塩崎恭久厚生労働大臣は、18日、全国の労働局長に対して、行政指導の段階でブラック企業の企業名を公開するように指示しました。
いわゆるブラック企業が労働関係の法令に違反する場、臨検などでオフィス内の捜索が行われることがあっても、企業側の責任者が逮捕されるケースは少ないのが実態でした。
労働問題は、労働者の生活がかかっていることもあることや、企業側が違法行為を行っているという意識が薄い場合もあったためとされています。
そのため、行政指導が行われ改善されたかどうか、経過観察を行い、逮捕・送検に踏み切った段階でブラック企業の名称を公開していました。
今回の塩崎恭久厚生労働大臣の指示は、長時間労働を抑制するものの一環として示されたようです。
厚生労働省は、企業名を行政指導の段階で公表する基準として、以下の基準の二つを満たしていることを条件としています。
1・3カ所以上の営業所や支店で、時間外労働や割増賃金に関する
労働基準法違反が認められること。2・時間外労働が100時間を越える労働者が多数発生していること。
残念ながら、この基準ではすべてのブラック企業が行政指導の段階で企業名が公表されるとは限りません。とはいえ、ブラック企業の摘発について、厚生労働省は、今までかけ逃れが多かった社会保険関係の取り締まりについては国税庁のデータを活用するなどといった、おおがかりな抑止対策を講じています。
今回の塩崎恭久厚生労働大臣の指示は、ブラック企業の抑止対策をさらに強化したといえます。効果に期待したいですね。
※ 写真はイメージ 足成から http://www.ashinari.com/2008/11/25-010483.php