人によってデジカメに求めるモノは様々ですが、筆者の場合は「食べ物を撮る」と言う事に特化しています。
「動くモノは撮らない」
と言う割り切った使い方なので、どちらかと言うと”レンズの明るさ”とかを重視しています。
「薄暗い店内でもフラッシュ無しで撮影可能なデジカメ」
これが筆者が求める絶対条件なのです。と、言う訳で今回は型落ちで激安になった『CANON EOS M』を紹介してみましょう。
ミラーレス一眼レフ『CANON EOS M』
2012年発売の古い機種なので、今更レビューも何もない枯れたデジカメなのですが、そこは
「ダブルレンズキットで4万円弱!」
と言う、鬼の安売り価格で全てが許されます。発売当初が9万円前後だったので、それから比べると半額以下です。
ちなみに今は『CANON EOS M3』が発売されていて、すでに生産の終了した『CANON EOS M』は在庫限りの販売となります。
確かに最新機種の方が使い勝手も良く、性能も微妙に向上していますが、今の世代のデジカメは大きな進化もない状態なので、数年前の機種だからと言って、そう悲観する必要はありません。
ミラーレスでも一眼レフ並みの性能!
そもそもがカメラ的にミラーレスな時点で”一眼レフ”と呼んで良いのか疑問が残りますが、そこは割愛させて頂くとして、この『CANON EOS M』は、なんと言っても
「APS-CサイズのCMOSセンサーを搭載!」
の一言に尽きるでしょう。最近は”ハイエンドコンデジ”と呼ばれれるコンパクトデジタルカメラの高級機種もあり、その描写力は侮れないモノがありますが、デジカメで最後にモノを言うのはセンサーの大きさです。
”スマートフォンのカメラ”よりも”コンデジ”の方が画質は良いし、さらに上なら”デジタル一眼レフカメラ”究極にある”フルサイズ”と、簡単に言えば
「画質=センサーサイズ」
となります。他にもレンズや映像エンジンなど、デジカメの性能に関わるスペックは色々とありますが、どうしてもこの”センサーサイズの壁”だけは、ちょっとやそっとじゃ埋まりません。
と、言う事で気になるセンサーの大きさですが、この『CANON EOS M』は、いわゆる”デジイチ”と呼ばれるデジタル一眼レフカメラと同等の”APS-Cサイズ”のセンサーを採用しています。
なので、レンズを通して映る”写真”そのものは、基本的に他のデジタル一眼レフカメラと変わりません。
とにかく小さい『CANON EOS M』
筆者の愛機『PENTAX K-01』もミラーレス機で、非常にお気に入りのカメラですが、いかんせんデカいです……。
アダプター無しで『PENTAX』のレンズを使えるように設計したために、ミラーレス機なのにコンパクトさが皆無。
その点、写真の通り『CANON EOS M』はボディも薄く、レンズもミラーレス機専用の『EF-M レンズ』(レンズの規格)を採用しているので軽量、コンパクトです。
発売当初はレンズのラインナップが少なくて、選択肢としては悩ましい『CANON EOS M』でしたが、今はレンズも増えたので問題なしです。
しかも、この『CANON EOS M』のダブルズームレンズキットには”アダプター”が付属しているので、従来の『CANON』デジタル一眼レフカメラで使われている
「CANON EF レンズも使える」
ので非常にお得であります。例えば、この『CANON EOS M』から上位のデジタル一眼レフカメラに移行しようと思った時に、種類の豊富な『CANON EFレンズ』も使えるのは大きな強みです。
あえて専用の『CANON EF-M レンズ』でレンズを揃えずに、ステップアップする前提で、レンズはアダプターを使用し『CANON EFレンズ』で揃えておけば将来的にもレンズを資産として使えます。
神レンズ『単焦点広角レンズ EF-M22mm F2 STM』
そして筆者が『CANON EOS M』を選んだ最大の理由は、このレンズにあります。
『PENTAX』のカメラは非常に好みなのですが、いかんせんレンズの価格が高めなのが難点です……。
筆者も愛機のレンズを悩みに悩んで色々と調べていたら、なんかレンズを買う値段で『CANON EOS M』が売られているのを見て、速攻でポチった次第です。
ちなみに筆者は激安なタイミングで買ったので価格は本体込みで3万円チョイと、下手に『PENTAX』で同性能のレンズを買うよりも安いと言う罠。
まあ、筆者の場合は写真が下手なので、さして恩恵を受けられていない可能性は否めませんが、とりあえず22mmと言う広角とf2.0の明るさには助けられています。
あと意外と寄れる(最短15cm)ので、料理とかでガバっと寄りたい時も重宝します。
あまりレンズの良さをアピール出来る作例が無いのですが、その描写力には筆者も満足しています。
なお、オートフォーカスは死んでいる模様…
ここまで高性能なカメラが、型落ちとは言え激安なのには理由があります。
「オートフォーカスが激遅で発狂するレベル!」
いや……。
まさかの『CANON』さんでコレは一体……。
筆者が今までに手にしたカメラで、ぶっちぎりナンバーワンの遅さで御座います。
ラーメンなどは手早く十数枚の写真を撮りたいのですが、コイツのオートフォーカスに任せていたら麺が伸びてしまう事、間違いなしです。
一応はファームをアップデートしてみましたが、まあ元が遅すぎて速くなった感は薄目で御座いました。
もうダメポ……。
潔くマニュアルフォーカスで使え!
結果、今では100%マニュアルフォーカスで撮影している筆者でした。
まあ、この方がカメラっぽいし練習にはなると思うので、それなりに楽しんでいます。
レンズも単焦点なので、これはコレでオートフォーカスは無かった事にしてしまえば、十分に楽しいカメラですね。
フォーカスリングも操作しやすく、オートフォーカスと違って”無音”なので周囲の人にも優しいカメラに生まれ変わりました。
『CANON EOS M』 総評
とにかくオートフォーカスが終わっているので、動くモノを撮影するのは苦手どころか無理レベルですが、逆に”動かないモノ”を撮るには問題なしです。
特に筆者のようなカメラの使い方をする”食べ歩きブロガー”の方達には向いていると思います。
なにせ「フラッシュすら付いていない」と言う潔い仕様なのですが、どうせ店ではフラッシュを使えないので問題なし、むしろ軽量化されたと喜ぶべき案件でしょう。
その替わりに神レンズと呼ばれる『単焦点広角レンズ EF-M22mm F2 STM』が付属しているので、かなり薄暗いムーディーな雰囲気の店でも、きっちりフラッシュ無しで撮影出来ます。
若干、カメラ本体の機能としての使いにくさ、アスペクト比の設定が貧弱とか不満は色々ありますが、それらは”不便”な事は間違いありませんが、不便を我慢すればカメラとしては使えます(極論)
逆に、どう頑張っても撮影者の努力では埋められない、大型センサーによる”圧倒的な高画質”を優先して考えた場合、今の値段の『CANON EOS M』には大きなアドバンテージがあります。
ハイエンドコンデジより安いくらいの価格で、普通のデジタル一眼レフカメラと同等の写真が撮れるのですから、自分の使い方にマッチするなら即買いだと思います。
まあ、最悪は「単焦点レンズってどんな感じ?」みたいな意味で買っても良いと思われ、むしろ『CANON』のデジタル一眼レフカメラを使っているなら、サブ機として押さえておいて損はないでしょう。
特に『単焦点広角レンズ EF-M22mm F2 STM』を付けっぱなしにして
「気軽なデジタル一眼レフカメラ」
として遊ぶには、非常にお買い得度の高い機種だと思います。
それでは、みなさんも在庫があるうちに、是非『CANON EOS M』を試してみて下さい。