アサヒ飲料は、緑茶の新ブランド『アサヒ 颯』を4月4日から発売する。実に12年ぶりとなる新ブランドの登場だ。同品には萎凋(いちょう)緑茶を使用した。しかし萎凋緑茶は発酵度合いの調整が難しく、大量生産には不向き、しかも国内の煎茶の0.02%しか生産されていないため、萎凋緑茶を生産可能な工場の協力の下で量産化を実現した。
紙パックスリムの250ml・PET275ml・PET500ml・PET620ml・PET2リットルがラインナップされる。620ml入りのペットボトルは本品のために開発した独自デザインだ。特に見た目は普通の緑茶と変わらない。濃いわけでもなさそうだし、機能性食品というわけでもない。すると味で勝負ということになろうか。
この茶葉は一般的な緑茶とは異なる華やかな香り立ちを実現した新たな緑茶ということ。通常は緑茶で使用する茶葉は発酵させないが、摘み取り後に時間をかけてわずかに発酵させた茶葉を一部使用することで茶葉本来の香りを引き立てているということだ。
飲んでみると、最初に独特の苦みがあるのは事実だが、その後はスッキリとした飲み口で、全体として味わいながら飲める緑茶だと感じた。茶葉は発酵させないと日本茶のような緑茶になり、全発酵させると紅茶になる。茶葉としては基本的に同じものだ。
本品は記者が飲んだことのあるお茶の中であえて近いものを示すとすれば台湾の青茶に近い。台湾では軽発酵茶に分類されるものに近いと感じ苦みと甘みがさわやかさの中で二段階でやってくるあの感じだ。日本でも軽発酵茶が飲めるとは思わなかったので、台湾でお茶ファンになた方は一度試していただきたい。そしてまだ飲んだことのない方は、またく新しい緑茶でより新しい発見をして緑茶に一層の関心がわくことだろう。
※写真はすべて記者撮影