10日、WHOはエボラ熱(Ebola virus disease)による死亡者が、4033名に達したと発表しました。
感染による死亡者は、西アフリカ諸国(ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラシオネ)が大多数を占めていますが、WHOの発表によると、新たにアメリカでの死亡者が加えられています。
感染が拡大する西アフリカに出向いて医療従事者が死亡したことに、米国内ではショックを隠しきれない様子です。これに加えて、帰国して治療を受けていた患者が入院するテキサス州の病院で、看護師がエボラ熱に感染する二次感染が発生したため、さらに動揺が広がっています。
CDCは、病院の二次感染防止の手順に不備があった可能性があり、他の医療従事者も感染した可能性があることを示唆しました。これを受けて、アメリカの看護師団体は集会を開き、エボラ熱患者看護にあたって二次感染を防ぐための訓練が施されていないことを批判する表明を出しています。
エボラ熱は、インフルエンザのように空気感染する病気ではありません。潜伏期間中も感染することはなく、発症後に接触した場合に感染すると考えられています。
しかしながら、医療先進国であるアメリカですら、発症した患者を隔離し、感染拡大を防ぐ体勢が完全でないため、市民の不安はぬぐえないようです。
日本においては、富士フイルムグループの傘下の富山化学工業が開発したエボラウイルスのRNA転写を妨害することでウイルスの増殖を抑えるファビピラデルが注目を浴びています。
すでに未承認薬として治療が行われていますが、西アフリカの感染拡大を阻止するには、先進国ではふつうに行われている衛生処理を周知させることが重要だと言われています。
知ることは最良のワクチンという言葉がありますが、私たちも不用意に騒ぎすぎず、適切な対応と支援を行いたいですね。
写真は 足成 http://www.ashinari.com/ より