夕方から夜の作業は体内時計が狂う? 早稲田大学がマウス実験で立証

  by 松沢直樹  Tags :  

日本は残業大国。とはいえ、夕方から夜の作業をセーブしないと、健康を損ねるのは明らかなようです。

15日、早稲田大学が英国の科学雑誌サイエンティフィック・リポーツに発表した内容によると、遺伝子操作を行ったマウスを使った実験で、夕方から夜の作業が増えるとストレスが倍増して体内時計が狂うことが明らかになったとしています。

早稲田大学が行った実験は以下の通り。遺伝子操作を行って体内時計の変化を光の強さで確認できるマウスを用意。マウスをケージに入れ、身動きができない状態にし、マウスが活動している時や寝込み始める時、寝ている時と時間帯をわけて、ストレスを与えて体内時計がどのように変化するかを確認する実験を行っています。

実験によると、マウスにとって夕方にあたる時間帯にストレスを与えると、体内時計が大きく乱れたことがわかっています。反面、マウスにとって朝にあたる時間帯にストレスを与えても、体内時計はほとんど変化しなかったとのこと。

このことからすると、残業が続くと軽微な作業が続いても、体内時計が狂って不眠などの症状に悩む可能性が高いということになります。
なかなか抜き差しならない情勢が続きますが、可能なら作業は早めに切り上げて、翌日の午前に処理するほうが効率も上がりそうですね。

また、夕方以降に強い光を見るとストレスがかさむことがわかっていますから、スマートフォンやパソコンを使いすぎて、不眠の症状が出やすくなるのも説明がつくような気がします。

いずれにせよ、夕方から夜にかけては自然の摂理にならって、可能な限り作業を控えて休むのがよさそうです。

※写真は足成より http://www.ashinari.com/2014/09/08-390345.php

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長