2015年に発売された超小型で無音なPCであるLIVAシリーズ。
記者は以前にその初代のモデルのレビューを書いた。
そのLIVAも何度かモデルチェンジを重ね、メインのデスクトップPCとしての使用も十分可能なまでに磨きをかけた。もちろんOSのバージョンは64bitのWindows10だ。
その最新型「LIVA Z」を、ちょっと変わった方法でレビューする。
※参考記事
超小型PCで記事を完成させることができるのか?『LIVA』試用レポート
http://getnews.jp/archives/976675 [リンク]
PCとして使用するのに別途用意しなければならない機材は、マウス、キーボード、HDMIケーブル、以上だ。マウスやキーボードは有線でも無線(Bluetooth)でも構わない。
ただし、最初のセットアップのときだけは有線のほうがいいだろう。既存のPCに付属のキーボードを流用すると良い。
今回のレビューは、そんなに小さく軽いのであれば、出張に持ち出してホテルで使えるかどうかという視点で行った。とはいえ、持ち運びすることを前提に作っているわけではなく、それを推奨するわけでもない。
実際に常置していない場所で使用できるのであれば、家での使用は簡単だという論法に基づいている。もちろん、出張先で使用したい方は記者のレビュー通りにすれば可能だ。
いかに簡単に設置、使用できるかという点についてご覧いただきたい。
記者が使用したのはLIVAZ-4/32-W10(N4200)という製品だ。主要スペックは以下の通り。
OS Windows 10 Home (64bit)
CPU Intel® Pentium® Processor N4200
GPU Intel® HD Graphics 505
メモリ SO-DIMM DDR3L 4GB(最大16GBまで拡張可能)
ストレージ eMMC 32GB(拡張可能)
インターフェース Wi-Fi、Bluetooth4.0、有線ギガビットLAN 2ポート、USB3.0 3ポート、TYPE-C 1ポート、HDMI、mDP、3,5mm音声ジャック
本体重量 約365グラム
こんなに小さいPCであるにも関わらず、外部はおろか内部に至るまで拡張が可能だという事実に驚く。
今や地デジテレビには当たり前のようにHDMIが付いているので、新たに購入してもいいし、HDDレコーダー付属のものでも何でも良い、とにかくLIVA-ZとテレビをHDMIケーブルで接続してしまう。HDMIは音声ラインも含んでいるので、テレビのスピーカーとの接続もすでに完了している。
電源を接続してBluetooth接続のモバイルキーボードとマウスをペアリングすればもう使える。
記者は写真をCFカードから読み取らなくてはならないので、USB3.0対応のマルチメディアリーダ/ライタを接続。劇的に早く写真が読み込めるようになる。
スペック欄でも記載したが、USB3.0が3つもついているので、通常の使用方法であればUSBハブは必要ないだろう。おまけに最新のType-Cも搭載しているので、対応デバイスには裏表関係なくさせば接続完了となる。
写真のホテルのようにテレビがテーブルにない場合でも、本体はベッドの上にでも転がしておけば良い。要するにマウスとキーボードさえ手元にあれば使用することができる。こういうこともあり得るのでBluetooth対応のほうが都合が良い。
家で使用するときも、狭い部屋で使用しないときのキーボードは結構邪魔だ。たたんでその辺に置いておけば、テーブルを広く使用することができる。
テレビが大画面な場合は、たいてい壁掛けになっている場合が多い。
この場合も、HDMIさえつないでしまえば、本体はどこでもかまわない。
写真のように、ACコンセント下の床に転がしておいて全く問題はない。
ちなみに家庭で使用する場合、付属のマウントを使用すれば対応モニターにネジ止めすることができる。つまり、本体そのものをモニターに一体とすることができるので、もはやPC本体の置き場所を確保する必要すらないというわけだ。
写真はBluetooth接続済みのモバイルキーボードとマウス。何も線はつながっていないし、本体は床に転がっているが使用可能な状態だ。
本体裏側には有線LANポートが2つあるが、これは通常のパソコンとしての使用方法ではなく、業務用としての使用を想定してのもの。通常使用する場合は1つだけ挿せば良い。
すでに白いケーブルが挿してあるが、これはHDMI。その左側はミニディスプレイポートなので、対応モニターやVGAに変換する必要がある場合はここを使用する。
一番右側は、電源ポートだ。
表側にはUSB3.0ポートが3つ並び、白いストレージがさしてあるが、これがType-Cポート。
この白いメモリーカードはiType-Cというちょっと変わったUSBメモリーで、付属のアダプターを変えることによりType-C、USB、マイクロUSB、iPhoneのライトニングコネクタにさすことができるマルチなメモリーだ。
本体のストレージ容量が小さいので、これを使って写真や文書等の自分のファイルを管理する。一眼レフで撮影した写真をiPhone経由ですぐにインスタグラムにアップすることもできる便利なアイテムだ。
これについては別途レビュー記事を書いてるので参照されたい。
※参考記事
友達のiPhoneやAndroidからPCまで写真や動画ファイルを自由自在に共有!用途に合わせて3種をレビュー
http://newslounge.net/archives/192813 [リンク]
撮影のために、本体をテーブルの上に置いたが、線があるのは電源、HDMIの2本だけだ。
壁掛けの大画面なので、少々離れてても文章入力に何ら問題はない。むしろ写真は大画面で確認できるので編集は早かった。
テーブルにテレビがあり有線LANケーブルも来ているホテルであれば、このような配線になる。
つまり、電源、HDMI、有線LANの3本だ。
テレビの場合、HDMIとはいえ万能全自動で画面がフィットするとは限らない。
写真のように、有効な範囲が画面からはみ出ることもある。こうなると使いにくい。
しかし、心配は無用。常駐しているソフトで簡単に調整できる。
「インテルHDグラフィックコントロールパネル」を呼び出し、画面の縦横比を調整すればきっちりと収まる。
そもそも論として、ノートPCでいいじゃないかという意見はあるだろう。もっともな話だ。しかし、数十万円もする高級機種ならばいざしらず、出張で新幹線車内や遠隔地のカフェではPCを使用せず、ホテルだけで使用できれば十分な環境なのであれば、デスクトップPCで並みのパフォーマンスを得られるLIVA-Zの使用により、時間的・精神的なストレスから解放される。もちろん特殊な使用事例ではあるが、使用価値は高いと思った。
もっとも最初に述べたように、出張先のホテルでの使用を前提、推奨するものではなく手軽に持ち運びができるからこそ、家庭ではもっと簡単にデスクトップPCを常置できるということがおわかりいただければ幸いである。実売価格3万円前後なので、メイン機とは別にセカンド機としてお試しいただくのもアリな機種であろう。
※写真は全て記者撮影