欧州サッカーの移籍市場は8月31日で閉まる。日本人選手は香川真司らが移籍を果たした一方で、代表の主将を務める長谷部誠は微妙な立場に置かれている。所属先のヴォルフスブルクのフェリックス・マガト監督が移籍許可を出していることもあり、レギュラーどころかベンチ入りも厳しい状況。ところが交渉はなかなか進展していないようだ。
私の妄想という前置きから始めるが、長谷部がドイツを離れるならば、世界一の競争力を誇るイングランド・プレミアリーグでプレーする姿が見たい。実際に現地紙でもプレミアうんぬんの報道があったようだ。
おそらく欧州チャンピオンズリーグ出場権を争う上位グループのクラブ入りは厳しいかもしれない。中位以下で獲得に動きそうなクラブを探すと、クイーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR)に行き着いた。オーナーはマレーシア人のトニー・フェルナンデスで、格安航空会社のエアアジアの最高経営責任者を務めている。元韓国代表のパク・チソンを獲得したばかりだが、日本代表の主将も加入すれば、少なくない宣伝効果が見込めるはずだ。
昨シーズンのQPRは17位でなんとか降格を免れた。今シーズンはパクの他にマンチェスター・ユナイテッドからファビオ、チェルシーからジョゼ・ボシングワ、ウェストハムからロバート・グリーンが加わっている。寄せ集めの印象が強いが、ヴォルフスブルクもそんなチームだ。チームの潤滑油として機能できる長谷部の存在は大きいのではないか。
ここまでのQPRはスウォンジーと0対5で大敗し、ノリッジと1対1で引き分けた。ボランチはパクとマリ代表のディアキテのコンビで急造感は否めない。ディアキテと交代で入ったデリーは34歳のベテランと中盤の選手層も十分ではない。もし長谷部が加われば、選手層に厚みも出る上、日本語も話せるパクとの意思疎通は難なく進むはずだ。
問題は長谷部にオファーがあるかどうかだ。おそらく代理人の売り込みもあるとは思うが、あまり上手く行っていないのだろう。長谷部は移籍金のハードルを認める発言をしているが、そもそもフリートランスファーで獲得したではないかとも思う。QPRのマーク・ヒューズ監督は、ノリッジ戦後の会見で補強について問われると言葉を濁している。マイケル・ドーソンやジュリオ・セザールといったビッグネームの獲得も取り沙汰されている。
現状の報道等を勘案し、親会社のコマーシャルに起用というニュースが舞い込んだタイミングを考慮すると、おそらく我らがキャプテンはドイツに留まることになりそうだ。それでもマーケットは閉じるまで何が起こるか分からない。QPRでなくても構わないが、欧州のトップリーグで活躍する長谷部の姿を今シーズンも見たいところだ。
画像: 以前は長谷部もトップページを飾っていたヴォルフスブルクのトップページ
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