お酒のディスカウント販売が禁止されるかも? そもそも、お酒の値段ってどうして違うの?

  by 松沢直樹  Tags :  

20歳以上のみなさんで、お酒を飲む方はいますか? 
もし、日常的にお酒を飲むなら、ディスカウトストアでビールや発泡酒を箱買い……なんていう方も多いかもしれませんね。

町の酒屋さんが少なくなったし、あったとしても、ディスカウントストアよりも高い。だから、ディスカウントストアで箱買いするんだという声が聞こえてきそうです。

でも、ディスカウント販売が今後の成り行き次第では禁止される可能性もありそうです。
14日、自民党の財務金融部会などの合同会議が、行き過ぎた安売り販売をした業者に対して販売免許の取り消しもできる酒税法改正案を了承しました。
現在、お酒の販売は免許が必要です。ふだん私たちが意識しにくいのですが、お酒は種類によってパーセンテージが違うものの、税金がかけられています。お酒を製造するメーカーと、販売する小売店がきちんと酒税を納税すれば、基本的に価格競争は市場の原理に任せるというのが現在のスタンスです。

ただし、一度に問屋や製造メーカーから直接仕入れられるルートを持っている業者が、資金力さえあれば安くお酒を販売し、小規模な酒店などは競争が不利になるのも事実です。酒類の販売免許を持っている小売店を、資金力がある他業種が買収するケースもあり、公平な競争が働いていないという声も届いていました。

もし、お酒のディスカウント販売が法律の改正で禁止されれば、お酒を飲む人の負担が大きくなりそうですが、どういった判断が下されるか心配ではありますね。
そもそも、この問題の根底にある酒税自体が、日露戦争のころに軍事費の調達のために作られた制度だということも考える必要がありそうですね。

※写真は足成 http://www.ashinari.com/2012/11/14-372948.php

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長