所変われば品変わる あん入り餅うどん 香川県観音寺市 かなくま餅

  by 松沢直樹  Tags :  

「所変われば品変わる」ということわざがありますが、食文化からみれば、日本は広いです。
うどん県を再訪した後、うどんにあん入り餅を入れたメニューがあるという情報が。

西日本は、関東の切り餅とは違って、ほとんどが丸い餅を食べます。その中でも、京都から中国四国地方の一部では、白味噌にあん入り餅を入れたお雑煮を食べる習慣があるとは聞いていましたが、うどんにあん入り餅ですか。これは一度食べてみるべきでしょう。

情報を得た かなくま餅さん(香川県観音寺市植田町35-2)へ。

なるほど、こだわっておられるようです。

なるほど。あん入り餅を揚げたものをトッピングできるみたいですね。噂は本当でした。

残念ながら、今日はあん入り餅がないとのこと。丸餅を揚げたものをトッピングしてもらいました。
お肉は、香川県特産のオリーブを食べさせて育てたオリーブ牛です。

オリーブ牛ぶっかけ(650円)

さっそくいただきましたが、ボリューミーなのにするする食べられてしまうのが驚き。噂のあん入り餅ではありませんでしたが、あん入りの餅でもすごくマッチしそうな風味でした。しっかりした食感のうどんが、出汁をしっかり絡め取る感じですね。

しかし……うどん屋さんなのに、どうして「かなくま餅」っていう店名なんでしょう? もともと、餅やお祝い用の和菓子を出してらっしゃるお店で、昔はお遍路さんで八十八カ所を回る方や、伊予街道を通る方に食事を提供したことからうどんを出し始められたのだそう。
お店は、ちょうど伊予街道沿いにありますから、物資の運搬で働く方や、お遍路さんなどで賑わっていたんでしょうね。
つまり、お餅がメイン商品ってことなんですね。そのせいか、お祝い用の御菓子の折がたくさん積んでありました。

うどん県は、おでんやチラシ寿司などを別オーダーで頼めるようになってるお店が多いのですが、かなくま餅さんは、おはぎや桜餅などが別売りされてました。食事のあとにいただく方が多いのだそうです。甘い物は別腹っていいますしね。

おまんじゅうを別にいただきましたが、うどんと甘味のものって意外によく合います。東日本にお住まいの方は、あまり見られない食文化ですから、観光の際は、いい思い出になると思います。ぜひ一度お試しを。

かなくま餅

住所   香川県観音寺市植田町35-2

電話   0875-25-3044

営業時間 8:00-18:00
(日曜定休)

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長