電車に乗っていると、たまに目に入る中学校の入試問題。あれ、意外と難しかったりしませんか? 「ん……? 分からないかも知れない……。」 そんなとき、普通なら見なかったことにして忘れてしまいそうなものですが、世の中には諦めず、正解を自分で確かめてしまおうという人もいるものなのですね。
「実験 ペットボトルにカイロの鉄粉」
http://www.youtube.com/watch?v=WT16XpNnJMw
上記の動画は、そんな入試問題を目にしてしまった方が、実際に自分で実験して回答を確かめた様子です。
試験問題は以下のとおり。
“ペットボトルにカイロの中身の粉末を全部入れ、フタをきちんと閉めよくふっているとペットボトルが熱くなりました。しばらくするとペットボトルが変形し、冷めても変形したまま元の形にはもどりませんでした。
問 ペットボトルはどのように変形しましたか”
(2008年白百合学園中入試問題)
動画作者のkchr さん、”わからん、、、”(動画より引用)というわけで、使い捨てカイロとペットボトルを用意し、録画をしながら問題文の通りに実験を始めました。そして1時間後にはベッコリとへこんだペットボトルの姿が!
(動画の中で、どうしてペットボトルがへこむのか以下のように解説をしてくださっています。“カイロの発熱は空気中の酸素と鉄粉が結びつくことによって起きることがポイント。ペットボトル中の体積の約20%を占める酸素が奪われるのでペットボトルは”、“へこむ!” とのことです。)
これを見て筆者は、ああ、2Fe +O2 → 2FeOの反応かなーと思いましたが、調べてみると違うんですね。正しくは以下の式になるようです。
“Fe + 3/4O2 + 3/2H2O → Fe(OH)3 + 熱エネルギー”
水分も必要だったとは知りませんでした。意外なトリビアですね。確かに、筆者の手持ちのカイロの原材料名には、水の成分も明記されていました。
余談ですが、日常のふとした疑問を、こんなふうに自分で動いて確かめてみるなんてすごい!と感銘を受けた筆者は、ちょうど部屋にペットボトルとカイロがあったので、自分でも試してみたのです。ペットボトルを振り始めるとすぐに熱くなって、5分もしないうちに本当にペットボトルのウエストが、きゅ~っとくびれる感じにへこみました。そしてそのまま放っておくと、もう振り直しても発熱せず、徐々に鉄粉は冷えていきました。入試問題にあるとおり、ペットボトルはへこんだまま。それも、いかにも”20%”の気体がなくなった、という程度のへこみ具合だったので、本当に酸素は空気の20%なのだなあ、と思えて面白かったです。
学校の授業でやるような結果が分かっている実験だけではなく、日常生活でも「あ、これどうなるんだろう」というようなちょっとした疑問が湧いたら、こんなふうに自分でわざわざ実験してみるというのはなかなか面白いかも知れません。予想もしなかった新鮮な発見があるかも知れませんね。