今回は「八王子ラーメン」の老舗である『でうら』を紹介してみましょう。
『でうら』の初代店主は、昭和30年代に「八王子ラーメン」では伝説の『初富士』で働いていて、昭和44年に『でうら』をオープンしました。
まさに「八王子ラーメン」の中でも老舗中の老舗です。
ちなみに「八王子ラーメン」とは、生のタマネギの微塵切りがトッピングされている、東京都八王子市周辺の御当地ラーメンを指します。
住宅街の中にある『でうら』
基本的に「八王子ラーメン」は地元住民と共に歩んできた、地域重視の歴史あるラーメンなので、分かりにくい場所に店がある事も少なくありません。
今回、紹介する『でうら』も、そんな感じの店で御座います。正直、グーグルマップが無ければ筆者もたどり着けなかったと思います。
しかし、そんな微妙な立地にも関わらず、店内は満席だったりするのです。
「八王子ラーメン」を食べ歩いていて驚くのは、その人気の高さと客層でしょうか?
例えば横浜の「家系ラーメン」の場合は、半分近くは確実に遠征組で占められていると思われるのですが、「八王子ラーメン」の場合は、ほとんどが地元の住人で占められている感じです。
『でうら』のラーメン(並)を食す!
今回も『でうら』のベーシックを知る為に、筆者のオーダーは「ラーメン並」(550円)となります。
麺の堅さも普通、トッピング類も全て無し、まさにベーシックスタンダードな『でうら』のラーメンをお届けします。
まず最初に目が行くのは、やはり「タマネギの微塵切り」でしょうか?
多くの店がフードプロセッサーを使う中、この『でうら』は包丁による手切りだそうです。
まさに「八王子ラーメン」の老舗ならではのコダワリと言えるでしょう。
スープは透明感の高い醤油味で、比較的さっさり風味です。スープ表面の脂の層も薄めです。
このスープを直接、丼からすすって欲しいとの思いから『でうら』のラーメンにはレンゲがありません。
(レンゲが欲しいと言えば、出してくれるそうです)
確かにレンゲで頂くのと、丼から直接すするのでは「香り」の立ち方が変わってくると思うので、筆者はそういうコダワリはありかなと思います。
まあ、猫舌の筆者には少々つらい可能性は否めませんが……。
麺は「八王子ラーメン」らしく細麺です。標準でも比較的「硬め」に茹でられているので、あえて「麺硬め」のオーダーは必要ないかもです。
スープの運びも良い細麺は、まさに『でうら』のスープにピタリとハマります。
チャーシューは「肩ロース」でしょうか? 流石に老舗のチャーシューは違いますね。柔らかく煮込まれたチャーシューは、美味しく仕上がっています。
八王子ラーメン『でうら』 総評
スープ、麺、チャーシューの三拍子が揃った、まさに「八王子ラーメン」を代表する店かと思います。
今現在、「八王子ラーメン」の元祖を名乗れるのは、伝説の『初富士』のDNAを引き継ぐ『でうら』だけでしょう。
若干、接客が硬めな気はしますが、他の地域のラーメン屋さんに比べたら普通かなと思うレベルでしょう。
むしろ、他の「八王子ラーメン」の接客が良すぎるだけとも言えます。
個人的に『でうら』で気に入ったのはスープでしょうか?
総じて「八王子ラーメン」のスープはレベルが高いと思うのですが、その中でも『でうら』のスープは確実に上位に入ると思います。
それでは、みなさんも「八王子ラーメン」を食べに、『でうら』に訪れてみて下さい。
店名:でうら
住所:東京都八王子市台町1-6-12
営業時間:11:30~15:00(スープ切れ次第終了)
定休日:水曜日 日曜祝日