今回は銀座にある沖縄料理の店『リトル沖縄』を紹介してみましょう。なんでも銀座にありながら、本物の沖縄料理と泡盛の「古酒」が楽しめる店との噂…。
最近、微妙に沖縄料理が気になる筆者としては、これは行くしかないでしょう。
銀座にある人気の沖縄料理店
『リトル沖縄』は19時くらいになると満席になる事があるらしく、訪れる人の半数以上が電話で確認してから訪れているようでした。
筆者も確実に取材したかったので『LINEグルメ予約』で予約してから訪れましたが、帰る頃にはほぼ満席になっていました。
人気がある『リトル沖縄』は予約してから訪れた方が安心ですので、予定が決まったら『LINEグルメ予約』で予約しておきましょう。
『オリオンビール』の樽生が飲める店
夏と言えばビールが特に美味しい季節ですよね。そして季節に関係なく最初の一杯は、喉越しを重視してビールを飲みたい筆者です。と、言う訳で最初の一杯目は
『オリオンビール(樽生)』
暑いと言えば沖縄、沖縄と言えば『オリオンビール』です。まず、この沖縄を代表する『オリオンビール』が樽(生ビール)で飲めるのは嬉しいですよね。
『リトル沖縄』の沖縄度を調べてみた
最近「沖縄料理」が気になり、ちょいちょい沖縄料理を出す居酒屋に行くようになり、気がついたら沖縄の『フーチャンプルー』の魅力に取り憑かれ、いつの間にか6千円分の「沖縄の麩」を買ってしまい、沖縄から航空便で段ボールが3箱届いた筆者です。
はっきり言って沖縄にはちょっとうるさいです。
と、言う訳で「にわか沖縄マニア」を代表して厳しい目で『リトル沖縄』をチェックしてみました。
まず『オリオンビール』の樽生があるのは合格です。
調味料をチェック!
まず備え付けの調味料を見てみましょう。必ず「コーレーグース」があるはずです。
「コーレーグース」とは、沖縄の「島とうがらし」を泡盛に漬けた万能調味料で、まず沖縄料理には欠かせない存在です。
さらに『リトル沖縄』には「ヒバーチ」と言う「島コショウ」が置いてあります。これは、かなり沖縄度が高いアイテムですね。
守り神である「シーサー」に注目!
まず「シーサー」は基本的に2体で置くのが一般的です(大昔は単体だった説もあり)。
このカウンターの「シーサー」も、ちゃんと対になって配置されていますね。
そして、このボトルの写真に注目です。
まず、沖縄の人以外だとピンと来ないと思いますが、筆者レベルの「にわか沖縄マニア」だと、感心してしまいます。ちゃんと
「口を開いているオスが右」
「口を閉じているメスが左」
つまり「シーサー」の置物は当然として、このボトルの「シーサー」も、ちゃんとした配置になっているのが沖縄クオリティなのです。
当然、このボトルはセットで並べなければならないので、このラベルを考えた人は相当な策士ですね。
BGMは「琉球民謡」のみである
まず有線から流れているのは「琉球民謡」。しかし、『リトル沖縄』はそれだけではありません。
「従業員が琉球民謡を口ずさんでいる」
コチラ(本土)の人が聞いてもピンと来ない「琉球民謡」の歌詞ですが、『リトル沖縄』の従業員は沖縄県出身者で固められているので、全員が「琉球民謡」を愛しています。
まさに『リトル沖縄』と呼ぶにふさわしい沖縄度で、この空間だけは確実に沖縄そのものでした。
そして「お通し」も沖縄の魚を使った「甘酢漬け」で、美味しかったです。
『刺身の盛り合わせ』
この日は暑かったので、まず最初はさっぱりした料理が欲しいですね。
と、なると『刺身の盛り合わせ』が良いかもしれません。
この日は「メジマグロ」と「島ダコ」と「イカ」の盛り合わせです。
ぱっと見た感じだと、さして違和感を感じないビジュアルですが、何気に「イカ」の切り方がダイナミックですね。
沖縄なので「セイイカ」でしょうか?
ちなみに、沖縄では「刺身にもコーレーグース」を使うので、筆者も醤油に「コーレーグース」を垂らして食べています。
もっとも沖縄でも最近の人は「ワサビと醤油」で食べるので、普通の人は無理して「コーレーグース」を使う必要はありません。
しかし、せっかくの機会なので、最後にチョロっと「コーレーグース」を使ってみるのも一興かと思われます。
『島豆腐の冷や奴』
さらに『オリオンビール』を追加して、今度は『島豆腐の冷や奴』を食べてみます。
筆者はこの「島豆腐」が結構好きなのですが、こちらでは入手しにくいのが悲しいですね。
基本的には豆腐なのですが、作り方が違うので『島豆腐』ならではの風味があります。しっかり水を切った『島豆腐』は大豆の味が生きています。
そして特筆すべきは『リトル沖縄』の『島豆腐』や『沖縄そば』は、なんと自家製との事。料理に対する凄いコダワリを感じます。
『生絞りシークワーサーサワー』
季節限定で生搾りの『シークワーサーサワー』が楽しめるそうなので、次のメニューに備えてオーダーしてみました。
この「シークワーサー」の酸味が良いんですよね。特に「揚げ物」などの料理にはピッタリなので、かなり出番はあると思います。
サワーなのでアルコールも若干低め、あまり「お酒に強くない人」にもオススメのサワーです。
気になるネーミングの『壇蜜サワー』も意外と甘さ控えめで美味しかったです。
『沖縄天ぷら盛り合わせ』
ここで「サクっとした香ばしい一品」が欲しいので、今度は『『沖縄天ぷら盛り合わせ』を頼みます。
「沖縄料理の店で天麩羅食べるの?」
と、思った人はまだまだですね。沖縄県民にとっての『天麩羅』は、言わばスナック菓子のような身近な存在なのです。むしろ
「沖縄県民のソウルフード」
と言っても過言ではありません。子供からお年寄りまで幅広く愛される料理なのです。
ちなみに沖縄の天麩羅は、小麦粉に卵を多めに加える「ハードタイプ」の衣で作ります。
そして沖縄と言えばコレですね。ポークは天麩羅の芯(タネ、具材)としても人気があります。
他にも「島魚」や「島らっきょ」「フーチバー」(沖縄よもぎ)「紫芋」「ゴーヤ」など、限りなく沖縄ずくしのラインナップで御座います。
そして、この醤油に見えるタレ的な何かの正体は
「ウスターソース」
だそうです。そう言われてみれば、限りなくウスターソースな味ですが、まさか「天麩羅にソース」とは思いませんでした。
確かに衣の感じも「フライ」に近いモノがあるので、ある意味ソースは正解かもしれません。
『特製ラフテー』
そして沖縄料理の定番「ラフテー」で御座います。個人的には「ソーキ」(軟骨)に行きたかったのですが、やはり「ラフテー」は押さえておかないとですよね。
言うまでもなく「ラフテー」は「皮付きの三枚肉」(豚バラ肉)で作らなければなりません。
この皮の部分が「褐色の飴色」になるまで煮込まれて、ゼリー状になっていれば完璧です。
一緒に煮込まれた自家製の「島豆腐」もイイ感じで、これは泡盛が欲しくなる一品ですね。
『リトル沖縄』の『特製ラフテー』は筆者もイチオシのお勧めメニューです。
『ナーベラーンブシー』
まず沖縄料理と言えば『ゴーヤーチャンプルー』なイメージですが、筆者レベルの沖縄かぶれになると「ナーベーラー」に行きます。
ちなみに「ナーベーラー」とは「へちま」の事で、ゴーヤみたいな極端な苦みが無いので、意外と人気があります。
「ンブシー」とは調理法で言えば「炒め煮」の事で味噌味なのが特徴です。
気になる「ナーベーラー」の味の方ですが、分かりやすく言うと「茄子」的な何かですね。個人的には「ゴーヤ」よりも、他の素材の味を邪魔しないので好みです。
全体的に「味噌」的な何かで味付けされ、濃い目になっています。基本的に沖縄の人は「濃い味付け」が好きなんで、この味付けは正解ですね。
あと何気に塩漬けされた豚肉が入っていて、その塩っけが「ナーベーラー」の美味しさを引き立てています。
『イカスミ焼きそば』
そろそろ定番中の定番である『ソーキそば』か『沖縄そば』で締めたい所ですが、せっかく『リトル沖縄』に訪れたのでしたら
『イカスミ焼きそば』
で締めて頂きたいですね。他の沖縄料理がちょいちょい知られているのに対して、この『イカスミ焼きそば』は未だに知名度が低めです。
しかし!
食べると実に美味しい「焼きそば」なんですよね。写真で見ると全てが黒くて、どんな具材で構成されているのか想像出来ませんが
「沖縄そば、イカ、塩漬け豚肉、玉葱、紅生姜」
こんな感じかと思われます。当然『イカスミ焼きそば』に使われている麺は『リトル沖縄』の自家製麺!
そして肝心の味の方ですが、ざっくり一言でまとめると
「イカ墨感が半端ないワイルドな焼きそば」
みたいな感じですね。いわゆる「イカ墨のパスタ」が100%ならば、この『リトル沖縄』の『イカスミ焼きそば』には500%くらいイカ墨が入っている印象です。
味付けの基本は恐らく「粉末カツオ節」ですが、そこに圧倒的な量の「イカ墨」が加わる事で、沖縄ならではの「焼きそば」になっています。
これが病み付きになる味なんですよね。
麺も「焼きそば」の麺ではなく「沖縄そば」の麺を使っているので、モチモチ感があります。
ちなみに「イカ墨」は、その色だけが注目されがちですが、実は「魚の旨み成分」みたいなモノの塊でして、大型の魚に襲われた時に視覚だけでは無く「嗅覚」も麻痺させて逃げます。
つまり「魚の旨みを凝縮させた究極の調味料」とも言える「イカ墨」を、豪快に使った究極の「海鮮焼きそば」が『イカスミ焼きそば』なのです。
『ブルーシールアイスクリーム』
さして食後のデザートを欲しない筆者ですが、メニューを見てみると
『ブルーシールアイスクリーム』
と書いてあるのが凄く気になりますね。これも沖縄に興味が無い人には、いまいちピンと来ないかもですが、この『ブルーシールアイスクリーム』は、日本に初めて上陸したアイスクリームの元祖と言われています。
当然、持ち込んだのはアメリカ軍でして、沖縄が本土に返還された時に、沖縄本島に出店し爆発的なヒット商品になりました。
しかも良くみると『リトル沖縄』の『ブルーシールアイスクリーム』には「サーターアンダギー」まで入っています。
これは食べるしかありません。
口中の水分を限りなく吸い取る「サーターアンダギー」が、アイスをまとう事で「しっとりとした食感」に生まれ変わります。
ベルギーのワッフルにアイスクリームが合うのですから、そりゃ「サーターアンダギー」も美味しくなる事は予想していましたが、その斜め上を行く美味しさでした。
『リトル沖縄』 総評
まさに「銀座の中の沖縄」と言っても過言ではない『リトル沖縄』でした。
とにかくシーサーの配置から料理に至るまで、全てが本物の沖縄です。なかでも『リトル沖縄』の看板メニューと思われる
『イカスミ焼きそば』
は、是非とも食べて欲しい一品ですね。実際に訪れた人のほとんどが、この『イカスミ焼きそば』を注文していたので、誰もが好きな味なのかと思われます。
それでは、みなさんも是非『リトル沖縄』に訪れてみて下さい。
筆者は仕事なので「泡盛」を飲みませんでしたが、色々な種類の「古酒」が常備してあるので、泡盛が好きならきっと満足出来ると思いますよ。
『リトル沖縄』
東京都中央区 銀座8‐7‐10
月~金 17:00~3:00
土日祝日 16:00~0:00定休日:年末年始