「聖の青春」、塾講師の感想文(学校、教育業界の闇)
私の町には「将棋会館」なんてシャレたものはない。それどころか、将棋教室も聞いたことがない。この映画を見ていたら、少しうらやましかった。
それは、「将棋新聞」があり、記者が取材し、タイトル戦も数多く、マスコミもとりあげ、優勝するとヒーロー扱い。
また、棋譜を公開し、それをコンピューターに取り込んで蓄積し、電脳戦まである。とても、システマチックで、透明で、公開度が高い。
私の趣味は、少林寺拳法だけれど、こちらの格闘技も、将棋と同じく、映画にもなればタイトル戦もある。優勝者はヒーローだ。
昔は、「一子相伝」といった秘密主義もあったらしいが、今は時代が違う。どんな必殺技も公開されている。
しかるに、私のいる教育界はどうだろう。学校は相変わらず密室で、イジメが起こっても校長も教頭も隠蔽する。教育委員会も隠蔽する。予備校、塾業界も同じことで
「どこかに、良い講師はいないか・・・」
と探す人は多いものの、何も公開されていない。タイトル戦もなければ、優勝者もいない。全くの密室状態。
たとえば、私は京大を7回受けて
「どう書けば、8割とれるのか」
というノウハウを知っている。しかし、これを公開する場がない。仕方ないので、こういうブログに書いたり、塾生だけに教えている。その一方で、暴走族講師やらヤンキー講師やら、怪しい講師ばかりが驚くような高給取りになっている。
どうなっているんだ!
教育界も、将棋界や格闘技界のように、タイトル戦をつくり、優勝者を決め、その結果を透明化して公開すべき。
私は名古屋の大規模塾で、40人講師のうち生徒アンケートで2番だった。でも、これは、身内の査定用でパブリックなものではない。公的な資格といえば、英検1級や通訳ガイドの国家試験があるが、こんなもの合格しても誰にも知られない。
私の塾は、三重県の田舎にあるが毎年「京大」合格者がでる。でも、そのノウハウを尋ねられることはない。無名の個人塾だからだ。
「林修先生のような有名人がいるではないか」
という方もみえるが、あれは、東進衛星予備校が有名であって、TV局にCMをバンバン流したために、
「有力なスポンサーの一押し講師なんだから・・・」
という裏事情がある。
「Youtube に動画の授業がいっぱい公開されているではないか」
という方もみえるだろう。
しかし、あれはNHKの講座を手本にした面白くも何ともないもの。特に、「京大受験講座」のような過激なタイトルは、絶対採用されない。そして、講師の死亡とともに、ノウハウは永久に失われて、蓄積されない。
なんと、壮大なムダをやっているんだ。
「あの人は、日本ランク3位の受験指導講師だ」
そんな客観的な評価がされる日は永久に来そうにない。