バルタザール・グラシアンは、十七世紀のスペインで活躍した著述家、修道士です。
彼の著書をあの森鴎外が日本語訳したり、また哲学者フリードリッヒ・ニーチェは
「ヨーロッパはいまだかつて、これほど精妙にして複雑な人生の道徳律を生んだことはなかった」
と記しています。
本『バルタザール・グラシアンの 賢人の知恵 』の内容の多くは「人間関係について」の内容ですが、これを読んでふとアナロジー思考で
「こういう考え方でツイッターをすべきだなぁ」
と感じました。
そこで、賢人バルタザール・グラシアンの教えに沿って、もし彼がツイッターをやったらきっとこうだろう、という考え方を紹介します。
1. 好ましい人と付き合う
何かしら得るところや、学べるところのある人とつきあおう。
(中略)
大事なのは知識より知人なのだ。
誰でもいいから適当にツイッターでフォローしまくることも、相手からフォローし返してもらうことを考えれば意味はあります。
ただ、自分がTLを見るときには、興味のない人のつぶやきは目障りになることも。
逆に、他人のふとしたつぶやきから知見を得ることはよくあります。
ツイッターで見る相手を選びましょう。
2. 明るい話題を話す
「い つも明るい知らせを持ってきてくれる人」と認められたということは、つまり、良いものを探しだして、みんなに知らせる能力が評価されたということだ。 悪いことをあざ悪いのではなく、良いことをほめる習慣がある人は、引く手あまたとなってみんながその意見をぜひ聞きたいと思うだろう。
メディアでは、刺激のない情報はつまらない。
そのため、事件・事故など悪いニュースなどが流れがちであり、我々もつい目を奪われてしまいます。
しかし、悪い知らせばかり持ってくる人は、たとえその人が悪いことをしていなくても印象が悪くなってしまう可能性があります。
これは情報を流す際に気を付けたいところです。
3. 自分と対局にある人と付き合う
見習いたいと思えるような人を手本にしよう。尊敬する人に常に接し、その判断力や態度、ふるまいを学びとろう。
ツイッターではあまりに気軽につぶやくことができるために、良くも悪くも人の素が出てしまいがちです。
自分にない才能や性格を持った人のツイートをチェックしてみましょう。
普段の生活はもちろん、ツイッターでの発言の仕方などについても手本にすべきことが多く見つかるでしょう。
4. 萎縮しない
恐れなければならないほどの高尚な人などいない。誰に対しても、高貴な人だなどと思い込まないように。そうでないと自分の心が畏縮してしまうからだ。
(中略)
誰でも生身の人間で、それぞれ欠点もあれば言い訳もする。
ツイッターでは著名人と気軽に交流できることも大きな楽しみの1つです。
「あんな有名人に自分なんかが声かけちゃマズイ…」
「お忙しいあの経営者の方はどうせ返事くれないだろうな…」
などと萎縮せず、思い切ってツイッター上で声をかけてみることです。
リアルで話しかけるよりもずっとハードルは低いはず。
意外と反応してもらえることもありますよね。
5. 他人のあら探しをしない
他人の欠点を指摘することは、実は自分自身への指摘にほかならない。
(中略)
誰かれとなく悪口を言う人は口からひどい悪臭を放ち、人のスキャンダルを掘り返せば自分の足元をもっと汚すことになる。
ツイッター上では、上司の悪口、有名人の悪口などよく見かけます。
しかしふと冷静に考えると、自分にもそれが当てはまったりするものです。
また、他人の悪口を言っている人の周りに人は集まってこないでしょう。
気を付けたいところです。
6. 世間が認めているものにけちをつけない
世間から愛され大勢の人を喜ばせるものなら何でも、たとえこちらにはその良さがわからなくても、どこかいいところがあるはずだ。
(中略)
人がありがたがっているものにただひとりけちをつけると、こちらの判断力やセンスが疑われるのだ。
誰でも、自分の好きなものを否定されるのは気持ちのいいことではありません。
多くの人が認めているものなら、良さがわからなくても隠しておいたほうが良いでしょう。
ツイッターではつい気軽に「あんなの何がいいの?」「理解できない」などとけちをつけてしまうことがあるかもしれません。
また、あえて世間と逆のことを言って目立とう、という人もいます。
しかし、目立つことはできても、好かれることは少ないでしょう。
7. 自分に関する情報は極力伏せる
自分に関する情報はおおっぴらにせず、伏せるべきことは伏せておかないと、いったいどんな問題が起こるかわからない。不利になる恐れのある情報の開示は慎重にすべきだ。
むしろ謎をつくることで、あなたの価値が上がることさえあるかもしれない。推定できないものは高く評価されるからである。
ツイッターで自身の飲酒運転などを暴露して大炎上する事件が後を絶ちません。
飲酒運転をしてはいけないことはもちろん、それをわざわざツイッターでつぶやくというのは理解できません。
ツイッターは気軽であるからこそ、自分の情報をしっかり守るために注意すべきです。
まとめ
もちろん、本書はツイッターについて書かれたものではなく、人生について書かれたもの。
上記の言葉をぜひ人生に活かしましょう。
しかし、そのままツイッターにも使える考え方であることをわかっていただけたのではないでしょうか。
ツイッター初心者の方などにぜひ、ツイッターの注意事項としてこの内容をお伝えください。
ちなみに本書は、超訳 ニーチェの言葉などと同様に1ページに1つの教え、というスタイル。
毎朝適当なページを開いてみて、その内容を意識して一日を過ごす、などという使い方ができますよ。
目次:
人とのかかわりについて
駆け引きについて
会話について
知性について
自分自身について
才能について
成功について
人生について