リトアニア 世界初 未成年者へのエナジードリンク販売禁止法を施行

  by 松沢直樹  Tags :  

11月1日、リトアニアは、18歳未満の人に、エナジードリンクの販売を禁止する法律を施行しました。
違反者には、400リタス(約16000円)の罰金が科せられます。

エナジードリンクとは、薬事法などで定義される医薬品ではありません。
しかしながら、疲労回復に一定の効果が見られるビタミンB群やタウリン、興奮作用を示すカフェイン、伝統的に医薬品として使われてきたオタネニンジン(高麗人参)などのエキスが加えられています。

そのため、疲労回復や気分の高揚を期待して飲む人が多いといわれています。

医薬品ではないものの、科学的に見て気分の高揚をもたらし、心身の変調をきたす可能性がありうること。
また、高濃度のタウリンやカフェインが含まれたエナジードリンクを常用することで依存を引き起こし、より強い効果が得られる違法薬物を求めるきっかけになりうると指摘する科学者もいます。

米国では医師会が10代の若者や子供にエナジードリンクを販売禁止を呼びかけています。
日本ではエナジードリンク販売の禁止について議論はみられませんが、少なくとも医学的な効果を期待して飲むべきではないでしょう。

ちなみに、日本では薬事法という法律によって、疲労回復や気分の高揚が期待できる成分を飲み物に入れることはできません。
配合されているビタミンなどの物質による生理的な変化は起こりうると思われます。とはいえ、エナジードリンクによって感じられる疲労感の回復や気分の高揚感は、香料や炭酸の刺激などによる精神的なものが主体と考えてよいのではないでしょうか。

むしろ、エナジードリンクを一気に飲む習慣を身につけた場合、ドリンクに含まれる糖分で、血糖が急激に上昇したりといった、体にとって不都合な生理的変化が起きる可能性もありえます。

著しい疲労感や、気分がふさぎ込む状態が続く場合は、なんらかの病気の兆候も考えられます。
食事や安静を保つことで改善しないなら、医師に相談して健康状態をチェックしたほうがいいですね。

写真は 足成 http://www.ashinari.com/ より

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長