前々回の文学編、前回の絵画・漫画・スポーツ編に引き続き、今月末に著作権保護期間を満了して2014年1月1日から生前に残した作品がパブリックドメインとなる先人たちを音楽分野から本国では来年以降も著作権が存続する予定の海外作曲家を含めて紹介します。
今月末で著作権保護期間が満了する先人たち‥その1【文学編】 – ガジェット通信
http://getnews.jp/archives/467882
今月末で著作権保護期間が満了する先人たち‥その2【絵画・漫画・スポーツ編】 – ガジェット通信
http://getnews.jp/archives/468594 [リンク]
福井直秋(1877-1963、代表作『こどもの楽隊』)
作曲家。1877年(明治10年)、富山県生まれ。東京音楽学校に進学し、同校の授業補助を担当していた滝廉太郎(1879-1903)と親交を深める。卒業後は長野県師範学校などで音楽教諭を務めながら発声法の研究に情熱を傾け、1908年(明治41年)に日本初の和声学研究書『初等和声学』を刊行した。
1929年(昭和4年)、現在の武蔵野音楽大学の前身校となる武蔵野音楽学校を開校。戦後も童謡や校歌の作曲を精力的に続け、1000曲以上の作品を残した。代表作は童謡『こどもの楽隊』(ペンネーム「富山仙六」名義で発表)。
日本では今月末に著作権保護期間を満了する海外作曲家たち
以下の作曲家は日本やカナダ、ニュージーランドなど著作権保護期間が50年の国では今月末に満了を迎えますが、それぞれの本国では来年以降も著作権が存続する予定です。
ライタ・ラースロー(ハンガリー、1892-1963)
代表作は『弦楽四重奏曲 第2番』、オペレッタ『青い帽子』など。
タデウシュ・シェリゴフスキ(ポーランド、1896-1963)
代表作は『管弦楽のための協奏曲』『四つのポーランド舞曲』など。
サルバドール・バカリッセ(スペイン、1898-1963)
代表作は『ギター小協奏曲イ短調』。
ヴィッサリオン・シェヴァリーン(ロシア、1902-1963)
代表作はオペラ『じゃじゃ馬馴らし』。
カール・アマデウス・ハルトマン(ドイツ、1905-1963)
代表作は第5番『協奏交響曲』。
また、以下の作曲家は日本における戦時加算対象国の人物ですが、サンフランシスコ講和条約が発効した翌年の1953年以降に発表した作品については戦時加算は適用されません。
パウル・ヒンデミット(ドイツ→アメリカ、1895-1963)
『画家マティス』(1934年)や『白鳥を焼く男』(1935年)は戦時加算対象だが『五声のマドリガル』(1958年)や『古いスイスの歌による行進曲』(1960年)は対象外。
フランシス・プーランク(フランス、1899-1963)
『フランス組曲』(1935年)や『小象ババールの物語』(1945年)は戦時加算対象だが『グローリア』(1959年)や『クラリネットソナタ』(1962年)は対象外。
(その4に続く)
画像:福井直秋(1909年頃。松本楽器合資会社『楽のかゞみ 全国音楽教育家一覧』1910年刊より)