世界一綺麗な空港は羽田空港

  by あおぞら  Tags :  

日本って改めて素晴らしい国に思う。おもてなしの心、人を思いやる心、心を尽くして何かをする国民性。日本を離れてみてそれを実感することは多々ある、本当に多々ある。

NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』は清掃のスペシャリストを追跡する。特に心に留まったのが日本空港テクノ株式会社に勤務し、現場は羽田空港で清掃に従事する中国生まれの新津春子さんだ。戦争後中国にとどまり中国人女性と結婚した日本人を父に持ち、一家は新津さんが17才の時に日本へやってくる。新津さんは当時日本語が全く話せずで、転校した日本の高校にもなじめず、級友からは「中国へ帰れ!」と心ない言葉を浴びされた。また中国にいた時は「日本人!」と言われ執拗ないじめを受けたと言い、中国人なのか日本人なのか自分のアイデンティティーに戸惑ったそうだ。

移住した日本の生活は厳しく、新津さんも家計を助けるために言葉に特に問題を生じない清掃のアルバイトをはじめることになった。結局、それが新津さんの天職となり、30年近くのキャリアを積んだ。清掃は中国では社会的地位が低かったが、日本でも働き始めて同じような印象を持ったというが、新津さんは心ある厳しい上司に鍛えられ、清掃の技術を競う大会で日本一に輝いた。意識は変わってくる、清掃のプロフェッショナル、清掃の職人意識が芽生え始めた。

そうなると一生懸命な仕事に心が宿る。仕事中の新津さんの姿に心を感じる人が声をかけてくれるようになったそうだ。カッコいい。つくづくカッコいい。

私は羽田空港が新しくなってよく利用した。あまりにも美しいので驚いたことと、インパクトが強すぎてかつての羽田空港も思い出せないくらいだ。本当に綺麗に掃除をしている清掃員の方々を思い出す。特にトイレの清潔感である。これは見事というしかない。アメリカの空港も綺麗にはしてあるが、日本ほどのケアーはない。それに清掃員が心を込めて清掃している姿はみた記憶がない。

仕事って花形企業や花形産業に従事することではない。確かにカッコいいと思える職種や会社はある。しかし、究極に心に焦点を当てると仕事に対する心のあり方が一番大切なのではないのだろうか。今はあまり企業や官公庁から派遣されるアメリカ留学は少なくなっていると思うが、エリート社員や職員たちは、更に優遇され企業や政府から派遣されアメリカの優秀とされる大学で学び然るべき学位を取得し、箔をつけて帰国し、一段と出世街道に加速をつけるのだが、不心得者は学位だけ取得して、企業や組織を足蹴にするようにより良い未来を目指して転職する者もいる。そういう裏切り者というか、精神がハレンチな輩がカッコいいか?

例えばニューヨークのミッドタウンやウォールストリートには、仕立ての良いスーツをスマートに着こなし、男のエステにも行っていそうな見た目も良いサラリーマンがうようよいる。しかし、中にはたいして仕事もしないで、している振りをして、それで高給を稼げる人もいるし、実際、そういう人を見てきた事実があるのだが、そういう上げ底の人たちと比べると、清掃の仕事や、工事現場で体を動かして働いている人たちは金の出所が明確にわかるし、見ていて清々しい。

改めて仕事って心を尽くすことだと思う。何に対しても相手を思いやり、誰かのために働ける心が何かを生み出すのだ。

身近な場所を綺麗にすることにより、心も綺麗になる、人にも優しく接するように意識する。職場を綺麗にする、それが周りに影響する。世界一綺麗な空港に選ばれた羽田空港の縁の下の力持ちたち、自らが縁の下の力持ちになれるよう心を配る、小さいことに心を尽くすことで何か素敵なことが生まれてくる。

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