赤い鳥居が並ぶ風景は迫力があって、よく海外で日本行きの観光写真に使われる。神社の赤は朱の赤で独特の色をしている。
さて、その鳥居をくぐって参拝して、鳥居をくぐり戻る時、興ざめするのは行く道では美しき鳥居の朱しか見えないのだが、帰り道では企業の名前が記されているのを否が応でも目にしてしまうのだ。
『平成〇〇年〇月吉日 △□株式会社』寄付をされたのか、鳥居を寄贈されたのか善行をされたことはご立派なのだが、鳥居が広告も兼ねている姿は感心しない。直接、神聖な鳥居に書き込まなくたって、近くにプレートでも立てて鳥居の寄贈者の名前を列記すればよいのにと思う。
そこまでして自分達の社の名前を宣伝したいか?と思う。宣伝は必要だし、鳥居に自分達の会社名を書いてもらえると、いかにもご利益がありそうな気がするが、これは神社側も考えた方がいいと思う。美観をそこねるのだ、しかも、それは電柱でもなく神社内の鳥居である。
参拝客は清らかな気持ちで鳥居をくぐり、神様に手を合わせるのである。参拝前には手を洗い、口をすすぎ、自らを清めて神様の前に立つのである。
そして、戻る時に見えるものは企業名の連続する赤い鳥居が並んでいるのは、やっぱり何か違うと思う。今更、変えることなど出来ないかも知れないけれど、寄付だけして鳥居に企業名を記入しないままの鳥居を望む企業があれば、そういう企業こそに商売繁盛を願いたい。
物事には表も裏もあるものだけど、本来、鳥居は表も裏も同じ朱の筈なのだが、表は朱で裏は企業名と寄付した年月が書かれている鳥居はなんだか、参拝者として後味が悪いと思えてしまう。
画像: from flickr YAHOO!
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