのタレント陣が起用されている。

また、来月公開のマーベル映画『アントマン』では、ヒロインのホープ・ヴァン・ダイン役に内田有紀、主人公の友人ルイス役に小杉竜一(ブラックマヨネーズ)が起用されるなど、芸能人の起用は今後も増えていくものと考えられる。あなたはタレント吹き替えについてどのようにお考えだろうか?

画像: http://www.photo-ac.com/main/detail/213711?title=

北海道に生息する自称映画狂。ハリウッドの超大作からミニシアター系のコア作品まで、ジャンルを問わず何でも観ます。趣味は映画鑑賞のほか、ゲーム、プラモデル、読書など多岐にわたる。読みやすい文章を心がけ、多くの情報を発信していきます。

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