日本の夏と言えば”冷やし中華で始まる”と言っても過言ではなく、中華屋さんの「冷やし中華始めました」の文字は、日本の初夏を象徴する風物詩かと存じます。
と、言う訳で今回は『七麺』の『冷やし中華』を紹介してみましょう。
町田で30年以上続く『七麺』
東京都の町田市、それも『仲見世商店街』と言うディープゾーンに位置する『七麺』の歴史はそこそこ古く、すでに30年以上続いている名店です。
まあ、八王子とかだと『八王子ラーメン』の歴史もあるので30年とか珍しくはありませんが、町田で30年以上続いているラーメン屋さんは、そう多くはありません。
ちなみに町田で最初に生まれたラーメン屋さんは、多分『くろ○ぼ』かと思われます。
っていうか、今となっては店名をフルネームで書く事すら出来ない激レアな店名ですが、確か町田の仲見世商店街ら辺にあった、謎のラーメン屋さんと聞いております。
もっとも、とっくの昔に閉店し、今ではその店名すら知らない人が多い伝説のラーメン屋さんなんですけどね。
『冷やし中華』(大盛り)を食す!
すでに軽く町田の『ヌードルズ』で食べて来たので、さして空腹感はないのですが、やはりココは『爆食放浪記』なので大盛りにしてみた次第です。
ちなみに『七麺』の『冷やし中華』は普通盛りでも「1200円」で、大盛りだと「1400円」と、御世辞にも安いとは言えないのですが、このボリュームを見れば納得の一品かと存じます。
いや……コレは久しぶりに”本気の俺”が出ないと駄目な予感ですね……。
最近は”デカ盛り”を避けているので、ちょっと不安を感じますが、大阪では連食を重ねていたので、どうにかなると思います。
若干、写真だと盛りっぷりが伝わりにくいのですが、横に置いてあるコップの大きさを見て判断して下さい。
ちなみに筆者は、こんな『冷やし中華』のモンスターを肉眼で見た事はありません……。
具が多過ぎる『冷やし中華』ってどうよ?
写真を見れば一目瞭然ですが具が多いです。具が少ないよりは具が多い方が幸せになれる気もしますが、モノには限度ってものがあります。
きくらげ的な何か、キュウリ、ハム、フリルレタス、ワカメ、錦糸卵、チャーシュー、豆腐、紅ショウガ。
これだけの具材が入っているのですから、まあ千円越えの価格も納得でしょうか?
問題はコレだけの具材が胃袋に入るか否かですね……。
スープは酸味がキツいぞ!
酸味が皆無の『冷やし中華』も、それはそれで悲哀が漂いますが、すすると”むせる一歩手前”までの酸味がある『冷やし中華』も、人によっては賛否が分かれる所ですね。
まあ、筆者はあまり「麺を啜らない派」なので問題ないのですが、となりの人は激しくむせていたのが印象的です。
ここまで人をむさせるのは『ボトムズ 炎のさだめ』か『七麺』くらいなモノでしょうか?
ちなみに酸っぱい酸っぱいと書いていますが、この『七麺』の『冷やし中華』は美味しいと思いますよ。
むしろ、変に甘さが前に出てくる『冷やし中華』よりも、全然好みです。
食べ手に求められるタクティクス
たかが『冷やし中華』ですが、こんくらいのモンスター級になると完食する為には戦術が必要です。
しかも盛りがモリモリなので、最初に全体を混ぜる食べ方は難しいと予想されるので、局地的なゲリラ戦を繰り広げる必要があります。
と、なるとまずは待避させやすい”ハム”を移動させ、麺を部分的に掘り進めるのが正解でしょう。
麺の量が半端無かった件
そして、ちょっと掘って気づいたのですが、麺の圧縮加減が予想よりもキツい事実…
最初は3人前くらいの麺量かと思っていましたが、コレは確実に4人前、すなわち”4玉コース”で御座います。
まあ、筆者の場合はオダサガのラスボス『焼肉はせ川』で鍛えられているので、このくらいなら余裕です。
ちなみに麺は茹で加減も締め加減も良く、普通に美味しい『冷やし中華』でした。
古い店で自家製麺らしいので、もしかしたら”かんすい”がキツいかもと思ったのですが、意外と美味しい麺で安心した筆者です。
まさに具材無双の戦国絵巻の図
ピンポイント攻撃で橋頭堡を確保し、そこに各地に散らばった具材を呼び寄せて、麺をやっつける作戦を展開します。
この方式だと召還する具材のバランスで、味に変化が出るのでボリュームがあっても飽きません。
前半は”ハム天皇”を軸に、その他の武将(具材)を合わせて食べ進みましたが、何気に『七麺』の『冷やし中華』は美味いので余裕もありました。
群雄割拠する武将達の働きも素晴らしく、かなりのハイペースで麺を半分食べる事が出来ました。
特に戦力外と思われていた”豆腐将軍”が意外に良い仕事をしてくれ、新しい『冷やし中華』の可能性を筆者に示してくれました。
必殺! 天地返し!!
そして後半戦に突入する前に、その筋では必須とされる奥義を使い麺の上下を入れ替えます。
まさか『冷やし中華』で使う事になるとは思わなかった筆者ですが、この『七麺』の容赦ないビネガー感と、時間と共に乾燥してダンゴ状態になる麺の状態を考慮して、臨機応変に対応してみた次第です。
結果、作戦成功!
スープを吸って濃いめになった麺と、乾燥してほぐしにくくなった麺を入れ替える事で、この『冷やし中華』は再び蘇りました。
美味しいチャーシューでフィニッシュ!!!
写真だと隠れて見えませんでしたが、山脈の無効側には”チャーシュー”の細切りが大量にあるので、後半戦もマイペースで美味しく食べる事が出来ました。
昨今の『冷やし中華』は特に原材料の高騰から、深刻なハム不足、もしくはチャーシュー不足に陥りがちですが、大盛り「1400円」は伊達じゃありません。
普通の店の三倍くらいの肉類があるので、この『七麺』の『冷やし中華』においては肉飢饉とは無縁です。
もしも『七麺』で肉が足りなくなったら、それは食べ手側の経験が足りてなかったと言う事でしょう。
結果、最後の最後まで美味しく『冷やし中華』を堪能し、一夏の想い出として筆者の胸に刻まれました。
『七麺』 総評
決して安くはない『七麺』の『冷やし中華』ですが、その満足感はプライスレスです。
終始、具材不足に陥らない安心感は、値段相応の『冷やし中華』である事の強みでしょう。
逆に、ちょっと安くて後半”具材不足”で悶絶したりするよりも、このくらいの価格設定でドーンと出してくれた方が筆者は嬉しいですね。
と、言う訳で来年からは必ず『七麺』で『冷やし中華』を食べて、夏を迎えようと思った筆者でした。
みなさんも是非『七麺』で『冷やし中華』を食べてみて下さい。きっと満足されると思いますよ。
『七麺』(しちめん)
東京都町田市原町田4-5-19 町田仲見世商店街
営業時間 11:30~19:00 火曜日11:30~17:00
定休日:水曜日